以前、メルカリで死んだ親父が本家からもらって
きた「1圓銀貨」を売ってしまおうと考えた。
集めているわけでもなく、まあ、ちょっといい
ディナーを食べられるくらいの金額になる予想が
できるからだ。
写真を撮影して出品。
こういう撮影は、まかせて。
芸は身を助く(笑)。
出品したら、けっこう食いついてきた。
その中で何名か、コメントを入れてきた。
「重さを量って、写真を添付してくれ」
「わきのギザギザの写真を添付してくれ」
というものだった。
なんでも、レプリカ(偽物)があるらしいのだ。
本物はギザギザが切れてなくて・・・
偽物は「圓」の字がどうのこうの・・・
うーん、ディープな世界。
言われたとおり撮影して、添付した。
結果「うーん、偽物かもしれませんね」という
反応。
かもしれませんね・・・か。
うーん、面倒くせえ、出品取り消しだ。
なんか、煮え切らねえ。
いっそ、プロに見てもらうか。
しかし、郵送などしたら偽物だった場合、赤字だ。
どこか、良いところはないかな。
ググったら、会津若松市に「おたからや」という
切手、古銭、骨董品を買い取りしている店が
あった。
ここに、持って行こう。
店に入ったら、女性の店長。
へー、珍しい。
逆にこういう人は詳しいんだろうな。
「1圓銀貨」という名前を出しても、「あっ、
そうですか」的な、当たり前の反応。やるね。
受け取った銀貨を2~3回握って、「重さを量って
きます」と裏に引っ込んだ。
電子はかりを持って出てきたら、
「すごく、微妙なんですよね」との返事。
なんでも、本物は36.9gぴったりなのだそうだが、
これは37.1gだ。実際に、私の目の前ではかりに
乗せた。
光沢も、純度の高い銀とはちょっと違うらしい。
実際に「本物」を持ってきて、見せてくれた。
言われてみれば、違うような・・・
ここで皆さんは、私ががっかりしたと思うでしょ?
違うんです。安心したんです。
メルカリで売っていたら、「偽物を売りつけ
られた」とトラブルになるんです。
「いや、私も本物だと思ってました」などの
言い訳は通用しないんです。
買った身になれば、当然ですよね。
返金処理したあげく、悪い評価になってしまう。
だから、ここでわかったから良かったんです。
「これで、すっきりしました」と帰ろうとしたら、
「レプリカとして、300円で買いますよ」との話。
えっ、買ってくれるの?
ガソリン代が出た。ラッキー。
「仮に本物だったとしても、明治24年は発行枚数
が多いので、2,500円くらいにしかならないです。
明治1桁だと5,000円以上にはなるんですが」
との話。そんな話はいらねえよ(笑)。
今思えば、なんでも鑑定団で有名な掛け軸の偽物
が多く登場するが、自分の身になって考えれば、
さすがに昭和の初めにもらったものだから、偽物
ではないだろう、という考えはないわな。
いつの時代でも金になる物には、偽物があるん
だな。