ゴルフの空(GET Golf Academy 主宰 松村公美子のブログです)

ゴルフレッスンのこと、スイング理論(ゴルフスイング体操)のこと、日常でのこと、色々、時々、書いています

人間の感覚

2009年06月13日 | 読書 ・鑑賞・観劇録
本日の『MR.BRAIN』には、ピアニストが出てきていましたね。
ピアニストを見て思い出したのが、『第13回 ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール』で、日本人として初めて優勝された全盲のピアニストの辻井伸行さんのこと。
(数日前のニュースで報道されていましたね。)
日本人初ということも、全盲のハンディを乗り越えて、ここまで頑張って来られた辻井さんも素晴らしい。
帰国後のインタビューで、「点字の楽譜で弾くことも有るが、非常に時間がかかるので、音を聴いて楽譜を覚えて弾いている」と話されていた。
こういうニュースを聞くと、人間の能力や感覚は、どこまで凄いのだろうと思わされる。

人間の五感、視覚・聴覚・触覚・味覚・臭覚の中で、ピアノを弾くことに必要だと思われるのは、視覚と触覚と聴覚。
でも、辻井さんは、全盲ということなので、視覚には頼れない。
その代わりとなったのが、聴覚と触覚で、ピアノの練習をなさっているうちに、その感覚が、見える人に比べて、何倍も何十倍も研ぎ澄まされたのだろうか?
視覚を補って余りあるくらいの聴覚と触覚、それに記憶力なんだろうな、と思えた。

ピアニストの方は、次は”ド”とか、その次は”ファ”などと、音符を思い浮かべながら弾いておられるのではなくて、何度も何度も同じ曲を練習して、その曲を”身体で覚えて”演奏なさるらしい。
弾いている途中で、音符を思い浮かべると、逆にスムーズに指が動かなくなることもあるのだとか。
身体で覚えて、身体で弾くから、その曲に、自分の魂を込められるのかも。

辻井さんのピアノも、まさに、心の動きや魂で弾いておられるように聴こえたし、「これを弾いておられるのが、全盲の方なのか…」と思うと、鳥肌が立った。

…ゴルフの場合も、自分の感覚に問うてみながら覚えて行くことって大事。
例えば、グリップを握っている強さ感覚(グリッププレッシャー)、アドレス時の身体のバランス感覚、スイング中に自分の足の裏で感じられる重心移動の感覚、トップの位置にクラブを上げた時に自分の手や腕に感じられるクラブの重さ感覚、フィニッシュまで振りきった際の身体の捻じれ感覚など。
また、ジャストミートした時の音は聴覚で、アドレス時のボールの位置などは視覚に頼っている。

6月7日のブログ『ボディ・イメージの拡張』にも引用していた一文、『道具を動かすという「運動出力」と、動かした結果としてフィードバックされる「感覚入力」が照合されることによって、ボディ・イメージが拡張されるのである。』にも有った”感覚”という言葉。

感覚に対して敏感でいた方が、ボディ・イメージも拡張されやすいし、”身体で覚える”ことにも結びつきやすいかも。

…人間の感覚は、ピアニストの辻井さんの素晴らしい例のように、意識を向ければ向けるほど、開発されて、研ぎ澄まされて行くものなのかもしれません。

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