左脳→右脳

１１月７日のブログ『言霊』に掲載した、大井静雄さんの本『痛快！ゴルフ勉強法』。
「あのブログを見て、あの本を読んでみた」とおっしゃる方が何名かいらっしゃった。
（大井静雄さんに謝礼を頂かなきゃ…な～んて…爆！）

そして、「バックスイングとダウンスイングでは、使っている脳の場所が変わる」というところを興味深く読まれた方が多かったようだ。

私も、この本に掲載されていた、スイング中のＭＲＩ画像（脳の中で使われている場所が白く映る脳のレントゲン写真のようなもの）は、興味深く見た。
（どなたの、どれくらいのレベルの人の、スイング中のＭＲＩなのだろう？とは思ったが…）
それを見ると、アドレスでは、右脳も左脳も均等に使われている。
それが、バックスイングをはじめると左脳が活性化し、ダウンスイングからインパクト直前までは右脳が活性化し、そして、フォロースルーでは、また左右の脳が均等に活性化していた（右打ちの場合）。

このＭＲＩの画像と、この「（右打ちの場合）トップまでは左脳支配、インパクトまでは右脳支配」の部分を読んで、「スイング中の一瞬のうちに、使っている脳の箇所は、こんなにも明確に変わるものなんだ」と思った。
そして、私自身が、実際にショットをした時、「ミスショットのほとんどが、左側への動き（ダウンスイングからフォロースルー）の時に起きている」と感じる理由が分かるような気がした。

私の場合、身体の左サイドの動きがスムーズでなかった時に、ミスショットが出る。
この理由を、「左腕の筋力不足が原因で、左腕の動きが不安定になってしまうからだ」と思っていた。
だから、重めのバットで左腕のみの素振りなどをして解消しようとしていたのだが、それでも、ミスショットは左サイドへの動きの時に出る（苦笑）。
筋力の問題だけでは無さそうだ…と思っていた。
そして、この本のこの部分を読んで、「そうか！脳の問題だったのか！」と思った（笑）。

この本によると…。
右打ちの場合、スイングをしろという総指令は、左脳の前頭連合野から出される。
左脳の前頭連合野が、左脳の運動野に指令を出し、左脳の運動野が右半身に指令を出して、バックスイングが始まる。
トップの位置までは、身体の左サイドは右サイドの動きに連動するだけなので、右脳の前頭連合野や運動野は働かない。
トップからダウンスイングに切り替わる瞬間、脳梁の連結を通じて左脳の連合野から右脳の連合野に手足への指令権が移る。
切り返しからインパクトまでは、総指令を出す左脳前頭連合野から右脳の運動野への指令が出て、右脳の運動野から左半身へどう動くかの指令が出される。
このように考えると、左脳の前頭連合野の命令が強過ぎて、右脳の運動野が左半身をコントロールできないときや、左脳・運動野から右脳・運動野へのバトンタッチがスムーズに行われなかったときに、ミスショットが起きる。

「なるほど」と思った。

また、アベレージゴルファーは、左脳の前頭連合野の指令が強く右脳の運動野が活躍できないままスイングを終えてしまうか、左脳→右脳のバトンタッチを覚えていないため、左脳の運動野の指令が根強く残ってしまうかの、どちらかだと書いてあった。
だけど、これは特にアベレージゴルファーに限ったことではなく、左脳・前頭連合野の指令が強過ぎる場合や、左脳→右脳の運動野のバトンタッチがうまくいかなかった場合にミスショットが出るというのは、多分、アベレージゴルファーの域は脱しているであろう私の場合も同じだろうと思った。

実際にスイング中にＭＲＩで脳の働いている箇所を撮影している現場を見たわけではないが、脳の仕組みなどと照らし合わせて考えると、この理論は、その通りなんだろうと思える。
また、左脳と右脳は脳梁で隔てられていることを考えれば、スイングという一瞬のうちでの、左脳→右脳へのスムーズなバトンタッチは、それこそ”訓練”するより他はないように思える。

ひとつ前のブログ『自分に言い聞かせながら…』や、本日のブログに書いたような科学的に解明されていることを知って、それを踏まえた上で、どういう練習をすれば良いのかを考える。
科学者の方には、解明をお願いして、それから先は、ティーチングプロにバトンタッチをして頂いて、私たちが、試行や実践を繰り返し、効果を見ながら練習法を探って行く。
この作業は、ティーチングプロとしての醍醐味と言えるかも。

…ちなみに、推奨している練習法の、片手素振りは、この右脳と左脳の活性化にも役立つのではないかと思いながら、行って頂いています。
”マイデジカメ”で、皆さまのスイングを撮影してみたら、ダウンスイングでの軌道が良くなっておられる方が多かったです。（←右脳の運動野が活躍している証拠？）