民話 語り手と聞き手が紡ぎあげる世界

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「本屋さんで待ちあわせ」 その4 三浦 しをん  

2017年11月27日 00時14分21秒 | 本の紹介(こんな本がある)
 「本屋さんで待ちあわせ」 その4 三浦 しをん  大和書房 2012年

 『女工哀史』に萌える その2 P-19

「女工萌え」が高じたあまり、『あゝ野麦峠』(山本茂実、角川文庫)も『日本の下層社会』(横山源之助、岩波文庫)も小学校時代に読破したというAちゃんに敬意を表し、未読だった『女工哀史』を私もさっそく購入。読んでみた。

 おもしろい。たしかにこれはおもしろい!「よくこんなことを女性から聞き出せたなあ」というプライベートな部分まで、ちゃんと記(しる)してある。

 しかし私がなによりも胸打たれたのは、著者の細井氏の徹底した男女平等の視線だ。
 細井氏は劣悪な条件で働く工場の女性たちに、立ち上がって正当な権利をつかむよう強くうながす。細かいデータと生々しい証言を集め、工場とそこで働く人々の実状を、「これでいいのか」と高らかに世に問う。

 この本に書かれた社会のひずみと女性を取り巻く問題点は、もちろん改善されてはいるが、いまも完全な解決には至っていないと言っていいはずだ。
 情熱に満ちた本との出会いはいつでも、情熱を持った読み手に導かれて生じる。Aちゃんの熱き心に、深く感謝したのだった。