先日は喜多方市のお祭り。
若い頃は好奇心旺盛だったので、さかんに撮影に
出かけていたのだが、近頃は全然行っていなかった。
少しお利口になり、撮影しても公開できないことが
わかったからだ(笑)。
不特定多数に掲載許可をもらうのは不可能であり、
見る方も、モザイクのかかった写真など、見たくないだろう。
しかし、ストロボも新調したし、試し撮りでもすっか、と
なったのだ。
これで、3台目、バカだね俺も。
しかも、まだ全部、動くんだよ。
最新機種はストロボ同士で通信して、同期するんだよ。
ワイヤレスで多灯シンクロが可能なんだな。
昔はね、シンクロは有線でやっていたんだ。
スタジオアシスタントの仕事だったんだよ。
「バック、チャージOK」
「フロント、1/3絞り落とせ」
とか言ってね。
今はすごいね。でも当然ながら、同じ機種をもう一台買わないといけない。
そこまでのお付き合いはできません(笑)。
夜のお祭りなので、当然ストロボ撮影なのだが、今回はスローシンクロと
いうテクニックで撮影します。
いい機会なので、説明しましょう。難しくはないですよ。
まず例として、結婚式の披露宴で、出席者の撮影をするという場面を考えます。
自分(撮影者)がいて、その前に被写体(出席者)がいて、後ろには
会場の壁があります。
フルオートで撮影すると、カメラは、
「こいつ(被写体)がきれいに写れば、いいんだろ?」
「だったら、そういうセッティングすっから」
となる。
それで撮影すると、たしかに被写体はきれいに写るが、光が
届かない壁は真っ黒になる。
これでは、どんなにきれいな絵が描かれていても台無しだ。
よく、夜景をバックにして記念撮影したら、バックが真っ黒だった、という
経験があると思うが、まさにアレである。
カメラにストロボをセットして、フルオートにすると、シャッタースピードが
1/60あたりに固定される。
専門用語ではX接点と言うのだが、これはストロボの性能にも
よるが、だいたい1/60~1/125あたりで固定なのである。
しかし、心配はいらない。
ストロボの閃光時間は1/10,000秒以上で、余裕で間に合う。
あとは、カメラが「充分な光量になった」と判断すれば、ストロボが
パワーを落とします。
これをTTL調光と言っています。
「能書きはいいから。やり方だけ、教えろ」
あっ、そうですね。
ストロボをセットして、電源を入れます。
「バカにしてんのか?」
いえいえ、今のカメラは利口なので、ストロボの電源を入れて、
通信させてやらないと、カメラは自然光撮影モードの
ままになっている場合が多いのです。
面倒なのは、ストロボ付きのカメラの場合。
フルオートだとストロボ発光するが、セミオートの場合、ストロボ
が発光せず、シャッタースピードが遅くなるだけの場合があります。
その時は「強制発光」の設定がありますから、オンにします。
次にシャッター優先モード(Tv)にします。
X接点より遅く、なおかつ手ぶれしにくいスピードにします。
これは、背景を映り込ませるためです。
だいたい、1/15~1/8くらいでしょうか。
三脚があれば、もっと遅いスピードも可能です。
これだけで終わりです。これで撮影します。
メインの被写体は、ストロボのピカッで写ります。
あとは、遅いシャッタースピードで背景が写るのです。
自然光で撮影。これはこれで、趣がある。見た目に一番近い。
フルオートでストロボ一発。青く堅い光が当たる。記念写真ならOKレベル。
スローシンクロ。ストロボが当たっているのに、提灯の文字が少しブレている。
白熱灯の赤い色被りがある。背景までしっかり映り込む。
手前の山車にストロボが当たっているが、スローシンクロなので、
背景の木々がうっすら写っている。通常なら真っ黒な場面だ。
ノーストロボで、わざとブラして動きを表現する方法もある。
ここでのポイント。
通常動かない物(建物)がブレたら、それは単なる失敗写真だ。
人間は脳で物を見ている。
動くはずのない物がぶれていると、「失敗した写真」としか認識しない。
おまけの知識
レンズは色んな種類があるが、実はストロボはすべてのレンズを
カバーできない。
考えて見て欲しい。
300mmの望遠レンズで大きく写した、と思っていても、そこまで
ストロボの光は届かないのだ。
実際、カバーできるのは標準レンズから若干広角までで、
距離が10mくらいまでだと思ってほしい。
これ以外でも撮影できないことはないが、光量不足になる。
あと、超広角だと、ストロボの画角より広くなるので、
周辺が暗くなる。
だいたいストロボが対応できるのは、アタッチメントをつけても
20mmくらいまでだ。