特別展『柳橋水車図の世界』 ★中之島香雪美術館
※11月21日(日)まで
長谷川等伯が画いた柳橋水車図屏風は香雪美術館の所蔵で、これまでも何度も拝見してきた。
だから単純に「等伯の作品の一つ」という認識しかなく、さほどじっくりゆっくり鑑賞はしなかった。
等伯といえば、トーハク所蔵の国宝「松林図屏風」や智積院所蔵の国宝「楓図屏風」の印象が強くて、
それらに比べると存在感が薄い、というか。
でも、今回は間近で、あるいは少し離れてじっくりゆっくり拝見してみて
技巧の緻密さや構図のスケールの大きさに感嘆した次第。
そもそも、柳橋水車図の構図って、等伯オリジナルかと思ったけど、
そうではなかったようで、日本画の型の一つだったかも。
(室町時代に画かれたとされる構図がほぼ同じ屏風も展示されていたので、見比べてみた)
湯木美術館から借りてきた仁清の色絵柳橋図水指も展示されていて、「あぁ、そういえば柳橋意匠って、他でも見たなぁ」と。
そもそも柳橋って、ナニ?
宇治橋だったり、あの世へ続く橋だったり。
古典の物語へのオマージュや宗教的な意味合いもあるような。
まぁ、日本人、というかお公家さんがいかにも好みそうな意匠なのだろう。
ただ、雁金の技法が仏像だけでなく、日本画にも用いられたというのが、意外といえば意外。
(最初は等伯の時代に雁金?と思ったんだけど、仏像彫刻のことを思えばあり得るかと思い直した)
日本の美術って、奥深い。
全般に点数は少なかったわりには入場料が割高な気はしたけど、
土曜日の午前中だったし、緊急事態宣言が明けて、館内も盛況だったし、
こういうフツーに美術鑑賞できるって、平和だなーと思いながら楽しめた。
グッズも定規とクリアファイルを奮発。
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