ボストン現地レポート 教育に関連した話題を現地から

アメリカのサマーキャンプ、サマースクールの短期留学専門のコーディネーターが、現地の情報を様々な角度からお届けします。

アメリカの高校留学と新型コロナ

2020年09月30日 | 教育

早いもので明日から10月です。ボストンでは紅葉も始まり、1日ごとに秋が深まっています。

前回のご報告から、なんとあっという間に半年ほどが過ぎておりました。

2月中旬に日本にお邪魔し、東京の早稲田アカデミーでの説明会を予定どおり開催させていただいた後、新型コロナの感染状況悪化の兆しが見えてきましたので、難しい判断でございましたが、その後の説明会は全てキャンセルさせていただき、3月の初旬にボストンに戻りました。

その後、アメリカでの感染状況が、ニューヨークや周辺の東海岸で急激に悪化する中、現地の私立高校・ボーディングスクールに留学中の生徒さんたちの対応に追われる日々が続きました。

春休みを機に日本に帰国した生徒さんたち。春休み中も学校の寮に居残り、様子を見ていた生徒さんたち。先が見えない中、留学先の学校での対応も異なり、何がBestなのか、前代未聞の状況の中での判断は、遠い日本にいらっしゃる保護者の方々にとっては不安で厳しいものでした。通常は、休暇期間中は寮は閉鎖されるのですが、緊急事態ということで、留学生のために寮を閉鎖せずに、暖かい食事を提供いただき、出来る限りキャンパス内でのアクティビティなどを急遽企画して下さった学校には、今振り返ってみて感謝の気持で一杯になります。

その後、春休み終了後もオンライン授業が続行されることになったことを受け、寮は閉鎖され、居残っていた生徒さんたちのうち、アメリカ人のお友達宅に滞在していた女子生徒さん1名を除き、全員日本に帰国したのが4月上旬でした。その後5月末に夏休みがスタートするまで、13時間の時差があるにもかかわらず、留学生たちはオンライン授業でがんばりました。6月に日本からご家族もいらして、海辺に面した素晴らしいキャンパスの卒業式で、卒業をお祝いするはずでした生徒さんは、残念ながらオンラインでの卒業式となってしまいました。

弊社でケアしています留学生たちの半数は9月の学校再開に合わせてボストンに戻り、半数は日本に居残ってオンラインで授業を受けています。学校に戻った生徒さんたちは、キャンパス内でCovid-19の検査を定期的に受けながら、または学校の方針で検査は無しで、対面式の授業または対面式授業とオンラインの授業を組み合わせたハイブリッドカリキュラムにて勉強しています。日本に居残っている生徒さんたちは、時差に配慮して下さる教師のサポート受けながら、リアルタイムにて、または録画動画で勉強を継続しています。9月からは、オンライン授業の形式も確立されたということで、学期末の成績も付くようになります。

誰も先のことを予測できない、前代未聞の状況の中、マサチューセッツ州とニューハンプシャー州にあるボーディングスクール5校、それぞれの対応を見ながら感心しましたことは、教師と学校関係者全員で夏休みを返上し、実に綿密に学校再開に向け、ハードとソフトの面で具体的に準備を進めて下さったということです。準備を進める上で、保護者を交えてのZOOMでのミーティングが頻繁にありました。全校生徒の保護者を対象にしたミーティング以外に、留学生のみを対象としたミーティングも開催され、留学生という立場ならではの不安や疑問点にもとても丁寧に対応して下さいました。そして、このような状況の中で子どもを海外に送り出すという保護者の方にとって、一番大切なこと。つまり”信頼”ということを、時間をかけて辛抱強く伝えて下さったのでした。

先週、定期的に全校生徒、教師、スタッフの検査を実施しています学校で、1名の生徒さんから陽性反応結果が出ました。アメリカ人の通いの生徒さんだったそうですが、この生徒さんは数か月前に感染したことがあり、検査に抗体が反応してしまったとのことです。陽性結果が出た時点で、学校から全生徒とその保護者へメールでお知らせがあり、この状況は予想内のことであり、該当する生徒、そしてこの生徒と接触が確認された生徒たちをすぐにキャンパス内の隔離病棟にて14日間隔離をし、検査を頻繁にしながら、症状が出ずに検査結果が陰性となった場合はキャンパスに戻れることにします、というお知らせがありました。このように、状況を逐一冷静かつ具体的にご報告頂き、リアルタイムで学校の対応をきちんと開示して下さることで、生徒たちはキャンパスで引き続き安心して生活でき、遠くで見守っていらっしゃる保護者の方の不安も軽減されます。

幸い、私がケアしています留学生たちが在学するボーディングスクールが位置しますボストン郊外、マサチューセッツ州の西部、そしてニューハンプシャー州では、検査数に対して陽性結果が出る割合はアメリカ全国的に見て非常に低いレベルで推移しています。寮の自分の部屋以外はマスクを着用し、食事もシフト制にしソーシャルディスタンスを実施できるようにしたり、ランチボックスを配布したり、スポーツもマサチューセッツ州とニューハンプシャー州が定める規則に合わせての練習のみ、と徹底しています。秋はフットボール、ラクロス、サッカー、フィールドホッケーなど、私立高校のリーグ間での試合で盛り上がるseasonですが、今年は残念ながら全ての対抗試合はキャンセルされたそうです。それでも、自然豊かな広々としたキャンパスで、ランニングをしたり、サッカーのボールを蹴ったり、テニスをしたり、お天気が良ければ芝生の上で授業ができる環境で生活できる生徒さんたちは、とてもラッキーだなー、と感じております。

来月から、引き続き現地ボーディングスクールの様子について、またこの夏、ほとんどの滞在型のサマーキャンプが開催を諦めた中、州政府のガイドラインを守った上で、様々な工夫と覚悟をもって開催を決め、感染者を出すことなく無事にシーズンを終えたサマーキャンプについて、一つ一つご報告してまいります。

 



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