<湘南スタメン> 3-3-2-2
GK 谷
RCB 山本 CCB 大岩 LCB 大野
RWB 岡本 DH 米本 LWB 石原
IH 永木 IH 田中
FW ウェリントン FW 町野
<京都スタメン> 4-1-2-3
GK 若原
RSB 飯田 CB アピアタウィア久 CB メンデス LCB 麻田
DH 川﨑
IH 武田 IH 金子
RWG 武富 CF ピーター・ウタカ LWG 松田
最多降格回数(4度)を記録しているクラブ同士の戦い。
3戦で1分2敗と、開幕前の大胆な目標(5位以内・勝ち点50以上)を立てたは良いが、スタートダッシュで躓いてしまった湘南。
今季も残留争いを踏まえての戦いを強いられる予感が膨らみつつあり、何時になったらそうしたシーズンから抜け出せるのか。
様々な負の感情が交錯する中、クラブを今ある地位まで押し上げた恩師・ 曺貴裁(チョウキジェ)氏が現在率いている京都との対戦を迎え。
しかも曺氏のみならず、松田・金子・武富と過去の湘南の主力だった選手を数多抱えるチームであり、因縁めいた戦いとなりました。
前年のベースに、信頼できるアンカーの米本・プレースキッカーの永木を主力に加え、戦力アップを図った湘南。
この日も激しいプレッシングと運動量、そして曺氏が去って以降に仕込まれたショートパス主体のサッカーを駆使してペースを握り。
そしてセットプレーを数多獲得したのち、永木のキック精度を活かしてゴールを狙いに行きました。
前半10分の左コーナーキック、永木のファーサイドへのクロスにウェリントンが合わせにいき、こぼれた所を大岩がシュートにいきましたがジャストミート出来ず。
13分にはクリアボールを収めにいった京都・武富のハンドで直接フリーキックを得て、中央の位置から永木が直接シュートするも壁を直撃。
狙い通りに好機を作るも、精度を欠いてモノに出来ません。
それに相手は曺氏が率いるチームという事で、果敢なプレッシングは京都サイドも変わらず。
中盤で激しくボールホルダーが入れ替わる絵図の前に、好機の数自体少なめの展開で前半は推移していきました。
それでも近年J1経験で勝る一日の長か、攻撃権を支配する湘南。
26分に縦パスを受けた町野が京都・アピアタウィアに倒されて反則、再度ゴール中央からの直接フリーキック。
今度は町野が直接シュートを放ち、ゴール右を襲いましたがGK若原がセーブ。
30分には左サイドで大岩のミドルパスで裏を取ったのち、中央→右へとサイドを移して岡本が低いクロス、これをエリア内中央で収める町野。
そしてシュートを放ちますがGK若原がキャッチ。
お互い激しいチャージも厭わずといったチームであり、それによる被害も考慮しながらの試合。
それがついに露呈したのが31分で、空中戦で湘南・米本と京都・武田が頭部同士で激突してしまい、両者倒れ込む事態が発生します。
米本は無事でしたが、武田が立ち上がれずに担架で運ばれる事に。
被害甚大といったシーンでしたが、幸いにも出血のみとの事で、治療が施されたのちピッチに復帰した武田。
中々噛み合わないといった京都は、前半終了間際になって布陣変更。
麻田がセンターバックへと移り、アピアタウィアとメンデスの間に入り、麻田を中央にした3バックのような布陣を採ります。
しかし左サイドの松田が上下激しく動いていたので、この時間帯は「守備時5バック・攻撃時4-3-3(4-4-2?)」という可変システムとなっていたでしょうか。
この変更でようやく京都のターンが到来し、FWのウタカや武富がエリア内を突くシーンも増えていきますが、シュートには辿り着けず。
結局スコアレスで前半を終え。
それどころかシュートゼロに終わった京都は、ハーフタイムに2枚替えを敢行、金子・飯田→荻原・白井へと交代。
左サイドバックがメンデスというアンバランスな布陣になっていた終盤、これにより正すとともに、本格的な3バックのシステムへと移行します。
<後半の京都> 3-5-2(3-3-2-2?)
GK 若原
RCB アピアタウィア CCB 麻田 LCB メンデス
IH 武田 DH 川﨑 IH 松田
RWB 白井 LWB 荻原
FW ウタカ FW 武富
湘南と同じ3-3-2-2(3-1-4-2)のミラーゲームに持ち込んだようでしたが、中盤が3人ともボランチのようにも見え。
そして変更の成果が早々に表れ、後半1分に浮き球パスを収めた武富が、川崎とのワンツー・ウタカのポストプレイを経て遠目からシュート。(枠外)
早速前半皆無だったフィニッシュに辿り着くと、続く2分でした。
中盤中央で武田がボールを奪い、松田を経由して武富がダイレクトでスルーパスを送り、ウタカが走り込んで受ける絶好機。
そしてトップスピードのドリブルでエリア内左を突いてシュートを放ったウタカ、ボールはGK谷の股を抜いてゴールへと転がり。
劣勢を乗り越えた先に先制ゴールが待ち受けていました。
尚も続く3分、左サイドでのパスワークから、武田のミドルパスで裏を取った荻原が奥からグラウンダーでクロス。
そして走り込んで合わせたウタカでしたが、シュートはゴールバーを叩いてしまい今度はゴールならず。
7分には今度はウタカがスルーパスを供給する役となり、走り込んだ武富がエリア内右からシュートしますがゴール右へと外れ。
中盤が厚くなり、かつ2トップの関係性が強化された事で好機を量産した京都。
スコア差も付けられ窮地の湘南、この時間帯はロングパスが巧く通れば……といった攻撃に終始。
前掛かりの京都故に何度か好機も生まれましたが、前半の勢いは何処へやらという印象は拭えません。
そのロングパス攻勢から15分に得た右サイドでのスローイン、投げ入れられたボールを奥で町野がポストプレイ、そして岡本のクロスが上がり。
ファーサイドでウェリントンが収め、こぼれるも石原が後方に繋ぎ、米本がダイレクトでシュート。
しかし京都・麻田のブロックに阻まれ。
22分にも右からのスローイン、受けた石原のクロスがファーサイドに上がり、クリアされたボールを町野ポストプレイ→永木後方からシュート(ブロック)と同様のパターンでフィニッシュ。
それでもスコアは動かせず、何とか挽回したい湘南は25分に2枚替え。
石原・岡本→杉岡・池田へ交代と、両ウイングバックを一遍に入れ替えました。
そして再びショートパス攻勢から好機を迎えた湘南。
26分に敵陣遠目で繋ぎ、町野のポストプレイがズレるも、すかさず戻った町野がそのボールをダイレクトでシュート。
ブロックされるも尚も右サイドで展開し、池田の斜めの縦パスをエリア内でウェリントンがスルー、しかし繋がらずに流れ。
京都ボールになるもロングパスを杉岡がブロックして左サイドで攻撃継続、田中のこぼれ球の落としを受けた杉岡がエリア内へパス、受けたのは町野。
左斜めから左足でシュートを放つと、ボールは綺麗に右サイドネットへ突き刺さり。
早くも今季2得点目の町野(前年4得点)、確変かあるいはストライカーとしての飛躍か、ともかく同点に追い付いた湘南。
一方追い付かれた京都、28分に左サイドをドリブルした荻原から、ラストパスを受けた武富がシュート。(枠外)
30分には再び荻原が今度はパスを交えながら前進し、中央ペナルティアークからシュート(GK谷セーブ)と攻め立て。
後半立ち上がりのような圧力を掛けていきますが、その後一気に劣勢となる案件が発生します。
23分の湘南の攻撃、GK谷が左へスローすると、前掛かりの意識が強い京都の隙を突くように大野縦パス→受けた田中スルーパス→町野走り込みで一気に最終ライン裏を取り。
振り切られた麻田、スライディングを敢行するも後ろから町野を倒してしまう形となると、主審の笛が鳴り響き反則に。
そして麻田の眼前に立った主審(上田益也氏)は、躊躇わずに赤い紙を突き出し、一発退場となってしまいました。(その後VARチェックが入るも、判定は不変)
これで2試合連続で退場者を出す事となった京都。
これで得た湘南のFKは、キッカー町野の直接シュートを正面でGK若原がキャッチで防いだ京都。
10人での戦いを強いられ、暫くはウタカ1トップの4-4-1の布陣を採っていましたが、37分に武富→山﨑へと交代すると2トップへと戻し。
直後(38分)に敵陣でのパスワークから、武田のスルーパスでエリア内右を突く場面もありましたが、やはり数的不利は隠せません。
プレッシングを貫かんとするも果たせず湘南の素早い攻撃を受け、かといって守りを固めようとするとボールを支配される、という立場に。
39分に町野・田中→大橋・茨田へと交代した湘南。
ウェリントンを残して町野を退かせるという采配にやや疑問が残り(放送席でも解説・福田正博氏が不思議がっていた)、そのウェリントンも43分に京都・アピアタウィアとの激突で負傷交代を強いられ。(瀬川と交代)
攻撃権は握りながらも、ゴールへの匂いが高まらないままアディショナルタイムを迎えます。(京都も44分にウタカ→豊川へと交代)
そのAT、瀬川のドリブルを武田がバックチャージして反則・警告を受けるという幕開けを経て、ようやく京都ゴールに襲い掛かる湘南。
FKからの二次攻撃で左サイドから山本がクロス、ファーサイドに上がったボールを大岩が折り返すと、ゴール前で大橋がヘディングシュート。
ゴールの目の前という位置で放たれましたが、シュートはゴールバーを直撃してしまい、跳ね返りを瀬川が詰めたもののGK若原のセーブに阻まれ。
痛すぎる決定機逸となってしまいました。
湘南の圧力を前にして攻めを捨てざるを得なくなった京都、松田→宮吉へ交代するとともに、ついに2トップを諦め。(豊川が左サイドハーフに落ちる)
その後湘南は永木のミドルシュートが炸裂(GK若原セーブ)する場面も作りましたが、逃した魚は大きすぎました。
守備を固める京都の前に、最後はロングボール攻勢に移るもゴールに辿り着けず。
7分ものATに加え、GK若原が足を痛めるシーンもあり長引いたものの、1-1のまま試合終了の時を迎えました。
これで湘南は未だ勝利無しと苦難は続くといった印象で、何処で抜け出す事が出来るか。