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空は暗ーい曇天、今にも雨が落ちて来そう、気温も10℃を下回る。
寒がりの私はしっかり着こんで過ごす。
私が40年来住んでいる場所に橋の名前を付けた商店街が有った。
夕方4時を過ぎると買い物客でごった返し1km有ろうかと思われる幅4m余りの道路は
子供の手をしっかり握っていないと迷子にさせてしまう程の。
何処から人がぞろぞろ集まって来るのだろう不思議だった。
長男が2歳の頃、買物を終えて自宅に帰ろうとすると手にしっかりみかんの袋が
握られニコニコしている。(小さな子にも届く所に山に積んであるのだ)
幸い直ぐ近くの八百屋さんが思い当たり謝り買うに至った。
八百屋さんは天井からぶら下げた竹の篭にバランと放り投げ「はいはいどうもね」と
次から次のお客さんの応対に忙しい。
狭い道路いっぱいの買い物客。その当時は既婚女性が社会で活躍出来る場は少なく
結婚は主婦専業の始まりだった。
八百屋、肉屋、酒屋、乾物屋、花屋、用品屋さん等が軒を連ね、その凄さ、活気たるや
お祭り騒ぎの様だった。
お店のおばさん達も「あらー○○チャン大きくなって~」気軽に声をかけてくれるし、
お財布を忘れた(不足)客には「いいよー明日で、持って行きなー」といった下町の小売店が
連なっていた。
それがいつの頃から、人々の流れが急に変わり閑古鳥状態。恐い変化の速さ。
周りに4.5つ有った商店街も同じ流れだったが、やはり今は見る影もない。
地方商店街にもある様に、シャッター通りが繋がっている。
そしてついに、一番近い商店街は道幅10mに拡張しその端っこには30階の商業ビル
に姿を変える。
又車の流れと共に人の流れも変わるんだろうな―。
新しい世にも人情の暖かみを伝えていかなければ…。
今、日本の古い映画(森繁久弥ものなど)を観たりしているのでことさら感じます。
寒々しい日々です。
ゆったりとした時間を楽しまれていらっしゃる様ですね。
自分の生活圏じゃ無い所が変化するのは余り気にしていなかったのですが
いざ足元が変わるとなると、自分の生活が脅かされる様な、思い出が消え失せてしまいそうな
強い淋しさが押し寄せて来ます。
新しい街に馴染んで行けるでしょうか。
戸惑う私。