赤峰和彦の 『 日本と国際社会の真相 』

すでに生起して戻ることのできない変化、重大な影響力をもつ変化でありながら一般には認識されていない変化について分析します。

ネガティブ・キャンペーンに終止符を コラム(152)

2016-02-20 00:00:00 | 政治見解

コラム(152):ネガティブ・キャンペーンに終止符を

国会は、国内問題だけでも、予算、TPP、世界経済の動きに応じた日本の経済対策など重要課題を早急に処理しなければなりません。

しかし、実際の国会の現状は必ずしも正常に機能しているとは言えません。

金銭疑惑の解明、個人の醜聞、失言問題など、およそ国論とは無関係な瑣末なことを取り上げるばかりで、本質的な議論に至っていません。


誹謗中傷は政治とは無縁

アメリカの大統領選挙では、相手の政策上の欠点や人格上の問題点を批判して信頼を失わせて自らを浮上させるというネガティブ・キャンペーンがよく見られます。根拠の無い中傷や事実を基にした歪曲もあり、いつの間にか誹謗中傷が目的化され、政策論議がどこかにいってしまう光景が見られます。

日本でもネガティブ・キャンペーンが模倣され、選挙戦や国会審議の場でよく見かけるようになりました。

とくに民主党は、これをマニュアル化しています。テレビ中継を観察すると、特定のパターンを繰り返しているように見えます。たとえば、政府答弁が民主党の意に沿わないと、議員が声をそろえて「へーっ」と言うシーンなどはその典型です。

またマニュアルには、「テレビカメラの前での見せ方」「質問者は決めゼリフを言う」「質問の最後に一方的な決めつけで終わらせる」などが示されています。

マニュアルが目的化されることで、議員は肝心の政策の勉強をしなくなり、週刊誌記事や伝聞情報を材料にして政府を追及するだけになるのです。そのため政策論議の場である国会が、相手に対するネガティブ・キャンペーンや誹謗中傷の場になっているのです。

しかし、これを政治の手法だと考えるのは大きな間違いです。


相手を尊重しあう議論を

実は、民主党などの野党議員は、自分たちが抱えている不安や憎悪、恨み、不満、羨望、嫉妬などの感情をネガティブなものとは認識せず、逆に完全に正当化しています。

しかも、それを外部要因(政権)のせいだと勘違いして、ネガティブな感情が目的達成(政権奪取)に役立つと考えているのです。

怒りや恨みは、分離や分裂意識を強めるだけで、生産的な議論には役立ちません。

日本文化の特徴であり、美徳と称されているもののひとつに「思いやり」があります。

「相手の価値観を考慮する」「長期の目で相手の事を考える」という意味が込められている精神態度です。この精神価値があるからこそ、日本では人や物を大切にする文化が生まれたのです。

また、自分の利益のために人を排除する考え方を日本人は「恥」と捉えます。恥を知る者は礼節を重んじ自らの行動に責任を持とうとします。日本人が礼儀正しいと言われる所以も、この精神が長年にわたって培われていたからです。


政治とは今なすべきことを実行するのがその役割です。時間を無為に費やすことなく、国家と国民のための国会であってほしいと思います。

国会議員は、日本文化を率先して体現し、精神性においては偉大な教師であるべきと思います。国会は与野党ともに相手を尊重し思いやる気持ちを大切にしながら、明日の日本を建設的な方向に導くよう議論を重ねていただきたいと思います。




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