阿部ブログ

日々思うこと

六本木にある陸軍歩兵第三連隊兵舎と米軍ハーディー・バラックス基地

2014年09月12日 | 雑感
歩兵第三連隊兵舎(東京市麻布区新龍土町)は、関東大震災で消失した兵舎を耐震・耐火建物として、陸軍としては初めての鉄筋コンクリート造りの兵舎として再構築された。この歩兵第三連隊兵舎のモダンな建築は、明治・大正・戦前昭和の近代建築物を調査した『日本近代建築総覧:各地にの遺る明治大正昭和の建築』(日本建築学会編、技報堂刊、1980年)において「特に重要なもの、あるいは注目すべきもの」とされていた。しかし、兵舎は一部を残して解体され、醜悪な国立新美術館と政策研究大学院大学が建設された。痛恨、残念なり。
          
残された兵舎の一部は国立新美術館の別館となっている。
                
別館の入り口ホールには、歩兵第三連隊の在りし姿の記録を少々掲示している。無いよりましかと思うが、しかし、コレだけ?
                                              
新国立美術館1階ロビーにも在りし日の兵舎モデルがある。
                          
歩兵第三連隊は、2.26事件を経て第一師団の満州駐箚により渡満、チチハルに駐屯した。1937年(昭和12年)の乾岔子島事件、1939年(昭和14年)のノモンハン事件、1941年(昭和16年)の関東軍特別演習に出動。1944年(昭和19年)には、南方転用の為、宮古島に配備された。しかし、米軍の沖縄侵攻の際は、宮古島に空襲と艦砲射撃はあったものの、米軍の上陸はなく、同島にて終戦を迎えた。
  
上左は新国立美術館、上右が政策研究大学院大学。
政策研究大学院大学の隣の敷地は、米軍基地。
  
この米軍基地は、陸軍のハーディー・バラックス(HardyBarracks、Tokyo、JAPAN、USARPAC:東京港区六本木7-23-17)。千代田線の乃木坂の駅を降りて六本木に向かって歩くと隧道のようなトンネルを通ると思うが、この上が丁度ハーディー・バラックス基地なのだ。都立青山公園と政策研究大学院大学に隣接するこの基地には、ヘリポートの他に、1泊12ドルの宿泊施設や自動車修理工場などがあるが、都心のど真ん中にあるハーディー・バラックス基地に何故ヘリポートがあるのか? 住民の安全を損ねることを承知の上で。
それは、この基地は軍事情報関連の部隊が集結する基地だから。
ハーディ・バラックス基地の情報部隊には、第500軍事情報群 (500th Military Intelligence Group)の保全連絡分遣隊(The Security Liaison Detachment)、陸軍研究事務所極東事務所 (ARO-FE: Army Research Office Far East)、海軍研究事務所アジア室 (ONRASIA: Office of Naval Research Asia)、米軍準機関紙「星条旗新聞」(Stars and Stripes)、座間基地第78航空隊。

米軍は、北東アジアに軍事的空白を作為する事で、戦闘を惹起させようとし、日本から実戦部隊を後方に下げる。日本としては紛争は朝鮮半島に限定する必要があるが、自衛隊はこれに巻き込まれるだろう。

ハーディ・バラックス基地については、下記が参考になる。
麻布米軍ヘリ基地 現地調査・監視行動報告書

■過去ブログ:
米陸軍のサイバー部隊 第780軍事情報旅団
座間の日本軍事情報大隊(Military Intelligence Battalion-Japan)
韓国に駐留する第501軍事情報旅団」   

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