説き語り「源氏物語」 村山 リウ その10 講談社文庫 1986年(昭和61年)
玉鬘(たまかずら)―――分別ざかりの中年源氏の前に現れた、夕顔の忘れ形見。源氏の好き心をかわし、前向きに毅然と生きた、賢いマイ・フェア・レディ。
人の一生の幸不幸は、だれにも予測することができないものです。高貴な身分に生まれたものみなが幸せになるとも限らなければ、不運のうちに育とうとも、自分で道をきり開き、幸せを手にするものもいます。
数奇な運命をたどりながら、前向きな努力と知性、思慮深さで、幸せに満ちた後半生を送ったのが玉鬘。源氏物語の女性の中で、明石の上さえも越えてもっとも幸せに生きた女性です。こんな玉鬘は、今という時代に放り出しても、立派に生きていかれる女性です。それだけにまた、私たちが学ぶべきろころをいっぱいそなえた女性ともいえましょう。
玉鬘(たまかずら)―――分別ざかりの中年源氏の前に現れた、夕顔の忘れ形見。源氏の好き心をかわし、前向きに毅然と生きた、賢いマイ・フェア・レディ。
人の一生の幸不幸は、だれにも予測することができないものです。高貴な身分に生まれたものみなが幸せになるとも限らなければ、不運のうちに育とうとも、自分で道をきり開き、幸せを手にするものもいます。
数奇な運命をたどりながら、前向きな努力と知性、思慮深さで、幸せに満ちた後半生を送ったのが玉鬘。源氏物語の女性の中で、明石の上さえも越えてもっとも幸せに生きた女性です。こんな玉鬘は、今という時代に放り出しても、立派に生きていかれる女性です。それだけにまた、私たちが学ぶべきろころをいっぱいそなえた女性ともいえましょう。