ゴルフの空(GET Golf Academy 主宰 松村公美子のブログです)

ゴルフレッスンのこと、スイング理論(ゴルフスイング体操)のこと、日常でのこと、色々、時々、書いています

『沈まぬ太陽』の3巻目

2009年10月12日 | 読書 ・鑑賞・観劇録
3連休、皆さまいかがお過ごしでしたでしょうか?
秋の3連休にふさわしく(?)、秋晴れの良いお天気続きでしたね。

…私は、この3連休の間、帰宅してから『沈まぬ太陽』の第3巻目”御巣鷹山編”を読んだ。
そして、胸にドンと重いものが乗っかったような気分になった。
仕事に関連するような本以外を読むのは、娯楽と思っていたが、この”御巣鷹山編”は、娯楽とは言えないほどの凄惨な現実を知る読書になった。

そして、あの事故のことを思った。

あの飛行機事故では、高校の時の体育の先生がお亡くなりになった。
私が高校3年生の時に、大学の体育科を卒業なさり、そのまま付属の高校に赴任されてきた若い女の先生だった。

この事故が起きたのは1985年。
なので、私は、大学3年生だったのかな?
食卓に座って、この事故で犠牲となられた520名の方々のお名前を新聞で見ていた時…。
その先生の名前を見つけ「えぇ~」とも「あぁ~」とも言えないような声を上げたので、隣に座っていた母が「どないしたん?知ってる人でも乗ってたんか?」と言った。
「高校の時の体育の先生や…」と言って、ガタガタと震えたことを覚えている。

その後、何日か経ってから、同じソフトボール部だった同級生から電話がかかってきて、数人で誘い合って、その先生が眠っておられるお墓にお参りに行った。
高校時代の1年間、体育の先生と体育会系のクラブの部員と言う関わりだけだったので、先生が私たちのことを覚えて下さっていたかどうかは分からない。
だけど、お亡くなりになったことを知って「せめて、お参りだけでも…」と思った気持ちはみんな一緒だった。
事故のショックと、知っている先生が、お若いままにお元気なままに、お亡くなりになってしまったショックとで、高校卒業以来、久々に集まった私たちだったが、この”集合”は全く楽しいものではなく、あまり多くの言葉を交わさないまま”解散”したことを思い出した。

今回、この小説を読んだことで、あの事故の想像を絶する凄絶さを目の当たりにしたように感じた。
この飛行機に乗っておられた方々の恐怖や無念さは、実際にその飛行機に乗り合わせていなかった者には、到底測り知ることはできないくらい、残酷なものだったと知った。

映画を見たいから原作を…と思って読み始めたが、原作を読んでみると、あの時のショックを思い出し、また、この飛行機に乗り合わせてしまわれた方々のことを思うと、「この映画をまともに観ることはできるだろうか?辛くならないかな?」と思ってしまった。

『沈まぬ太陽』は、娯楽として楽しむものではなく、実際に起こった凄惨な現実から目を背けることなく、それを知り、そこから何を思うかを問うて来る小説のように思う。

…今年の読書の秋は、重厚です。

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