コラム(140):選挙制度改革について
2月3日の衆議院予算委員会では、選挙制度改革について民主党の岡田代表が政府に対して、調査会の答申を受け入れるよう申し入れました。調査会の答申は、現在の定数475議席(小選挙区295、比例代表180)について、小選挙区を6減、比例代表を4減にすることを提案をしています。
小沢一郎氏がつくった負の遺産
小選挙区制度は、細川内閣当時、内閣を仕切っていた小沢一郎氏と、下野した自民党総裁の河野洋平氏の談合によって実現しました。
小沢氏は、自民党内での主導権争いから外れ、改革派を名乗って小選挙区を推進していました。当時、小沢氏と行動をともにしていたのが現民主党代表の岡田氏です。1993年に小沢氏は小選挙区推進派を引き連れて離党し、その後自民党政権は崩れ、非自民による連立政権に代わりました。
小沢氏は、小選挙区制によって二大政党の政権交代を実現し、イギリスのような健全な議会政治ができると主張していました。しかし、本当は自民党を破壊したかっただけなのです。
小選挙区制度の弊害
小選挙区制度の導入により、国民の政治への関心を薄れました。
中選挙区時代までの投票率は70%台で推移していましたが、小選挙区導入以降、50%後半~60%後半に低下しています。
これは、中選挙区時代に比べて選択肢が少なく、投票したい候補者がいないことが最大の要因です。また、小選挙区で落選しても惜敗率で比例復活するケースが目立ち、有権者にとっては選挙で政治家としての人物を選んだ意味が無くなったからです。
小選挙区制度では国家全体を見渡す人ではなく、自分の選挙区の利権代表のような議員が増えはじめました。しかし、国会議員は市議会議員の見識や感覚では務まりません。
国会議員は地方の利益代表ではなく、国家全体の運営を担っていることを忘れてはいけません。
選挙制度は根本的に変更すべき
調査会の答申は、違憲状態解消の目的で部分的な改革を答申しているだけで、小選挙区制度はそのままです。これではなにも解決されません。本当に変革するには抜本的に変えなければなりません。
当ブログでは以下の項目を提案したいと思います。
・同じことを衆参両院で二度も審議する無駄を省くために一院制にする。
・国家運営を委ねられる広い見識の人物を選べる大選挙区にする。
・国会議員に本気で働いてもらうために定数を200人に削減する。
これは憲法改正案の中にしっかりと組み込み、検討していただきたいと考えています。
次に、選挙方法も検討が必要です。
・騒音や交通渋滞のもとになる選挙自動車での活動の可否など。
・ネットやコンビ二など、時代のニーズに合わせた投票方法など。
研究の余地はいくらでもあります。
有権者がより身近に政治を感じ、国家の一員として国政に参画しているという自覚を抱けるような選挙制度改革が何よりも必要です。
当ブログでは、既成の制度にとらわれず、どのような選挙制度が望ましいのかを正面から考えていきたいと思います。
お問い合わせ先 akaminekaz@gmail.com
FBは https://www.facebook.com/akaminekaz です