不埒な天国 ~Il paradiso irragionevole

道理だけでは進めない世界で、じたばたした生き様を晒すのも一興

Gelato

2004-09-18 20:51:49 | Squisito!
フィレンツェはひと雨毎に涼しくなってきています。
もうすっかり秋の気配の漂うこの街で
今更ジェラートの話しもなんですが…。
とりわけ私はジェラート大好きというわけではないけれど、
今年の夏は結構食べました。

その中でも今年のお気に入りだったのはふたつ。

buontalenti
ひとつめはBadianiのBuontalenti。
ブオンタレンティーといえば
ルネッサンスの時代に
メディチ家のお抱え宮廷建築家だった
Bernardo Buontalenti。
彼はフランスに嫁いでいく
カテリーナ・ディ・メディチのために
ジェラートを考案したといわれています。
その彼の名前を取ったフレーバーは
1900年代後半にフィレンツェで作られたもので
何軒かそのフレーバーで有名なところがありますが
オリジナルとされているのはスタジアム近くのBadiani。
はっきりいったらコンデンスミルク味なんですけどね。
こってりとしてまろやかでそれでいて甘すぎない。
私は異様なコンデンスミルク好き。
なので、このフレーバーにはまるのは
当然といえば当然。
何年か前に
(まだフィレンツェに来たばかりだったと思うけど)
一度同じフレーバーを食べているのに
全く記憶に残っていなかったのはなぜだろう…。
我が家からはバスにのって行くのに
今年は通ってしまいました。

carabe
そしてふたつめはCarabeのMandorla。
アーモンド味。
コンデンスミルクと同様、
アーモンドも大好きな私がはまって当然の味。
素材の味がしっかりしているのが売りの
Carabeならではの味。
このお店はシチリア人オーナーが経営していることもあって
シチリアでよく食されるグラニータで有名ですが
ジェラートも甘さ控えめの素材の味重視でおいしいです。
いつも注文してしまってから、「あ」と後悔するのは
ピスタチオ。
シチリアはピスタチオの生産でも有名ですが、
そこからきっと仕入れているに違いない
ピスタチオを使ったジェラートはおいしいはず。
今度こそはと思いつつ、
夏は終わってしまったのです。(悲)

ジェラートの起源は諸説ありますが
中国でも古代ギリシャでも紀元前500年頃には
氷室を作って氷の保存をしていたという話で、
その氷とフルーツをうまく使って
シャーベット状のモノを作っていたそうです。
シチリアに上陸してきたアラブ人は
エトナ山の雪をフルーツジュースに混ぜることで
sherbethというモノを作っていたという記録が残っていて
それが「シャーベット」の起源だと考えられます。
2004年は、ジェラート・コーン100周年。
1904年に開催された世界博覧会に出展していた
イタリア人のジェラート売りが
途中でジェラートを入れる容器を
切らしてしまったのがきっかけ。
困ったジェラート売りは
隣りに出展していたチャルダ売りから
ウェハーのようなチャルダを分けてもらって
そこにジェラートを盛って売ったら、これが大当たり。
ここからあのコーンが生まれたんだそうです。
ものごとって何がきっかけになるかわからないものです。

因みにジェラートとアイスクリームの違いって
なんだろうと思っているのですが。
一説にはどちらも同じものといわれていますが、
なんとなく製法とか素材とかに
違いがあるのではないかと思うのです。
誰か詳しく知りませんか?