写真をやるなんて想像していなかった。大学までは。だからたまたま京都に住むことになって、時折
せっかく京都に住んでいるのだから~的に寺院の写真を写すには絶好だと思って初めてコンパクトカメラを
辞めたので、ド素人そのものだった。
哲学の道などは、朝観光バスが到着する前に行けばほとんど人がいないのだった。あまり哲学を朝からする人は
いないということ?かもしれないが、朝の桜と小川と古びた道を独り占め出来るのである。
出入り自由なところがすくないのだが、バイクに機材を積んであちこちと行ってみた。
いっちょ前にブロニーのポジフィルムを使っていたのだが、色温度なんてわからなかったから、日が昇る直前に
桜と哲学の道を写したら、青っぽくなってしまってちっとも綺麗ではなかったのだ。
ペンタの67を使っていたが、シャッターをきった時の「ガッチャン」というミラーのどでかい音に毎回ドキッとさせられた。
しかし以外にもスローシャッターには強いのだが、確か1/15秒だけは共振するのか、微小なブレが続いた。
もう原因はわからないが、最初は露出計も無かったので露出はフィルムに書いてあった晴天時の基本露出
1/125秒F8を基準にして、1/15のF32位だろうとかやっていた。
もちろんド素人なので最初の頃はあたりとハズレがあり、あろうことか「あ、このシュチエーションいいな」と
いう時に限って失敗するのである。10枚しか写せないので、ブラケット(段階露光)等はしなかったので、
一箇所に一枚勝負でいた。「僕失敗しないので」後に写真を仕事にしてからは断言できたし、実際それが
当たり前なのがプロの一つの証だが、この頃の失敗で悔しい思いをした分体になんとなく露出計がついたと
思う。ペンタの67の最大の難点は電池でシャッターをきるということで、何の予兆もなくミラーが途中で止まって
しまうのだ。これには、参ったことが度々あって、仕事の機械で使うこともあったので、無電池改造をかなり経って
から買い増しをした際にプロ課でしてもらった。なんでペンタを選んだのかというと望遠系のラインナップが
豊富なのはペンタだけと考えてのことだ。実際望遠の圧縮効果で写した写真が好きで、後に400mmF4とか
800mmなどのレンズを使っていた。またコンバーターの1.4倍と2倍も揃えたので、1600mmというレンズで
しか写せない写真がすきだった。