ぶらりドリブルの旅

ひたすらサッカー観戦がメイン

DAZN観戦 2022年J2リーグ第5節 いわてグルージャ盛岡vs栃木SC

2022-03-22 19:03:25 | サッカー視聴記(2022年J2)

※前回の栃木の記事はこちら(2節・ヴェルディ戦、0-3)

<前節からの変更>

岩手=秋田豊監督をはじめ、ウィルス禍に巻き込まれた影響か大きく変更を余儀なくされる。脇本・宮市がベンチ外となり、それぞれ弓削がボランチ・小野田が右ウイングバックの穴埋め。センターバックは小野田と深川に代わり、甲斐戸根がスタメン復帰し開幕節と同じ布陣(甲斐がセンター)に。そんな苦境故ジョーカーにすべくなのか、1トップはブレンネルを控えに置き、新人・鈴木魁人が記念すべき初スタメンを飾る。また控えGKは松山→稲葉にチェンジ。

栃木=シャドーが谷内田→小堀へと変更された他は変わらず。ベンチには、三國ケネディエブスが今季初のメンバー入り。

スタメン

前節は仙台に完敗(0-3)したものの、2勝2敗と上々の滑り出しで、初のJ2での試合開催を迎えた岩手のホーム・北上総合運動公園北上陸上競技場。(ネーミングライツが無いのは意外……)

その記念すべき日に、監督の秋田氏が不在と巡り合わせの悪さに苛まれてしまい。(指揮はヘッドコーチ・中三川哲治氏が務める)
また開催に合わせ除雪を完遂したとの事で、バックスタンド側は未だ白一色の絵図な上、ピッチコンディションは水分たっぷりの様相となり。
映像からの視点では目立った水たまりが見られなかったため、逆に何処が危ない場所か解り辛くもあり、やり辛さは相当なものだったでしょう。
この「田んぼサッカー」に匹敵する状況故、栃木サイドも前年までの「ストーミング」スタイルを前面に押し出さざるを得ない試合となりました。

かくして、お互いがロングボールを蹴り合うというシーンが数多となったこの試合。
先に流れを掴んだのは栃木で、前半3分敵陣右サイドでの西谷のボール奪取から、佐藤のクロスをエリア手前で収めたトカチがシュート。
ブロックされエリア内へ上がったボールを、小堀が追撃のヘディングシュートを放ちますがゴール左へと外れ。

一方の岩手は、ブレンネル温存に見られるベンチワークに従順するかの如く、前半はひたすら裏狙いという攻撃。
和田やモレラトを何度も走らせるも、効果的とはならず。
それでも15分頃から、悪コンディションに付き物である「相手のセーフティなクリア」を活かし、スローインの連続による漸進戦法で栃木を押し込んでいきます。
左サイドで何とか形を作り、クロスを入れる所にまでは持っていきますが、やはりターゲット不足が影響しシュートは放てず。

一方の栃木もスローインからの攻撃が増えていく中、文字通りの泥仕合の様相に。
そうして時間が進んでいき、迎えた28分。
栃木はGK川田のロングフィードの跳ね返りを拾った小堀から攻撃開始、彼のパスを受けたトカチがミドルシュートのように足を振り。
しかし蹴られたボールは水分で失速してエリア内へと転がり、そこに走り込んだ瀬沼がゴール右へとシュートし、ゴールネットを揺らします。
トカチのキックが意図的なのか偶然なのかは不明でしたが、ともかく裏を取って先制に成功した栃木。

先制後も攻撃の手を緩めない栃木、ピッチ状況故に頻繁に止まるボールにもよく対処し、攻撃権を支配。
33分には佐藤縦パス→トカチフリックで受けた瀬沼が左サイドへ抜け出し、バックパスから佐藤のクロスが上がると、再び小堀がヘディングシュート。(枠外)

ホームで何とか反撃の糸口を掴みたい岩手は、42分にカウンターで好機。
クリアボールが直接裏を取り、栃木・鈴木海音とのデュエルに勝った鈴木魁がドリブルで運び、エリア内左からシュートするもゴール右へと外れ。
しかしコーナーキック(ブロックかGK川田のセーブかは不明)を得ると、キッカー中村太亮のクロスの跳ね返りを、エリア内で小松がダイレクトでシュート(栃木・西谷がスライディングでブロック)と攻め立て。
文字通りに相手の攻撃の間隙を縫うウンターとなりましたが、得点には至りません。
最後はアディショナルタイムに、栃木のフリーキックからの攻撃をエリア内で何とか凌いだ岩手、0-1のまま前半を終えます。

ハーフタイムを経て、雪も舞う状況となり。
また風も一段と強くなった(映像から見て左→右の風向き)のか、CKの際に中々ボールをセットできないというシーンも生まれます。
そんな後半に向け、満を持してブレンネル投入に踏み切った岩手のHT。(鈴木魁と交代、同時に弓削→ビスマルクへと交代して小野田がボランチにシフト)

後半2分に早速ゴールキックからのポストプレイで好機を作るブレンネル。
左CKに持ち込み、キッカー中村太のクロスの跳ね返りを小野田がミドルシュートと、前半のCKと同様のパターンで栃木ゴールを襲うもこれはゴール左へと外れ。

反撃の機運を高めにかかった岩手でしたが、後半は風下の状況となり、ブレンネル狙いのロングボールが押し戻される事数多。
そのためブレンネルのポストワークがあっても低い位置での攻撃開始を強いられてしまい、栃木の素早いプレッシングもあり、結局長いパスによる裏狙いを余儀なくされる攻撃となります。

中々攻撃権を得れずという流れの中、頼りにしたいセットプレーでも栃木にその数を上回られ。
ボール争いで上回られ、反則も膨れ上がっていきFKを多く与えてしまいました。(13分には福森にアフターチャージしたモレラトに警告)

流れを掴みたい状況の岩手、16分に警告を考慮してか、モレラト→奥山へと交代。
直後(18分)に、再びゴールキックからロングフィードをブレンネルが収め、右へ展開したのち投入された奥山がクロスを入れるシーンを作り。
それでも攻撃機会は少なく、カウンター戦術を主とするチームらしく「少ない好機をモノにする」事が求められる試合になって来ました。

25分に再びブレンネルが収め、反転した所を栃木・大森に倒されて反則となり、FKを得た岩手。
この右ハーフレーンからのFK、キッカー中村太の中央へのクロスをビスマルクが合わせにいき、クリアされたボールを拾ってシュートしたのはブレンネル。
しかしエリア内でのブロックに阻まれ、待望のセットプレーからのフィニッシュに持ち込んだものの同点とはいきませんでした。

一方の栃木も、29分に2枚替えを敢行。(小堀・トカチ→矢野・谷内田)
直後に自陣からのFKで放り込みを選択し、跳ね返りを拾った佐藤の縦パスを受けた瀬沼がシュート。(ブロック)
岩手の圧力にも屈せず時間を進めていき、2点目を奪えばかなり楽になる、という展開に持ち込みます。
その後もスローインやFK・CKで追加点を狙うものの、それが果たされる事は無く。

岩手が34分に2枚替え(戸根・和田→田平・オタボー)、栃木が39分に2枚替え(福森・森→三國ケネディエブス・黒﨑、大森が左WBへシフト)と、ベンチワークも交錯していき。
何とか追い付きたい岩手、41分にプレースキッカーである中村太が、自らこぼれ球を拾いにいって栃木・矢野の反則を受け。
意地でもセットプレーを得たいというこのプレーが奏功したでしょうか。

この左ハーフレーン・エリアからかなり手前のFK、中村太ファーにクロス→甲斐折り返しは合わずも、左サイドでオタボーが拾って攻撃継続。
そしてさらに左CKに持ち込み。
クロスはクリアされ大きく跳ね返されるも、GK野澤大志ブランドンが右サイドで拾い、彼のパスを受けたブレンネルがスルーパス。
走り込んだ奥山が奥からクロスを上げると、ファーサイドでビスマルクの跳び込みを越えた所で合わせたのは牟田。
前年もJ3の舞台で何度も見られた、主将のセットプレーからのヘディングの一撃がゴールに突き刺さり、とうとう追い付いた岩手。

勝ち点3のためには、残り少ない時間で再びの得点を余儀なくされた栃木。
45分に瀬沼→宮崎へと交代し、前線をフレッシュにしたうえで攻撃を仕掛けにいきます。
迎えたAT、自陣で佐藤がボールキープする所を岩手・オタボーにチャージされて反則。
これに対して岩手・小野田が異議(恐らく佐藤のボール固定による反則をアピールしたと思われる)を唱えた事で警告を受けてしまい。
先程は反則を受ける事によって同点への道筋が生まれた岩手でしたが、この小野田の行為により運気は逃げてしまったようで。
以降栃木のセットプレー攻勢を浴びてしまいます。

選手交代を経てキッカーは谷内田へと変わっていた栃木、左サイドからのFKの局面では、その谷内田のキックミスで逃してしまう場面も見られ。
しかし最後にCK攻勢に持ち込み(いずれも左サイドから)、1本目は中央へしっかりとクロスを供給した谷内田、黒﨑が待ち受けるもその前でクリアされて2本目に。
そして2本目、今度はニアサイドへクロスを入れた谷内田、そこに頭で合わせにいく矢野。
シュートは岩手・オタボーに当たってゴールに向かうも、バーを直撃してしまいゴールならず。
そして試合終了の笛が鳴り、泥仕合らしく1-1の痛み分けで終わりを迎えました。

熊本・岩手の昇格組が、ともに監督不在の戦いを余儀なくされるという苦境を強いられた今節。
それにも拘らずしぶとく勝ち点を拾った岩手と、長崎相手に快勝した熊本(2-0)。
昇格組がリーグを掻き回すという面白い展開となった序盤戦、この流れは何処まで続くでしょうか。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする