過去ブログ「シリアでの化学兵器使用問題」で書いた化学兵器の件だが、国連の化学兵器調査団はシリア政府の入国許可が下りず、未だにキプロスで待機中だが、英国のSASが回収した土壌から化学兵器使用の痕跡が発見と報道されている。
レッド・ラインを越えたシリアに対して米軍が着々と部隊配備を行っている。既にヨルダン軍の特殊部隊へのBC兵器対処訓練と演習支援の為に、特殊部隊を中核とする200名を増強している。これは北朝鮮の核問題と同じで、シリア軍が保有する化学兵器などBC兵器の確保、若しくは破壊を企図しているもの。この対ヨルダン支援は、CTR (Cooperative Threat Reduction) プログラムを通じて行われており、最新のガスマスクや防護服一式を含む7000万ドル相当の装備を提供している。
また、シリア国境線におけるヨルダン軍の防衛行動を支援するため、第1機甲師団(1st Armored Division)の司令部の一部機能、情報(G-2)と特別任務大隊(Special Troops Battalion)、第141通信大隊(141SigBN)を中核とする師団要員をヨルダンに派遣する。状況によっては、戦闘旅団と航空旅団「アイアン・イーグル」を展開させる事を想定している。派遣期間は1年としているが、シリア内戦は長引く様相を呈しているので延長される事が予想される。