東日本大震災で、市の中心部にあった博物館は被災し、展示資料のほとんどが流出してしまった。しかしそれらの資料を丁寧に集め直し、破損してしまっていた資料は全国の修復の専門家の協力を得て修復に努め、およそ46万展もの資料が復活したそうです。
しかしまだ10万展近くもの資料が修復途上ということで、まだまだ道のりは遠いですが
そのコツコツと続けて行く姿勢には、頭が下がります。
とにかく展示資料の数の多さと種類の多様さには驚きます。特に動物たちのはく製。
鳥や獣。魚類貝類。昆虫や植物に至るまで実に豊富。熊やマムシのはく製まであって、まるで生きているようでちょっと怖い(笑)。
あのはく製たちにぐるりと囲まれてごらんなさい。異世界に飛びそうになります(笑)。いや、ホント。
博物館によっては、一度観たらもういいや、というところも多いのですが、ここは違う。なんといいますか、陸前高田市立博物館は
本気度が違います。
で、オシラサマです。
オシラサマアソバセとは、オガミサマ(イタコのような人)がオシラサマを両手に持って、揺らしながらオシラ祭文を唱えるものです。そうしてオシラサマからの託宣をオガミサマが下す、というわけです。
震災前の展示の際に下ろされた託宣に、今回はちゃんと答えている。遠野市立博物館もそうでしたけど、こうした見えないものへの敬意を大事にする学芸員の方々の精神性。
とても良いな、大事だなと思いますね。
オシラサマは二足四足の肉と卵が嫌いで、昔はオシラサマを祀っている家ではこれらのものは食べてはいけなかったそうです。この禁を破ると実際に「祟り」が起こったとも伝えられているそうです。
もっとも最近は、普通に肉類を食べているそうで、オシラサマもだいぶ柔らかくなったようです。
オシラサマは主に養蚕の神とされていますが、その他にも馬の神や農業の神、目の神、女性特有の病気の神。なにより家を守る「屋敷神」として祀られているようですが、今一つ研究が進んでおらず、その正体はよくわからない。
ただ、オシラ祭文に確か白山神が登場していたと記憶しているので、あるいは古代の白山信仰が、時の流れの中で独特の変形を遂げていったもの、かもしれない、なんてことを漠然と考えています。
オシラサマは地域によって呼び名が違う。オッシャサマとか、山形県辺りではオクナイサマなどとも呼ばれるらしいです。
山形県在住の怪談師で作家の黒木あるじ氏によると、オクナイサマについての怖い話も伝わっているようですね。
ねっ、不思議なことは今でも、本当に起こってる。オシラサマの正体がなんであれ
大事にしてくださいね。
博物館を訪れた後、津波伝承館と道の駅高田松原に寄り、陸前高田の酒造メーカー酔仙酒造の純米大吟醸酒を購入。他に三陸産ののりを100%使用したのり佃煮と、なぜかかもめの玉子(笑)それも冬限定のみかん味(笑)も共に購入。しめて5000円ちょっと。
たった5000円ぽっちですが、少しでも陸前高田にお金を落としていけたらと思い、購入させていただきました。
皆さんも機会があれば、一度来てみてくださいね。
本気度が違う博物館に、目に見えないものを大切にしている博物館に、ぜひ訪れたいです。