民話 語り手と聞き手が紡ぎあげる世界

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「大放言」 その21 百田尚樹

2017年11月03日 00時07分52秒 | 本の紹介(こんな本がある)
 「大放言」 その21 百田尚樹  新潮新書 2015年

 ブログで食べたものを書くバカ P-43

 他人に日記を見せたい日本人 その1

 かつて日本ではブログが大流行した。まさに猫も杓子もといった具合だ。
 2006年には驚くべきニュースが流れた。何とインターネットの世界で、ブログで最も使われている言語として日本語が英語を抜いて世界一になったのだ。60億人の世界の人口のうちわずか1億2000万人にしか使われていない言語が、世界のブログ言語の頂点に達したのだ。当時も今も、日本はインターネット普及率も利用者数も世界一ではないのに、この数字はすごいとしかいいようがない。

 なんと日本人は世界で一番、何かを主張したい民族だったのだ。
 長い間、日本人はものを主張しない民族だと思われていた。他人の前で堂々と発言する人は少なく、人前で自分の意見を述べるという人は少なかった。学校のクラス会でも、町内会の集まりでも、会社の会議でも、積極的に発言する人はいつも限られた人で、大多数の人は自分お意見を言うこともなく、おとなしく黙っている。

 ところがどうだ、インターネットが普及すると同時に、日本人の中にブログをやる人がすごい勢いで増えてきた。これまで人前で自分の考えや意見を言わなかった人が、我も我もとインターネットのブログの中で語り始めたのだ。まるで長い間たまっていたマグマが一気に吹き出したような有様だ。