
<LETTER OF GRAND ZERO―世界のサダコたちへー承前>
今、私が演出の補佐役として関わっている舞台づくり―
「レター・オブ・グランド・ゼロ」の稽古は、
3月4(金).5(土).6(日)日、大阪エルシアターでの上演をめざして、
ようやく軌道にのりつつある。
ここでは、この企画取組みの基本姿勢に関する言葉と、
参加六劇団のプロフィールを紹介しよう。
いずれも老舗を誇る在阪の劇団だ。
「敗戦・被爆60周年の年に」 -大阪自立演劇連絡会議 議長 杉本進
20世紀は戦争の世紀-いま始まった21世紀を必ず平和の世紀に!
そんなメッセージをこめた演劇を敗戦、被爆60周年の春に、お送りしたいと思います。
新劇が日本に誕生して約100年近くになります。
いろいろ紆余曲折があつて、現在に至つております。
その流れの中のひとつに「プロレタリア演劇-職場演劇の隆盛と衰退-地域演劇の誕生、
そして現代演劇」へと‥‥。
私たち大阪自演連は40年あまり、この流れの中で浮き沈みしてまいりました。
その中で、唯一ユニークな試みは、参加6劇団が5年ごとに、
100名規模の合同公演を 行つてきたことです。今回は第9回目を数えます。
「演劇は時代を映す鏡であり、時代の証言者としての役割を果たす」という、
日本の演劇人が築いてきたすぐれた伝統こそ、
いま、輝かなければならないときではないでしようか。
私たちの演劇運動は、労働運動の隆盛と衰退とも大きくかかわっています。
このたび大阪府職労働組合から、共催をいただ<ことができました。
つきなみですが、カを含わせて、すばらしい感動をお伝えしたいと思います。
ご期待下さい。
<参加劇団Profile>
● 劇団 息吹
・1958年4月、布施市・八尾市の青年を中心に20数名で、東大販自立劇団「「息吹」を結威
・1961年、演劇集団「息吹」と改称
・1964年八尾堤町に稽古場を持つ
・1976年12月に1973年こ結成されていた「劇団かみがたと合流‐現在の「劇団息吹誕生
・1984年東大阪市中野の「かわち勤労会館」地下に多くの人のカンパなどで稽古場を確保
<最近の公演作品>
・2001年大阪春の演劇まつり参加「見果てぬ夢」で舞台美術賞受賞
・2001年大阪新劇フェスティバル参加「沸きいずる水は」で舞台美術賞受賞
・2002年大阪春の演劇まつり参加「絢爛とか爛漫」で舞台美術賞と木田昌秀が演出賞のW受賞
・2002年秋東大阪で公演「家政婦は見た」
・2003年劇団創立45周年記念公潰「日本の牛」を取り組み、
大阪春の演劇まつりでは観客賞を、秋の新劇フエステイバルでは作品奨励賞と岩崎徹が男優演技賞のW受賞
・2004年大阪春の演劇まつり参加「ざとうえび」「トイレはこちら」「寝られます」で柳辺育子が女優演技賞受賞
● 劇団 大阪
「働くものたちによる演劇を!」をスローガンに1971年に劃立。今年で34年目になり、上演作品は100本を超える。
谷町6丁目の駅から徒歩5分という好立地に稽古場兼覿場を持ち、
春・秋の本公演を中心に、北海道・東京・岩手・などでの移動公演や、
他劇団との合同公演も数多くこなしてきた。
また、熊本、堀江という異なる個性の演出家を擁することにより、レパートリーの幅を拡げ、
山田太一・井上ひさレ・プレヒトなどの劇作家をはじめ、大阪在住の長谷川伸二、井上満寿夫及び松田正隆・渡辺えり子・坂手洋二・永井愛などの作品を上演。
そして創作劇にも意欲的に取り粗んでぃる。
創立メンバーがほとんど残つており、今なお一線で活躍。
ぺテラン役者ガ多い反面、若手育成が急務となっている。
代表作として
「そして あなたに逢えた」(大阪文化祭賞・新劇フェス作品賞・銀河ホール地域演劇賞受賞)、
「谷閣の女たち」(新劇フェス作品賞受賞)などがある。
● 劇団 未来
劇団未来は大阪の地域演劇サークルとして、1962年に創立し、
「大阪に根ざした大阪のお客さんに喜んでもらえる未来らしいお芝居を劇る」ことを目ざして、
今日まで42年間活動を行ってきました。
この間の公演は1962年座付作者・和田澄子作、森本景文演出による旗揚公演「差別」以来
今日まで63回の本公演を行つています。
また、劇団のレパートリーのひとつとしての太鼓作品も、1972年「日本のふるさと№1」の初演
を契機に改善を重ね、継続して公演活動を行ってまぃりました。
<主な上潰作品>
・1971年10月「日本の公害1970」ふじたあさや作・寺下保演出。大阪文化祭賞受賞
・1977年5月「どん底」ゴーリキー作・森本景文演出
・1982年11月「玄界灘に架ける橋は」和田澄子作・森本景文演出。大阪文化祭奨励賞受賞
・1983年11月「翔びたてば鳥」ふじたあさや作・寺下保演出。大阪文化祭奨励賞受賞
・2002年11月「昏れてなお銀杏黄葉の」和田澄子作・森本景文演出。
戯曲に対し大阪新劇フェスティバル特別賞受賞
● 府職劇研 (大阪府職員演劇研究会)
1950年代、大阪の職場演劇の最盛期、第一次大阪府職劇研創立
その後、1965年10月、新たに大阪府職員演劇研究界として創立
1966年3月「はだしの青春」で創立公演、以後、職場に働く人々を題材にした創作劇を
中心に上演、府庁の文化祭や職場サークルとの合同公演などに参加。
1969年11月、第2回大阪自立演劇会議合同公演「怒りのウィンチ」に参加。
以降、自演連の仲間劇団との合同公演も取り組む。
1977年、第1回大阪春の演劇まつりに参加、今年は29回目を迎える.
演劇公演以外でも、数々のイぺン卜のスタッフとして企画から進行などを担当。
公演延べ回数90回。全国的に少なくなった職場演劇の火をいまも燃やし続けています。
<主な上演作品>
・創立10周年記念公潰「イルクーツク物語」
・1998年「ら抜きの殺意」大阪春の演劇まつりで演出賞
・2002年「笑わしたろか」大阪春の演劇まつりで作品奨励賞
・2004年「JEWELRY BOX」第28回大阪春の演劇まつり(MAKEUP GELLと合同公演)
● 劇団きづがわ
1963年「南大阪演劇研究会」として創立。1975年に「劇団きづがわ」と改称したが、
一貫して「働く人びとに勇気と希望を!」を合言葉に40年間演劇活動を続けてきた。
昨秋40周年記念公園「稲の旋律」上演したばかり。
劇団員は20歳代から60歳代までと幅広いが、中小零細企業や個人商店で働くのが多く、
交代制勤務もあり、稽古時間の確保が年々難し<なつてきている。
そんな中でも、春と秋の本公演や、小作品を持っての地域公演、
さまざまな集会やイぺントヘの協力出演などを行ってぃる。
<主な上演作品>
教育閤題を取り上げた「落ちこぼれの神様」「かげの砦」など。
戦争と平和をテーマにした「優だらけの手」「終わりに見た街」「ウメコがふたり」
「河」「勲章の川」「パパのデモクラシイ」「紙屋悦子の青春」「月光の夏」など。
また、労働現場のの問題や若者の生き方を問うた「立ちんぽうの詩」「突然の明日」「列車が空から降ってきた」「鉄道員(ぽっぽや)」「若者たち」などがある。
● 座・わだち
「演劇集団わだち」から「座・わだち」に移行後、
自主公演、合同公演と3、4公演ほど続きましたが、
劇団員の滅少により、いま、自主公演ができない状鰭にある。
最近では、自演連劇団を含め、他劇団の公演に応援参加、
舞台装置から舞台監督まで、スタッフの一翼を担つている。
「座・わだち」の自主公演に向け、再始動の機会を探っている。
<最近の上演>
「釈迦内柩唄」
「翼」(劇研合同公潰)
「ドリームエクスプレス」(劇研合同公演)