レッスンをしていながら、ふと思うこと。
クラブを振っている経験や年数が長くなればなるほど、その人の意識は、クラブフェースにまで到達して行く。
クラブを振り始めて間もないうちは、クラブを握っている自分の手元にしか意識を向けることができないのが、経験を積むにつれて、徐々に、シャフトを振っている感じが出てきて、もっと経験を積むと、クラブフェースはどこを向いているかに意識を向けながら、スイングすることができるようになる。
クラブを振る経験を積んだ人ほど、身体の動きとクラブの動きの同調性が出て来て、クラブフェースを操作するのが上手くなる。
また、クラブフェースにまで意識が向くようになると、無意識のうちにもクラブの長さを感じ取りながらスイングすることが出来るので、ボールにジャストミートさせる確率も上がる。
スイングしながら、自分の意識の到達している箇所が、初心者から上級者になるにつれて、手元→シャフト→クラブヘッド→クラブフェースになる。
こういうことは、これまでのレッスンの経験上から思ってきたことなのだが…。
茂木健一郎さんの本(『脳の中の人生』)に、これに通じるような、興味深い文章が載っていた。
少々長くなるが、引用してみると…。
『サルに道具を使わせると、サルの脳の中のボディ・イメージが道具まで拡張されるという研究がある。(ボディ・イメージとは、脳の中に成立している自分自身の身体のイメージのこと)。サルが手では直接届かないエサを熊手で引き寄せる動作をすると、今まで手のボディ・イメージを表していた神経細胞が、熊手までも手の一部だと認識するようになるのである。
ただし、ただ単に道具を手に持っているだけでは、ボディ・イメージは拡張されない。実際に道具を使わなければ、道具が身体の延長として知覚されることもない。道具を動かすという「運動出力」と、動かした結果としてフィードバックされる「感覚入力」が照合されることによって、ボディ・イメージが拡張されるのである。』
道具を使い慣れるということは、このボディ・イメージが、道具にまで拡張されるということなのだろう。
ゴルファーの場合は、クラブを振りはじめてから「運動出力」と「感覚入力」を繰り返すことによって、徐々に、手元からヘッドの先端にまで、ボディ・イメージを拡張させて行けるのではないだろうか?
上級者になればなるほど、ゴルフのクラブは長くても、その全体を自分の身体と認識できているのではないだろうか?
とても個性的なスイングでも(あえて書けば、不格好なスイングでも)、そこそこのスコアで上がってくる人などは、このボディ・イメージがクラブにまで拡張されている人なのかもしれない。
ただし、ティーチングプロの立場としては、やはり綺麗なスイングの方が、身体の動きとクラブの動きが同調しやすいので、ボディ・イメージがクラブにまで拡張されて行くのはスムーズだと思う。
更に長くなるが、その後に続いている文章を引用しておくと…。
『車に乗って運転しているときに、車が自分の身体の延長として感じられる、いわゆる「車両感覚」も、車という道具にボディ・イメージが拡張されるプロセスだと考えられる。
…現時点では脳科学による裏付けはないが、ジャンボジェット機のパイロットや、大海原を行くタンカーの船長は、自分の身体の何十倍・何百倍もある鉄の塊を、自分の身体の延長として知覚しているだろうと推測される。
このように考えると、私たちのボディ・イメージは、きわめて柔軟、ダイナミックに変化するものであるということがわかってくる。脳は、「ここまでが身体」だと決めつけているわけではない。身体のイメージは、むしろ、運動と感覚のフィードバックを通して、ダイナミックにつくり上げられるものなのである。
柔軟でダイナミックなボディ・イメージのメカニズムがあるからこそ、私たち人間はさまざまな道具を使いこなすことができる。「ホモ・ファーベル」(道具をつくって、使う人)としての人類の文明の発展の背後には、このようなボディ・イメージの脳内メカニズムが存在するのである。』
人間は、脳内のメカニズムによって、道具を使いこなすことができる。
車の運転も若葉マークの頃は、車のアチコチを、アチコチにぶつけたりしたものだが、運転に慣れてくると、そういうことも少なくなる。
クラブと言う道具を使いこなすには、クラブを振る「運動出力」と、振った結果としてフィードバックされる「感覚入力」を照合して行くこと。
(フィードバック:ある結果を原因側に戻す操作のこと)
その結果、徐々にクラブの先端までもが自分の身体として認識できるようになり、ボディ・イメージが拡張されて、クラブを使いこなすことができるようになる。
…人間の脳内のメカニズムを考えると、クラブを使いこなすことのできる可能性を秘めているのが人間の脳だとも言えそうです。
綺麗なスイングを何度も繰り返して練習して、振ることに慣れて、ボディ・イメージをダイナミックに、クラブ全体にまで拡張させて行きましょう。。。
クラブを振っている経験や年数が長くなればなるほど、その人の意識は、クラブフェースにまで到達して行く。
クラブを振り始めて間もないうちは、クラブを握っている自分の手元にしか意識を向けることができないのが、経験を積むにつれて、徐々に、シャフトを振っている感じが出てきて、もっと経験を積むと、クラブフェースはどこを向いているかに意識を向けながら、スイングすることができるようになる。
クラブを振る経験を積んだ人ほど、身体の動きとクラブの動きの同調性が出て来て、クラブフェースを操作するのが上手くなる。
また、クラブフェースにまで意識が向くようになると、無意識のうちにもクラブの長さを感じ取りながらスイングすることが出来るので、ボールにジャストミートさせる確率も上がる。
スイングしながら、自分の意識の到達している箇所が、初心者から上級者になるにつれて、手元→シャフト→クラブヘッド→クラブフェースになる。
こういうことは、これまでのレッスンの経験上から思ってきたことなのだが…。
茂木健一郎さんの本(『脳の中の人生』)に、これに通じるような、興味深い文章が載っていた。
少々長くなるが、引用してみると…。
『サルに道具を使わせると、サルの脳の中のボディ・イメージが道具まで拡張されるという研究がある。(ボディ・イメージとは、脳の中に成立している自分自身の身体のイメージのこと)。サルが手では直接届かないエサを熊手で引き寄せる動作をすると、今まで手のボディ・イメージを表していた神経細胞が、熊手までも手の一部だと認識するようになるのである。
ただし、ただ単に道具を手に持っているだけでは、ボディ・イメージは拡張されない。実際に道具を使わなければ、道具が身体の延長として知覚されることもない。道具を動かすという「運動出力」と、動かした結果としてフィードバックされる「感覚入力」が照合されることによって、ボディ・イメージが拡張されるのである。』
道具を使い慣れるということは、このボディ・イメージが、道具にまで拡張されるということなのだろう。
ゴルファーの場合は、クラブを振りはじめてから「運動出力」と「感覚入力」を繰り返すことによって、徐々に、手元からヘッドの先端にまで、ボディ・イメージを拡張させて行けるのではないだろうか?
上級者になればなるほど、ゴルフのクラブは長くても、その全体を自分の身体と認識できているのではないだろうか?
とても個性的なスイングでも(あえて書けば、不格好なスイングでも)、そこそこのスコアで上がってくる人などは、このボディ・イメージがクラブにまで拡張されている人なのかもしれない。
ただし、ティーチングプロの立場としては、やはり綺麗なスイングの方が、身体の動きとクラブの動きが同調しやすいので、ボディ・イメージがクラブにまで拡張されて行くのはスムーズだと思う。
更に長くなるが、その後に続いている文章を引用しておくと…。
『車に乗って運転しているときに、車が自分の身体の延長として感じられる、いわゆる「車両感覚」も、車という道具にボディ・イメージが拡張されるプロセスだと考えられる。
…現時点では脳科学による裏付けはないが、ジャンボジェット機のパイロットや、大海原を行くタンカーの船長は、自分の身体の何十倍・何百倍もある鉄の塊を、自分の身体の延長として知覚しているだろうと推測される。
このように考えると、私たちのボディ・イメージは、きわめて柔軟、ダイナミックに変化するものであるということがわかってくる。脳は、「ここまでが身体」だと決めつけているわけではない。身体のイメージは、むしろ、運動と感覚のフィードバックを通して、ダイナミックにつくり上げられるものなのである。
柔軟でダイナミックなボディ・イメージのメカニズムがあるからこそ、私たち人間はさまざまな道具を使いこなすことができる。「ホモ・ファーベル」(道具をつくって、使う人)としての人類の文明の発展の背後には、このようなボディ・イメージの脳内メカニズムが存在するのである。』
人間は、脳内のメカニズムによって、道具を使いこなすことができる。
車の運転も若葉マークの頃は、車のアチコチを、アチコチにぶつけたりしたものだが、運転に慣れてくると、そういうことも少なくなる。
クラブと言う道具を使いこなすには、クラブを振る「運動出力」と、振った結果としてフィードバックされる「感覚入力」を照合して行くこと。
(フィードバック:ある結果を原因側に戻す操作のこと)
その結果、徐々にクラブの先端までもが自分の身体として認識できるようになり、ボディ・イメージが拡張されて、クラブを使いこなすことができるようになる。
…人間の脳内のメカニズムを考えると、クラブを使いこなすことのできる可能性を秘めているのが人間の脳だとも言えそうです。
綺麗なスイングを何度も繰り返して練習して、振ることに慣れて、ボディ・イメージをダイナミックに、クラブ全体にまで拡張させて行きましょう。。。
私も熊手を持ち始めたさる状態ですが、
いっぱい打ってクラブが自分の指先のように感じられるまで頑張ります!
(何十年先?…
『ボディー・イメージの拡張』は、熊手を持ったサルと、クラブを持った人間を同列で考えるのもどうかと思ったのですが
でも、私も、本文に引用した部分は、「フムフム…」と、納得させられる内容でした
道具を使い慣れるほど、このボディー・イメージは拡張されるようです。
サルに負けちゃわないように(?)、頑張って参りましょうね