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DAZN観戦 2024年J2リーグ第38節 V・ファーレン長崎vs愛媛FC

2024-11-16 16:01:20 | サッカー視聴記(J2)

※前回の長崎の記事はこちら(37節・千葉戦、2-1)
※前回の愛媛の記事はこちら(34節・栃木戦、1-1)

<長崎スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 自動昇格の条件は、勝利してかつ2位・横浜FCが敗戦の一点のみ。これで1差の得失点差も逆転出来、2位浮上を果たせる。

<愛媛スタメン>

  • 松田が累積警告により出場停止。
  • 森脇が今季限りでの引退を発表。前節(山口戦、1-1)のホーム最終戦で引退試合が行われスタメン出場し、今節はベンチ外。
  • 今野の負傷が発表され、10/26に発生して11/1に手術実施、全治約4ヶ月との事。

残留は決まったものの、10戦未勝利で最後の試合を迎える事となってしまった愛媛。
順位も降格圏のすぐ上である17位まで転落と、これまでの貯金で食い繋ぐという定型詞を地でいくなかで、(森脇の引退試合も前節終えた事で)何とか勝利で締められるかの一点のみと化した最終戦。

一方の長崎は、「勝利しなければならない」試合。
仮に2位浮上を果たせなくてもプレーオフがありますが、手早く昇格が決まるならばそれに越した事は無いのは言うに及ばず。

愛媛の未勝利試合の軌跡を辿ってみると、昇格を争うクラブには悉く敗れている(横浜FC・岡山・山形・千葉・仙台)のが厳しい所。
シーズン序盤から中位を維持してきたものの、やはり上を目指すには一段も二段も足りないという現実を突きつけられた終盤戦となり。
そしてこの試合も、昇格を目指して戦う長崎とぶつかる事になりました。

前半1分、自陣でのコントロールミスからジェズスに奪われ、すぐさま横パスを受けた名倉がミドルシュートと早くも脅かされる愛媛。
これがブロックを掠めての枠外となった事でコーナーキックと、ひとしきり押し込まれてのスタートを強いられます。

前半は最終ラインからの繋ぎで、ゆったりとした攻撃スタイルが特徴である今季の長崎。
この日も入りで主導権を握った事で、そのサッカーを徹底せんとします。
4分にはGK若原への戻しから右の増山へフィードを通してプレス回避、その増山もサイドチェンジ気味に左へフィードと、長短をふんだんに使って好機を演出。(受けた笠柳から、中央をショートパスで崩さんとするもシュートには繋がらず)

そんな強敵相手に対し、躊躇わずにハイプレスを仕掛ける愛媛。
それは一定の効果を生み出し、6分にパスミスを誘発させて拾ったユイェチャンからショートカウンターを仕掛け。(すぐさま曽根田へ縦パスを送るもカットされる)
続く7分にもパスミスを石浦が拾って速攻を仕掛ける(ドリブルから窪田へパスもカットされる)も、その後の精度の低さもあり有効打とはいきません。

それでもファイティングポーズを保つ愛媛は、さらに13分長崎がヴァウドのコントロールミスを窪田が拾うという絶好機。
しかしタッチが大きくなった所をGK若原が前に出てキャッチと、ここもシュートに結び付けるだけの精度に欠く絵図に。

すると14分、愛媛が最終ラインでやらかしてしまう側となり、右サイドでの繋ぎが短くなった所を名倉が素早い反応でカット。
こぼれ球をエリア内で拾ったジェズスが、慌てて戻る愛媛ディフェンスを尻目にそのままシュートを放ち、ゴールネットを揺らします。
3度のボールゲインでもシュートを打てなかった愛媛と、2度ともシュートに繋げたうえに2度目をしっかりモノにした長崎と、早くも格差が付く事となりました。

苦しくなった愛媛ですが、まだ序盤という事もあり攻撃の形の構築に掛かり。
17分に遠目からのフリーキックで放り込みを選択し、エリア内中央のダンカンを狙うも実らず。
しかし左スローインで継続すると、すかさずユイェチャンがアーリークロスを上げ、これがファーの小川の足下に。
ピンポイントで(小川の)ボレーシュートに繋がるも、枠は捉えられず。

長いボールでの好機に、これを軸とした攻めで打開を図り。
以降もスローインからの組み立てを経てのミドルシュートを連発と、早めの勝負が目立った愛媛の攻撃でしたが、あくまでペース確保のための手段だったでしょうか。
25分にGK徳重からショートパスでの前進が試みられると、サイドを振りながらの繋ぎを経て左サイドから窪田がカットイン。
そのまま中央へパスを送り、中に絞っていた尾崎ポストプレイ→窪田1タッチパスでエリア内を突き、崩しきったと思われましたがダンカンがこれを収められずに終了となり。

これを機に、その後もショートパス主体で攻撃機会を確保し、かつ長崎に攻撃させないという時間を作り。
つまりは主導権を握る事に成功した愛媛、その成果はすぐに表れます。
31分最終ライン→右サイドでの繋ぎでプレス回避に成功してそのままパスワークで前進し、アタッキングサードで石浦スルー→ダンカンを経て中央からの崩し。
そのまま2人のパス交換でボックス内を突いた末にダンカンがシュート(ゴール右へ外れる)と、良いリズムでフィニッシュまで持っていく流れを構築。
すると34分にも右サイドでの繋ぎから、中央→左ポケットとサイドを変えつつチャンスエリアを突き。
ユイェチャンのグラウンダーのクロスをニアで受けたダンカンがシュート、安部のブロックに阻まれるも、尚も拾って逆サイドからの崩し。
そして同様に右ポケットを突いて尾崎のクロスが入り、ニアで田中がブロックに入るも、軌道が変わる形でそのまま左サイドネットに突き刺さり。
鋭い崩しにより誘発したオウンゴールで、同点に追い付きました。

これで愛媛は精神的に優位に立ったでしょうか。
38分、最終ラインでのボール奪取からの繋ぎを経て、尾崎の縦パスを受けた曽根田がすかさず中央へミドルパス。
最終ラインで繋いでいた事で長崎が前に出たのもあり、中で絞っていた窪田はそのまま1タッチで裏を突くパス、これにダンカンが抜け出すという絶妙な好機を生み出します。
しかし前に出たGK若原・クリアにいったヴァウドと縺れ合ってシュートは打てず、逆に痛み長らく倒れ込んでしまう(GK若原も)絵図となり。

何とか無事だったダンカンは、40分に自陣左サイドでパスを受けるとそのまま長距離をドリブル。
中央を伺いながら最後はスルーパスを選択し、これがカットに遭うもエリア内へこぼれた所を、走り込みを止めなかった曽根田がシュートと決定機。
しかしGK若原が脚でセーブ、こぼれ球を深澤が追撃するもゴール左へ外れと、守護神に立ちはだかられたのもありモノに出来ません。

すると落ち着きを取り戻した長崎が襲い掛かり。
アディショナルタイムに突入し、GK若原からの繋ぎでプレッシングをいなし、サイドを振りながら前進と愛媛のお株を奪う地上での組み立て。
そして左から笠柳がカットインで中央へ流れた末に右ポケットへラストパスを送ると、受けたギリェルメのシュートが狭い所を抜いてゴールに突き刺さり。
プレスが実らなかった愛媛は戻って中央を固めていたものの、その外側から崩される格好となり、これがその後1点以上の効果を生んでしまったでしょうか。

ともかく再度リードした長崎、その後もジェズスが2本シュートを放って愛媛ゴールを脅かした末に前半を終わらせます。

共に交代無く、迎えた後半戦。
巻き返したい愛媛、再び最終ラインからショートパスでの前進を重視し、人数を掛けて崩さんと図り。
その意識が試合を動かすも、それが有利に働くとは限りません。

後半4分、森下の縦パスを石浦が反則を受けながらポストプレイ(アドバンテージ)、さらに深澤縦パス→ダンカンポストプレイと中央から縦に繋ぎ。
そして敵陣に入ると、倒された石浦も加わっての人数を掛けた攻撃に入り、森下左ワイド奥へミドルパス→窪田ポケットへポストプレイでエリア内での展開に。
ダンカンが中央でのキープを経てシュート、ブロックされた跳ね返りを谷本がミドルシュート(田中がブロック)と、連撃を放つも崩しきれません。

すると、尚も攻め続けんとした愛媛に対し、断ち切ったのちのクリアボールを右ワイドで納めたジェズスによりカウンターに入る長崎。
強靭な収めとドリブルにより深澤が振りきられ、攻めに人数を掛けていたためセンターバック2枚のみでの対処を強いられる愛媛、それをあざ笑うかのように右ポケット手前で切り返して2人を引き付けたジェズスが横パス。
完全フリーで走り込んでシュートしたのはギリェルメと、助っ人のパワーで完遂させた長崎がゴールに辿り着きました。
愛媛にとっては中央を固めての守備が通用しなかった2失点目を受け、多少のリスクを冒してでも攻撃に人数を掛ける事を選んだようでしたが、結局少人数ではジェズスのパワーに太刀打ちできず失点を重ねる格好に。

以降、リードを保つ事を重視する長崎により、この傾向は留まる所を知らず。
つまりは愛媛が長崎のカウンターの恐怖に晒されながらも、人数を掛けて何とか崩さんと攻め続けるという試合展開に。
サイドバックは、前半何度か見られていた「偽SB」の動きを、両サイドとも取り入れて目線を変えての崩しが試みられ。
それは2点差を跳ね返さなければいけないという開き直りか、ないしは2CB+ユイェチャンを中に絞らせてカウンターに備えるというリスク管理の思惑か。

後方待機するユイェチャンにより、3枚の最終ラインでの繋ぎが図られるビルドアップ。
これによりドイスボランチが、長崎2トップの背後で受ける状況が増え、そこからの前進に精を出す愛媛。
谷本・深澤の2人での組み立てに、石浦が係る事でトライアングルを形成してのパスワークと、本来の持ち味を発揮して攻撃権を確保します。

カウンター狙いへ移ったものの、押し込まれる流れとなった長崎。
先んじてベンチが動いたのが18分で、安部・笠柳→山田・松澤へと2枚替え。
安部よりも守備力の高い(と思われる)山田を投入する事で中盤の底を固めに掛かり。

しかしそれを見た愛媛は、石浦が降り気味にパスを受ける事で、下がり気味となった山田・秋野により出来たスペースを容易に突けるようになり。
1アンカー+2シャドーへと変形する深澤・谷本・石浦の3人により、そのスペースをふんだんに利用し執拗に中央からの崩しが図られます。
20分にターゲットとなるダンカンを退けた(藤原と交代、同時に曽根田→曽田へと交代)事で、地上で繋ぐ覚悟が据わったのも後押しし。

次々に縦パスで長崎ディフェンスの間を通し、チャンスエリアを突き続ける愛媛。
迎えた27分、ここも中央から森下を起点として縦パス攻勢、深澤→谷本→石浦と渡りエリア内を突き。
そして左寄りから放たれた石浦のシュートがゴールに突き刺さり。
理想形を貫き通した得点で、1点差に詰め寄ります。

勢いに乗る愛媛、尚も29分に再び森下縦パス→谷本前進からミドルパスと類似したパターンで中央から崩し。
受けた藤原がエリア内に進入してシュートするも、ここはジャストミートせずGK若原に抑えられ。

しかし怒涛の攻勢も、裏を返せば弱点を隠すものに他ならず。
直後の30分、自陣で山田がパスカットしたこぼれ球をジェズスが拾うと、またも襲い掛かるカウンター。
ドリブルで引き付けた末のスルーパスと、先程と同様の攻撃で完全に崩され、走り込んだ松澤のシュートでゴールネットが揺れ。
どうしてもジェズスを止められず、またも2点差とされてしまいました。
キックオフの前に、リードを広げた長崎はギリェルメ・名倉→中村・エジガルへと2枚替え。(ジェズスがインサイドハーフに回る)

まだやれるという姿勢を見せたい愛媛、33分に期待の若手である行友を投入(窪田と交代)し、その肥やしにせんとします。
その行友は、強度の高い長崎相手故に自慢の突破力は中々見せられずも、組み立てにしっかり加わる事でアピール。
37分に降りて谷本の縦パスをポストプレイで繋いだのちの前進を経て、谷本のミドルパスを左ポケットで受けた石浦がクロス。
グラウンダーでGKとDFの間を突き、足から跳び込んだ藤原は合わせられずも、逆サイドで繋いだ末に曽田がシュート(GK若原)と攻め切り。
苦しい点差となっても、諦めずに攻撃サッカーを貫きます。

しかしその攻勢も、何度目かの長崎のカウンター炸裂により吹き飛ばされ。
41分に愛媛はCKから何度も攻め直しを図るも、エジガルがパスカットからドリブルに入ると、これを止められずにまたもスルーパスを通され。
今度はジェズスが受けに回った結果GKと一対一が出来上がり、徳重を冷静に右へとかわした末にゴールへと蹴り込んだジェズス。
とどめとなる5点目で、勝利をほぼ確定させるに至ります。

尚も諦めずに攻撃を続ける愛媛ですが、守備意識を高めた長崎の前に、ミドルシュートを打ち続ける以外にフィニッシュの術は無くなり。(長崎は45分に増山→櫛引へと交代、米田が右に回り櫛引が左SBに)
自動昇格への夢を繋がんとする長崎を、阻めずに終わる事となりました。

5-2のまま、試合終了の笛が鳴り響き。
11戦未勝利で終える事となってしまった愛媛、シーズン後にはFWの中心だった松田が契約満了になるなど、新たなサッカーの模索に必死な姿勢を早くも見せ。
血の入れ替えにより、来季はこの不振ぶりを払拭してスタート出来るかどうか。

一方ミッションを完遂した長崎ですが、ほぼ同時に試合終了となった横浜FCが引き分けに終わり。
その結果横浜FCが2位を確定させた事で、残念ながら悲願の自動昇格には届かずとなりました。
勝ち点差1という僅差で、「あの時こうしていれば……」という思いに駆られ易くもなるでしょうが、それでもPOが3週間後に控え。
3位故に常時ホーム開催なのが強みなので、開場とともに常勝伝説を築いた新スタジアム(PEACE STADIUM Connected by SoftBank)の下、挑戦者を振り払い昇格に辿り着けるでしょうか。

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