「けいはんな学術研究都市」にNTTコミュニケーション科学基礎研究所 (通称CS研)がある。住所は、京都府相楽郡精華町光台2-4 NTT京阪奈ビルとなる。東京からだと新幹線で京都まで行き、近鉄線で新祝園駅下車で、バスにて15分。
NTTの研究開発組織は、NTT持株会社直轄で、現在、3つの総合研究所体制で研究開発を行っている。3つの総合研究所とは、①サービスイノベーション総合研究所、②情報ネットワーク総合研究所、③先端技術総合研究所。NTTの事業形態から理解できる通り、ネットワーク上で実現する革新的なコミュニケーションサービスと、新たなサービスを実現する次世代情報ネットワーク基盤技術の開発を中心に行っている。特にトップクラスと自負する光関連技術など、新たしい物理原理や新素材・新部品を開発する先端的な基礎研究は、今でも国際的にも抜群に優秀。
NTTの研究開発拠点は、横須賀YRP、武蔵野(三鷹)、筑波、厚木、それと京阪奈で、NTTコミュニケーション科学基礎研究所は、先端技術総合研究所に属し、情報通信に革新をもたらす情報科学と人間科学の新概念・新技術の創出を日々行っている。名前からNTTコミュニケーションズの研究組織と思われがちだが、勿論、NTT持株会社の研究機関である。
コミュニケーション科学基礎研究所は、人間情報研究部、協創情報研究部、メディア情報研究部、守谷特別研究室の3部、1室で構成されている。特徴は人間の五感を研究する学者が一同に集っている事。最近特にユーザーインターフェースの重要性が強調されるようになってから研究内容が注目されるようになっている。
特に研究所訪問にて面白いと思ったのは「幼児言語発達の解明に向けた基礎研究」。人間は、言語を操作して、高度な社会的コミュニケーションや概念的思考による問題解決などを行う唯一の動物だが、その言語習得のプロセスは謎に満ちている。CS研究所の言語知能研究グループでは、赤ちゃんがどのように言語を習得するかを科学的に解明し、その知見をICT技術と連動させて、育児支援や幼児教育につなげることを目指して研究を進めている。
赤ちゃんが1歳頃になると初語を発し始める。
初語とは、赤ちゃんが母語音声から特定の音声配列を抽出し、それと意味を結びつけること。その後、1歳後半になると、効率的に単語学習が行えるようになり、単語を連結させた文も話し始める。2歳では文法知識も格段に増え、言語による精緻なコミュニケーションを達成するが、この過程を語彙爆発と称するが、こうした語彙・意味・文法の各機能の発達過程を実験心理学、心理言語学、自然言語処理、認知科学などを駆使して学際的アプローチから研究を進めて、最近、この語彙爆発の謎を解明している。
従来、語彙爆発は心的機能の質的変化を示す指標と考えられて来たが、CS研の研究により、語彙爆発は、線形関数とプラトー割込みによるモデルで説明出来ると結論している。つまり心的機構の質的変化はなく、発達初期から一定速度で学習する機構の存在を示唆するデータを得ているのだ。このデータは、日誌法により、初語20語について京阪奈周辺の赤ちゃん17人から得た時系列データで語彙学習の速度の変化点を特定している。
日誌法とは、お母さんに、新しく言えるようになった語の記録をお願いしたもので、初語20語までとした。この日誌法は、時間的な漏れが少なく,日齢単位でデータが取得できるために語彙発達における速度成分の詳細な解析である。日誌法により得られたデータによると、17人とも線形に語彙取得を行う時期と、それが停滞するプラトーの時期があるが、このプラトーを除去すると線形関数で近似した。つまり語彙爆発は、線形関数+プラトー割込みと言う事になるのだ。面白い!
この研究成果から、語彙学習速度を加速する?要因の研究が進捗する契機となるだろうし、語彙習得の成長を後押しする教育法、育児法や、言語習得が緩やかな赤ちゃんの早期発見と適切な対処が出来るようになる可能性がある。勿論、英語など外国語が苦手な大人の言語習得にも役立つ研究だと感得した。
NTTの研究開発組織は、NTT持株会社直轄で、現在、3つの総合研究所体制で研究開発を行っている。3つの総合研究所とは、①サービスイノベーション総合研究所、②情報ネットワーク総合研究所、③先端技術総合研究所。NTTの事業形態から理解できる通り、ネットワーク上で実現する革新的なコミュニケーションサービスと、新たなサービスを実現する次世代情報ネットワーク基盤技術の開発を中心に行っている。特にトップクラスと自負する光関連技術など、新たしい物理原理や新素材・新部品を開発する先端的な基礎研究は、今でも国際的にも抜群に優秀。
NTTの研究開発拠点は、横須賀YRP、武蔵野(三鷹)、筑波、厚木、それと京阪奈で、NTTコミュニケーション科学基礎研究所は、先端技術総合研究所に属し、情報通信に革新をもたらす情報科学と人間科学の新概念・新技術の創出を日々行っている。名前からNTTコミュニケーションズの研究組織と思われがちだが、勿論、NTT持株会社の研究機関である。
コミュニケーション科学基礎研究所は、人間情報研究部、協創情報研究部、メディア情報研究部、守谷特別研究室の3部、1室で構成されている。特徴は人間の五感を研究する学者が一同に集っている事。最近特にユーザーインターフェースの重要性が強調されるようになってから研究内容が注目されるようになっている。
特に研究所訪問にて面白いと思ったのは「幼児言語発達の解明に向けた基礎研究」。人間は、言語を操作して、高度な社会的コミュニケーションや概念的思考による問題解決などを行う唯一の動物だが、その言語習得のプロセスは謎に満ちている。CS研究所の言語知能研究グループでは、赤ちゃんがどのように言語を習得するかを科学的に解明し、その知見をICT技術と連動させて、育児支援や幼児教育につなげることを目指して研究を進めている。
赤ちゃんが1歳頃になると初語を発し始める。
初語とは、赤ちゃんが母語音声から特定の音声配列を抽出し、それと意味を結びつけること。その後、1歳後半になると、効率的に単語学習が行えるようになり、単語を連結させた文も話し始める。2歳では文法知識も格段に増え、言語による精緻なコミュニケーションを達成するが、この過程を語彙爆発と称するが、こうした語彙・意味・文法の各機能の発達過程を実験心理学、心理言語学、自然言語処理、認知科学などを駆使して学際的アプローチから研究を進めて、最近、この語彙爆発の謎を解明している。
従来、語彙爆発は心的機能の質的変化を示す指標と考えられて来たが、CS研の研究により、語彙爆発は、線形関数とプラトー割込みによるモデルで説明出来ると結論している。つまり心的機構の質的変化はなく、発達初期から一定速度で学習する機構の存在を示唆するデータを得ているのだ。このデータは、日誌法により、初語20語について京阪奈周辺の赤ちゃん17人から得た時系列データで語彙学習の速度の変化点を特定している。
日誌法とは、お母さんに、新しく言えるようになった語の記録をお願いしたもので、初語20語までとした。この日誌法は、時間的な漏れが少なく,日齢単位でデータが取得できるために語彙発達における速度成分の詳細な解析である。日誌法により得られたデータによると、17人とも線形に語彙取得を行う時期と、それが停滞するプラトーの時期があるが、このプラトーを除去すると線形関数で近似した。つまり語彙爆発は、線形関数+プラトー割込みと言う事になるのだ。面白い!
この研究成果から、語彙学習速度を加速する?要因の研究が進捗する契機となるだろうし、語彙習得の成長を後押しする教育法、育児法や、言語習得が緩やかな赤ちゃんの早期発見と適切な対処が出来るようになる可能性がある。勿論、英語など外国語が苦手な大人の言語習得にも役立つ研究だと感得した。