ゴルフの空(GET Golf Academy 主宰 松村公美子のブログです)

ゴルフレッスンのこと、スイング理論(ゴルフスイング体操)のこと、日常でのこと、色々、時々、書いています

『ブラック・スワン』

2011年06月22日 | 読書 ・鑑賞・観劇録
昨夜は、映画『ブラック・スワン』を観て来た。

ニナと言う、主人公のバレエダンサーが、大役を射止めたことで、プレッシャーに押し潰されそうになりながらも、自分の殻を破ろう、これまでの自分を越えようと、もがき苦しみ、そして、次第に、心理的に追い込まれて行く様を、ホラー・サスペンス風に描いた映画だった。

ホラー映画やサスペンス風なところは、主人公の幻覚であり、表現者(バレエダンサー)としての苦しみと、主役であることのプレッシャー…。

しかし、この幻覚により、自己を崩壊させ、限界を超えて行く主人公、ニナ…。

その苦しみやプレッシャーとは裏腹に、狂気の沙汰で演じた舞台の上のニナには、大きな拍手と称賛の声が贈られるのだった……。

自己を崩壊させてまで、人々の称賛を得ることのできたニナは、果たして幸せだったのだろうか?

人間としては破滅でも、表現者としては達成感で満ち溢れていたのだろうか?

ここまで自分を追い込んだニナは、人間として、弱かったのだろうか?それとも、強過ぎたのだろか?

と、そんなことを考えさせられたラストシーンだった。

ニナを演じておられたナタリー・ポートマンさんの“表情”が、素晴らしかった。

…この映画。

押し潰されそうなほどのプレッシャーを感じたことの有る人、逃げたくなるような重圧を感じたことの有る人には、主人公の心の崩壊が理解できるのではないか…と思った。

主人公が見ていた幻覚は、脂汗をかきつつ、うなされ、飛び起きるような、悪い夢の表現。

そう思えば、この『ブラック・スワン』は、人間の心の内側を鋭くえぐり、夢を追う苦しみ、自分自身と言う敵と戦う“もがき”を描いた作品だったように思える。

ニナを大役に抜擢した舞台監督の言葉に「君の道をふさぐ者は、君自身だ」と言うような台詞が出て来る。

ニナの心の崩壊は観ていて苦しかったが、この言葉が、この映画に秘められているメッセージではないか…と言う気もした。

…ホラー映画は、怖くて、いつも避けて通ってしまうけど(笑)、この『ブラック・スワン』は、観て良かったです(^_^)

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