コラム(148):尖閣有事を考える
中国海軍の動きが活発化しています。2月10日には情報収集艦が千葉・房総沖を反復航行、沖縄県尖閣諸島周辺の領海には中国海警局の船がほぼ毎日のように侵入しています。
また、沖縄本島と宮古島との間に広がる幅350キロの宮古海峡を、中国の軍艦が頻繁に往来し、中国軍機も上空をたびたび通過しています。通過目的は日本に対する威嚇・牽制であることは間違いありません。
さらに、中国は東シナ海の日中中間線付近のガス田を軍事基地化しようと考えています。これは明らかに沖縄に照準を合わせての軍事拠点化の動きです。
中国艦船や空軍機が絶え間なく侵入してくる尖閣諸島は、那覇から400kmの距離にあり、軍事的な対応をするにはまだまだ手薄です。尖閣諸島での有事の際、沖縄本島からの軍事対応には距離があり、防衛上の不安が残っています。
伊良部島と下地島の活用を急げ
あまり知られてはいませんが、宮古島の北西約5kmのところに下地島空港があります。
国内の唯一のパイロット訓練飛行場として建設され、現在は海上保安庁が小型機訓練のため使用していますが、実は、設備規模としては3,000m×60m級の滑走路を有し、普天間飛行場に引けを取りません。
下地島空港を航空自衛隊の前線基地として活用すると尖閣諸島までの距離は沖縄からの400kmに比べ200km弱となります。
また、隣接する伊良部島にはフェリーの港がありますが、ここを整備して自衛艦の出入りが出来るようにすることで、沖縄の島嶼部の防衛を強固にすることが可能です。
この地域の人々は、尖閣諸島海域で中国海警軍艦が徘徊している光景を日々目の当たりにし不安を募らせているのです。
自衛隊が前線基地を設置することは、彼らの不安を解消するだけでなく、日本の国防上も有効ではないでしょうか。
防衛力が強化されることで、中国による軍事威圧への抑止力が高まります。
政府や防衛省はすでに検討に入っていることとは思いますが、早急に防衛基地としての整備を進めていただきたいと思います。
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