コラム(149):北朝鮮非難決議に思う
北朝鮮の水爆実験と弾道ミサイルの発射について衆参両院で抗議の決議が全会一致で採択されました。採択に対しての異論はありませんが、過去に北朝鮮を擁護していた社民党と共産党がこの決議に賛成した経緯や背景がわかりません。
北朝鮮を礼賛していた社会党、共産党、朝日新聞社
1950年代から1984年にかけて、在日韓国人と家族が北朝鮮に永住するための帰還事業がありました。当時の朝日新聞や、社会党、共産党などは、北朝鮮を完全就職と生活保障のある地上の楽園だと礼賛し、帰還事業を積極的に推進しました。これにより93,340名の人々が北朝鮮に渡りました。そのうち6,839人は日本人妻やその子供でした。
実際の生活は強制収容所よりも苛酷な環境で、厳しい監視下での労働と貧困で多くの命が奪われました。当時、共産党はアカハタで「この運動を支持し、協力することは日本人民の義務である」(1958年11月29日)と報道し、朝日新聞は「希望者は増える一方」(1960年2月26日)と真相を隠しながら帰還事業を強く推進していました。
後に、朝日新聞は帰還事業への介在を指摘されると「帰国事業は日本政府による朝鮮人追放政策だった」(2004年5月18日)と自らの報道事実を隠蔽して、日本政府に責任を転嫁しています。
拉致問題も否定
社民党は旧社会党時代から拉致を捏造と主張、拉致被害者家族会の活動を妨害してきたのは有名な事実です。共産党も同様で「疑惑に過ぎない」と主張していました。朝日新聞は拉致問題が世間で騒がれるようになってもしばらくの間、無視し続けていましたが、先日の2月14日付の社説では、「北朝鮮による拉致は人道に反する犯罪だ」と主張しています。
2002年、金正日総書記は北朝鮮を訪問した小泉純一郎首相に対し拉致の事実を認めた際、社民党は「北朝鮮が日本人を拉致したと言うのは捏造」の文言を何の説明もなく削除しました。
一方、朝日新聞は小泉訪朝の翌日のコラムで「痛ましい。やりきれない。わが子が、孫が、兄弟姉妹が、どこかで生きてくれていると信じて、拉致被害家族は長くつらい歳月を耐え忍んできた。そのかすかな望みは打ち砕かれた。無残な結末に言葉を失う」と前言を翻す記事を書いています。執筆者は当時、政治部長だった木村伊量氏(慰安婦捏造報道取り消し時の朝日新聞社長)です。
思想と行動に筋を通せ
今回の北朝鮮非難決議では、社民党、共産党、そして朝日新聞は長期間にわたって北朝鮮を擁護し続けてきたにもかかわらず、そろって北朝鮮に対して非難を始めたのです。
まずは、これまで北朝鮮を礼賛・擁護し続けことの総括を行わなければなりません。その反省の上に立って、関係者に深甚の謝意を表明することが筋道と考えます。
嘘や捏造で自分を正当化する行為を日本人は恥と捉えます。これは歴史で培われた日本人の精神風土です。
社民党、共産党、朝日新聞社は、党として、あるいは新聞社としてこれまでの思想と行動に潔くケジメをつけていただきたいと思います。
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