阿部ブログ

日々思うこと

『日米開戦へのスパイ』読了

2017年07月12日 | 雑感
孫崎享氏の『日米開戦へのスパイ』を読了。
  
尾崎秀実の逮捕は、1941年10月14日であり、15日ではないことを示している書籍であり、依然から考えていたことと同じ考えに至っていた人に初めて遭遇した。孫崎享氏のTBSラジオ「おはよう寺ちゃん活動中」での発言は感心しないが、この本が指摘する観点には賛同する。ゾルゲ事件は、第三次近衛内閣の時に発生した事案で、丁度、日米交渉が行われており、対米開戦の議論が最高潮に達した時期にあたる。
そして、大元帥裕仁閣下は、1941年10月13に開戦の詔勅起案を命じ、これで大日本帝国の戦争突入が確定した。尾崎秀実の逮捕は、翌14日の早朝である。この動きは全て連動している。対米開戦に反対する近衛の一派を一掃することが目的だ。逮捕された尾崎がゲロると鈴木貞一企画院総裁が、近衛首相に退陣を促し、16日に退陣となった。

世界保健機関が脅威となる耐性菌ランキングを発表

2017年07月12日 | 雑感
世界保健機関(WHO)は、人類の健康に最大級の脅威を与え、新規の有効な抗生物質を緊急に必要としている薬剤耐性菌のリストを初めて公開している。

1 アシネトバクター・バウマニ(カルバペネム)
2 緑膿菌(カルバペネム)
3 腸内細菌科、基質特異性拡張型β - ラクタマーゼ産生菌(カルバペネム、セファロスポリン)
4 エンテロコッカス・フェシウム(バンコマイシン)
5 黄色ブドウ球菌(メチシリン、バンコマイシン)
6 ヘリコバクター・ピロリ(クラリスロマイシン)
7 カンピロバクター属種(フルオロキノロン)
8 サルモネラ属種(フルオロキノロン)
9 淋菌(セファロスポリン、フルオロキノロン)
10 肺炎連鎖球菌(ペニシリン非感受性)
11 インフルエンザ菌(アンピシリン)
12 赤痢菌属種(フルオロキノロン)

このリストのトップにあるアシネトバクター・バウマニ(Acinetobacter baumannii)は、重篤な感染症を引き起こす極めて危険で、その抜本的な治療法はない耐性菌である。何故ならばカルバペネム系抗生物質は、他の治療方法が効かない場合の最終手段として用いられる薬剤であるから・・・
こうした抗生物質に耐性を持つ菌によって世界で年間 70万人が死亡しているとされており、今後も有効な耐性を持つ新規抗生物質の開発に失敗すると2050年には1000万人が犠牲になる可能性があると言われている。しかし、製薬会社は、耐性菌薬剤の開発にはメリットが少ないと判断しており、実際に投資を行う企業は多くないだろう。