視界に入る臓器の罠に填る青い樹脈の心電図の海、内側から南の双眼へ、贖われる額のOsirisの右の碧眼、エホバ。
世にも醜い吐き気の堪えない悪臭を放ち続ける老婆がみずからの性器を露わにし、エホバの為ならば自分を拷問にさえ掛けると願い続けた敬虔なるエホバの証人に向かって、「わたしと交わり(生殖し)なさい。」と言う時、どれだけのあなたの子どもたちが、あなたと交わるでしょうか。
そしてエホバの被造物であるあなたは、エホバのその求めに、心から喜んで従うでしょうか。
『Love and Evil』の主人公の女に向かって、美しき白蛇が慈悲深き声でそう問い掛けた。
約1時間が経過しても、主人公は何も答えなかった。
このゲームのプレイヤーであるわたしが、何も選択肢を出さなかった為である。
その為、主人公は冬眠で巣穴のなかで眠る者が夢を見ているように、ただただ、純粋な生命現象が彼女を動かし、ミクロな肺を産出し続け、青い血の螺旋通路を昇るエネルギー体を包む白く揺れ動いて止まない悲愴であった。
わたしはどの選択肢を出そうと、自由とは言えないと感じながら、愛する彼女に二つの選択肢を出すのがやっとであった。
✭「わたしはエホバを知らない。」と吐き捨て、エホバの要求を退ける。
✭「あなたの要求は真に不快だが、あなた以外に、わたしの母も父も存在しない。あなたの要求に従わないで、どのようにわたしが”死”ではない者として、存在できるのか!わたしはあなたと交わり、あなたと一つであることを、今こそ懐いだそう。」そう言って、吐きそうなほど醜き、悪臭を放つ老婆のエホバと、交わる。
だが、なんとしたことであるだろう…!彼女は、ペットの蛇が化けた美しい青年に向かって下着を脱いたケツを向けて、こう叫んだ。
「jsxjghewte89y84378vf技k児kjhし不意sw具fhkjsh土井ysんkdhふg手r7ウテ長kんcヵghsフォprts↓bふfyjんfjfhdふdすyrfhづhjfdfhっjfhmxzんsfdwgytレフィ層wfgんczっすt7dswdhgcぃえfクォいtgrjcん…!」
よく視ると、彼女の部屋のテーブルの上には赤ワインの瓶が3瓶転がって、マリファナを吸ったあとが残されていた。
わたしは、気が動転し、セーブボタンを押してゲームを終了させた。
だが、わたしのいるこの世界には、わたしの気を彼女のように紛らわせることのできるものが何一つ、なかった。
「自由に、あなたの心が安らかになるものを想像しなさい。」と、エホバの声が聴こえた。
しかし、わたしは、わたしのこの、排水溝へ渦を巻いて流れてゆく意識の速さを止めることのできる”もの”が何であるのかを、知る不快さより、知らぬ絶望を望んだ。
その為、わたしはこの地獄を、意識というササミ(白身)を光速で引き裂き続ける器具、『Instruments continue to tear the white meat of consciousness at the speed of light』と呼んだ。
わたしは、わたしは、それでも彼女(主人公)を、愛してしまった限り、このゲームの続きをプレイするのを止め(彼女をわたしのなかで殺し)、気を変えて他のゲームをするという選択肢がわたしのなかにどうしても出てきてほしくはなかった。
わたしは、あなたの創造したこのゲームのなかに突如現れた蛇の存在があなたにとっての何者であるのかを知る必要がどうしてもある。
わたしも彼女も、そしてきっとあなた自身も、蛇の存在さえいなければ、これほどまでに、いつ終るとも知れない地獄の苦しみと悲しみに身を引き裂かれ続ける日々は必要ではなかった。