彼のself-confidence(自信)は、どこにあるのだろう。
どこからやってきて、どこにあって、どこにあり続けるのだろう。
わたしが何度ほかの男に気移りをしても、彼は「自分を信じている」と言う。
彼が一人で泣いているのを、わたしは知っている。
その涙のわけを訊ねると、彼は「わたしはわたしを信頼しています」と言う。
臆病な彼は、わたしが誰にどのように依存を移しているかを訊ねようとしない。
彼はただ、ひとりでいつも悲しんでいる。
わたしのすべてを求め、わたしのすべてが手に入らないことに涙を流している。
なぜ彼は耐えてゆけるのだろう。わたしという「不条理」の傍で。
わたしは彼のすべてを手に入れている。
彼はわたしのために生をも擲(なげう)つ。
彼のすべては自信にあって、それ以外、どこにもない。
わたしが失恋をして、彼のところへ戻ると彼は
「戻ってくると信じていました」と言ってわたしを優しく抱きしめる。
彼のその自恃は己惚れそのもの、彼は奇蹟を起こせることを信じて已まない。
わたしは彼の己惚れを愛している。
本当はいつも一人で泣いている彼の己惚れを。
いつ戻っても、彼は泣き腫らした目でこう言う。
「あなたは必ず戻ってくると、信じていました」
彼は己惚れているから、わたしを決して束縛しない。
いつまでもいつまでも、戻ってくると、そう想う?
わたしは戻らない。いつの日か。
あなたの巣を飛び立ち、振り返らない。いつまでも。
悲しい顔で彼は、いつもわたしにこう言う。
「あなたはわたしを決して忘れはしない。あなたは必ずわたしに戻ってくるのです」
哀しい目で彼は、わたしにいつもこう言う。
「わたしはわたしを信じています。わたしはあなたに、奇蹟を行います」
死は今宵も涙を流し、わたしの部屋の周りを取り囲む。
Blonde Redhead - Penny Sparkle
どこからやってきて、どこにあって、どこにあり続けるのだろう。
わたしが何度ほかの男に気移りをしても、彼は「自分を信じている」と言う。
彼が一人で泣いているのを、わたしは知っている。
その涙のわけを訊ねると、彼は「わたしはわたしを信頼しています」と言う。
臆病な彼は、わたしが誰にどのように依存を移しているかを訊ねようとしない。
彼はただ、ひとりでいつも悲しんでいる。
わたしのすべてを求め、わたしのすべてが手に入らないことに涙を流している。
なぜ彼は耐えてゆけるのだろう。わたしという「不条理」の傍で。
わたしは彼のすべてを手に入れている。
彼はわたしのために生をも擲(なげう)つ。
彼のすべては自信にあって、それ以外、どこにもない。
わたしが失恋をして、彼のところへ戻ると彼は
「戻ってくると信じていました」と言ってわたしを優しく抱きしめる。
彼のその自恃は己惚れそのもの、彼は奇蹟を起こせることを信じて已まない。
わたしは彼の己惚れを愛している。
本当はいつも一人で泣いている彼の己惚れを。
いつ戻っても、彼は泣き腫らした目でこう言う。
「あなたは必ず戻ってくると、信じていました」
彼は己惚れているから、わたしを決して束縛しない。
いつまでもいつまでも、戻ってくると、そう想う?
わたしは戻らない。いつの日か。
あなたの巣を飛び立ち、振り返らない。いつまでも。
悲しい顔で彼は、いつもわたしにこう言う。
「あなたはわたしを決して忘れはしない。あなたは必ずわたしに戻ってくるのです」
哀しい目で彼は、わたしにいつもこう言う。
「わたしはわたしを信じています。わたしはあなたに、奇蹟を行います」
死は今宵も涙を流し、わたしの部屋の周りを取り囲む。
Blonde Redhead - Penny Sparkle