正論ちゃう?正論webBlogトップページです。  嶌田法海華(Simada.Norika)

常識とは何?何気なく使う言葉の危うさ。噛みつき亀風味でもの申す。脱線ご容赦。あくまでもお馬鹿な私の私論です。最近ボケ気味

或る作家直木賞の功罪

2011年11月15日 17時20分43秒 | 追想
作家と交流というのは少し不遜だが、偶然にも直木賞、芥川賞等の作家と他生の縁をもつ幸運に恵まれた。錯覚ではなく本当の作家の素顔である。遅咲きの直木賞を受賞した作家の方は、約10年間同じく作家の奥様の収入で暮らしていた。そんな意味で苦労は身に付いてると思っていたし、気さくな側面が多かった。 しかし、直木賞を受賞した途端に人柄が変わってしまった。車も高級外車、家も増築、着ている服も生地が変わったし奥さんまでも。本の虫であった私は、文学に興味がない人でも知っているふたつの受賞の難しさは良く判る。人間だから、一夜にしてやれテレビだ、マスコミが押し掛け、時の人となるのはわかるのだが、下世話な話原稿料も跳ね上がる。別れた奥様の方に長男はついて行ったが私と同じ年だったようで何かにかこつけてはおよばれされた。
矢継ぎ早に本を出しまくり流行作家となったのだが、いつも家族だけが集う秘密の部屋がありそこにはホットライ設けてあり出版各社等しか繋がらないものだったが、確かに昼を過ぎると、大手出版社から電話がたくさんかかっているのを目の当たりにした。正直すげーなと思った。しかし、ことごとくその作家は電話にでず3代目の奥様は、まだ床についている等と居留守を使うのだった。
時には私がアシスタントー昔で言えば書生役で、編集担当者の応対をした。
或いは余り好まない取材の時は、20分たったら
「先生今日何時締め切りの原稿はどこですか?」と、割ってはいる役目も果たした。もったいないなぁー断るなんて!貧乏性の私は思っていた。ただ、例えば庭のビワを採ろう等と言いだし、自ら脚立に乗って無心に取るのを手伝ったりした。もしかすると、別れた息子のことが脳裏をよぎったのかもしれないと思うと、先生もう暗いですから・・との奥さんの進言に、懐中電灯で照らしてくれ、、もう少しだから・・・。こういう少年のような面があったが、間に入った私としては、中年というより高年に近い先生が怪我をしたらと思うと「先生脚立が危ないからもうやめましょう」とか片づけるところが真っ暗ですから・・・。等といってあきらめさせる役もした。今思えば毎月6冊ぐらいの新刊、雑誌新聞等相当の筆力だったと思う。
ただ私が出入りをやめたのはファンレターを二つに破り捨てていたから。
おそらく少しカッコをつけたかったのかもしれない。しかし、第三者の目前でする行為としては最低だと思ったし、他の芥川賞作家は丁寧にお返事を下さっていた。なので余計に私は嫌悪感を強く感じた。
先生はほかの賞も受賞したりはしていたが、ちょっと自惚れすぎだと、苦労していた時代があったはずでは?それを糧にできないのだこの人は・・。以来お呼びがかかっても仕事を理由にお断りしていた。
それから数年後大病を発症し死線をさまよったそうだが、奇跡的に後遺症は軽かったそうだ。まだ存命されているが、ものの見事にこの十年一冊の本も出版されていない。世間ではこういう状態を、干されたという

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