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-世間虚仮- 地方分権、道遠し
国会はガソリンなどの暫定税率問題で紛糾が続き、中国製冷凍ギョーザの薬物汚染は消費者生活に時ならぬ恐慌をもたらす。ヒラリーかオバマか、米国大統領予備選で過熱する民主党候補の闘いが海の向こうから伝えられる。おまけにテレビ向けのパフォーマンスばかりが先行するタレント弁護士橋下徹が府知事就任で空疎なアジテーションをぶつ。
新聞もTVも騒擾として眼を覆うばかりだが、そんななかで「地方分権委-中間とりまとめの提言-にほぼゼロ回答」なる小さな記事が眼を惹いた。
地方分権委の中間とりまとめによる提言は、重点事項として医療・生活保護・幼保一元化・義務教育・道路-国道の維持管理や修繕-・河川・農業-農地転用の許可権限など-6項目を挙げ、その他主な事項としてさらに10項目を列ねているが、各々所轄官庁はほぼゼロ回答とケンモホロロ。丹羽宇一郎委員長-伊藤忠商事会長-は、笛吹けど踊らず、各省のやる気のなさに「総じて後ろ向き、大変残念」と溜息まじりに怒りの発言。
<連句の世界-安東次男「芭蕉連句評釈」より>
「狂句こがらしの巻」-15
霧にふね引く人はちんばか
たそがれを横にながむる月ほそし 杜国
次男曰く、「月ほそし」とは繊月、秋とりわけ仲秋の二、三日ごろの月である。地平の夕空に低くかかり、日没後小一時間で沈む。「たそがれを横にながむる」とはそれを云うが、前句が「ちんばか」と戯れた、人物-舟曳-の身体の屈伸を見込んで付けている。
どんな上り月の工夫を見せてくれるかと一同が固唾を呑むなかで、下ゲと上ゲ-打越と前-の進取の興を睨んで「ちんば」を「横にながむる」と引き移す芸当は、景の儘とはいえなかなか出来ぬことだ。
曳綱と、前倒しになった人体との、均衡の一瞬が発見させた三日月の細み、幽けさが表現の狙いである。仕様は其の人に即した前句の伸ばしと考えればよいが、とくに舟曳と限る必要もない、と。
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