説き語り「源氏物語」 村山 リウ その1 講談社文庫 1986年(昭和61年)
藤壺―――禁断の恋
源氏はわが子、許されないと知りつつ燃え上がる恋。その命がけの愛を貫いた瞬間から罪を背負う。源氏の母代(ははしろ)であり、永遠の恋人。
愛とは、人が人を愛するとは、いったいどんなことなのでしょうか。そして、愛するゆえにもたらされる幸せとは。いつの世も人は幸せを求めて人を愛そうとしているに違いありません。
けれども愛の激しさは、いつしか本人にも想像もつかぬところへ流れ着いていきます。源氏と藤壺の愛もそうでした。知性も教養もこれ以上は望めないまでにそなえた二人。それなのに二人の愛は生きている限り悩み、苦しまなければならないものを残してしまう。愛に翻弄された二人です。(P-17)
藤壺―――禁断の恋
源氏はわが子、許されないと知りつつ燃え上がる恋。その命がけの愛を貫いた瞬間から罪を背負う。源氏の母代(ははしろ)であり、永遠の恋人。
愛とは、人が人を愛するとは、いったいどんなことなのでしょうか。そして、愛するゆえにもたらされる幸せとは。いつの世も人は幸せを求めて人を愛そうとしているに違いありません。
けれども愛の激しさは、いつしか本人にも想像もつかぬところへ流れ着いていきます。源氏と藤壺の愛もそうでした。知性も教養もこれ以上は望めないまでにそなえた二人。それなのに二人の愛は生きている限り悩み、苦しまなければならないものを残してしまう。愛に翻弄された二人です。(P-17)