江戸時代、会津藩士の子供たち、3歳から9歳までの男の子たちは、十人前後の「什」というグループを作っていました。
その「什」において、会津藩士の心構えが教育されました。これが
「什」の掟。と言われるものです。
一、年長者(としうえのひと)の言うことに背いてはなりませぬ
一、年長者にはお辞儀をしなければなりませぬ
一、嘘言(うそ)を言うことはなりませぬ
一、卑怯な振舞をしてはなりませぬ
一、弱い者をいぢめてはなりませぬ
一、戸外で物を食べてはなりませぬ
一、戸外で婦人(おんな)と言葉を交えてはなりませぬ
ならぬことはならぬものです
この掟はそれぞれの什によっても微妙に違ったようで、婦人と云々の掟は、なかった什もあったようです。
いずれにしろ、「ならぬものはならぬ」このくだりが強烈ですよね。
映画『侍タイムスリッパー』の主人公、高坂新左衛門は、このような厳しい教育のもとに育ったわけで、映画本編にこの什の掟は登場しませんが
高坂殿の背後に、この什の掟がなんとなく見えた気がする。会津藩士という設定に説得力があるんです。
これはやはり、山口馬木也という役者の持つ、資質なのかな。
現在、会津若松市は、この什の掟を現代風にアレンジした「あいづっこ宣言」を、子供たちへの教育の方向性として掲げています。
一、人をいたわります
二、ありがとうごめんなさいを言います
三、がまんをします
四、卑怯なふるまいをしません
五、会津を誇り年上を敬います
六、夢に向かってがんばります
やってはならぬ やらねばならぬ
ならぬことはならぬものです
高坂殿、あなたが生きた、あなたが愛した会津の精神は、こうして今でも
受け継がれていますよ。
良かったね。
この立ち姿、「本物」の侍がいる。