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DAZN観戦 2024年J2リーグ第38節 栃木SCvs徳島ヴォルティス

2024-11-22 18:08:37 | サッカー視聴記(J2)

※前回の栃木の記事はこちら(37節・横浜FC戦、0-0)
※前回の徳島の記事はこちら(36節・群馬戦、2-0)
※前回の両クラブの対戦はこちら(15節、徳島 1-0 栃木)

<栃木スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 玄は徳島からのレンタル選手なため出場不可。
  • ユース上がりの新人・揚石が初出場・初スタメンと大抜擢。

<徳島スタメン>

  • 強化部長の谷池洋平氏の退任が決定。(なおシーズン終了後に、来季栃木の強化部長への就任が決まる)
  • 前節HTで交代したエウシーニョ、交代出場で負傷交代した柳澤がともにベンチ外。

泣いても笑っても最終節。
既に目標が無くなっているクラブは、将来の見通しを立てる場でもあり。

J3降格が決まっている状態で迎えた栃木も例外では無く。
ホーム最終戦という要素も兼ね、クラブとしてはどうセレモニーを凌ぐか来季への道筋を作るか考えている真っ只中。
そんな中で、玄・南野といったレンタル選手をスタメンから外し、ユース上がりの揚石を抜擢。
と書いたものの福島・石田・山本もレンタル選手であり、どれだけ彼らを主軸としていたかが伺えるものですが、J2内でも脆弱なクラブ規模故に仕方無い。
そういった編成面での邪推を、(表面上)考えさせない屈強なクラブに成り得る事は果たせるかどうか。

前半2分に徳島の高田颯の突破に対しディフェンスに入った大谷が、コンタクトレンズの異常のためピッチ外で調整というアクシデントが発生して幕を開けた試合。
その間に徳島のコーナーキックを浴びるという具合に、この日も受け身を強いられる予感がありありな入りに。

それを跳ね除けるべく、ロングパス攻勢+ハイプレスで徳島のポゼッションサッカーをぶち壊しに掛かり。
5分に右から石田がロングスロー、ニアで誰も触れずにバウンドと紛れが起き、クリアが小さくなった所を福島がシュート。
味方の山本に当たって跳ね返り、エリア外へこぼれた所を揚石がミドルシュート(枠外)と、相手が混乱しているうちに決めたい流れへと突入し。
9分にはプレスを嵌め、敵陣で矢野がレイオフをカットして攻撃スタート、細かな繋ぎを経て山本が左ポケットへ切り込み。
しかしカットインを図るもシュートは打てず、戻しから左奥への切り込みを経て、福森のグラウンダーのクロスをニアで受け直した山本。
満を持してシュートが放たれるも、カイケのブロックで決められず。

意気揚々と攻めたものの、出来たのはフィニッシュを重ねるも得点できずという流れ。
すると持ち込んだCKから徳島のカウンター(クリアミスも絡み右奥まで運ぶも撃てず)と、現実は非情である、と言いたくなる絵図に。
その後もロングボールとハイプレスの二段構えは崩さずも、段々と対処され始め。
16分に攻撃を断ち切った徳島ですが、右サイド深めからのスタートとなり永木がゲーゲンプレスを浴びながらボールキープ。
そして送ったフィードはブロックされるも、こぼれ球をブラウンノア→渡と1タッチで繋ぎ、渡井が逆サイドに展開して脱出成功と保持に長けたチームの面目躍如。(その後高田颯が溜めを作りながら前進ののち、遠目からカイケがシュートもGK丹野キャッチ)

この日の徳島のポゼッションは、エウシーニョ不在なためか栃木のプレッシングに屈する場面も多々見られ。
それでも、栃木の前線五角形の中で動き回る渡井を軸にけん制しつつ、ボールを繋いでいく姿にブレは無く。

部分的にも流れを得ているうちに得点したい栃木、17分に徳島のプレスにより蹴らされたロングパスでしたが、跳ね返りを矢野が拾って攻撃に繋げ。
そして山本が左ハーフレーンをドリブル、カイケのスライディングをかわして再び左ポケットへ進入という絶好機を迎えます。
しかし放たれたシュートはGK田中が脚でセーブと防がれ。

尚も先制点に向かって前向きな姿勢を続けたものの、以降それが空回り。
それにより被害を浴びたのが徳島・児玉で、幾度も栃木のアフターチャージを受けて倒れ込む場面が作られ、試合の流れもブツ切りとなり。

それでも球際で突っ込む事を止めなかった栃木、38分に何度目かの児玉が倒される場面になると、流石にここで(揚石に)警告が突き出され。
それ以前の30分には、徳島のビルドアップに対抗するという流れの中で、中央→左→中央→右へと揺さぶる徳島のパスワークを嵌められず。
例によって渡井のポジショニングで脱出された上に、すかさず送られた永木の裏へのロングパスを受けたブラウンノア。
これをラファエルが腕で前進を阻止という絵図になり、吹かれる反則の笛。
良く言えば反則も厭わず、悪く言えば反則紛いでしか止められないという流れに突入した感がありました。

中々渡井の動きを捕まえられない栃木、42分には前線3人が中央寄りとなり、五角形を極限まで小さくする姿勢で対抗せんとします。
しかしここも、ワイドに開いた渡井から通されて左右を揺さぶられる(最後は児玉を矢野が反則で止める)という具合に、どうしても相手に上回られ。

それでも前半はスコアレスで終了となり、(ともにハーフタイムでの交代は無く)後半を迎え。
今シーズンも残り45分で終了と、感慨深くなるのは必至な最終戦。

あくまでそのスタイルを貫く他無い栃木。(とはいっても、これまで通り地上での繋ぎを交えるなど完全なパワーサッカーでは無い事を付け加えておく)
早々の後半1分に、ロングパスを収めにいった矢野が(鹿沼に)反則を受けた事でフリーキックに持ち込み。
右ワイド遠目から放り込まれたクロスボールに、ファーサイドで走り込んだラファエルが足下で合わせシュート(枠外)と、劣勢を挽回するのはセットプレーという定番の立ち回り。
しかしこれにより主導権を奪い、攻め続ける栃木。
10分に再びセットプレー、今度は裏抜けする矢野が森昂に腕で阻止されるという具合に、栃木の圧力を受け続ける事で次第に徳島サイドも反則で止める流れが浸入してきてしまったでしょうか。
これで得た右ハーフレーンからのFK、揚石のフェイクを交えて上げられた福森のクロスが、先程と同様にファーサイドのラファエルの下へ。
今度はヘディングシュートで、GK田中がセーブしたこぼれ球を山本がすかさずシュートしますが、ゴールバーを直撃。
それと同時に(ラファエルの)オフサイドを告げる笛と、無効だったものの冷や汗ものの一幕が生まれました。

一方、開始から約10分押されっぱなしを強いられた徳島、この直後に高田颯→杉森へと交代。
それでも栃木の猛攻は続きましたが、13分にそれを断ち切ると(交錯で痛んだ永木を尻目に)カイケの持ち運びを経て右ワイドで受けたブラウンノアが猛然とドリブル。
そのまま奥まで切り込んで上がったクロスは、精度を欠いたもののそれが逆にゴールに向かってポストを直撃するボールとなり。
栃木がホッとしたのもつかの間更なる乱戦と化すボックス内、拾った児玉の決定的なラストパスを経て渡がシュート。
GK丹野がセーブするも、尚もゴールへ弧を描いて向かったボールを間一髪福島がクリア、しかしさらに渡が追撃。
これもライン寸前で大谷がブロックと、必死に凌ぐ栃木ディフェンスですが徳島もこぼれ球をブラウンノアが折り返して継続が図られ。
そして確保したブラウンノアの戻しを経て児玉がミドルシュート、この4度目のフィニッシュも右ゴールポストを直撃と、「惜しい」という言葉すら生温い一連の決定機。

結果的に絶好の先制機を逃した徳島、おまけにこの興奮のるつぼという最中にも起き上がれなかった永木と、被害もついて回る格好に。
この際は何とか継続した永木でしたが、結局18分に限界を迎えて再度倒れ込み、交代の運びとなり。
石尾が同ポジションで投入されました。(同時に渡→村上へと交代)

アクシデントが絡んだ事で、勢いは消沈気味となる徳島。
そこに襲い掛かる栃木のハイプレスと、再び前半立ち上がりの流れが蘇り。
24分に右ハーフレーン・エリアからすぐ手前という位置で小堀がカットに成功した栃木。
すかさず拾った石田がワイドからクロス、クリアが小さくなった所を小堀が拾い、エリア内からシュート。
しかしゴール左へ外れと、ショートカウンターをモノに出来ないという流れは、「ストーミング」スタイルを貫いていた2020年前後を思い出させるものでもありました。
その後も徳島最終ラインに繋がせず、カイケに詰めた山本がCKを奪う(27分)など冴え渡ったプレッシングですが、得点という成果のみは挙げられません。
29分に栃木ベンチも動き始め、揚石→大森へと交代。

栃木が動いた影響か、流れも落ち着き気味となり。
再び徳島がボール保持から敵陣に攻め入る状況が生まれたものの、それを定着させる事はできず。
膠着状態を象徴するように、35分に両ベンチ同時に動く運びとなり、徳島が渡井・ブラウンノア→杉本・坪井へと2枚替え。(坪井の1トップで、村上が右シャドーに回る)
栃木が福森・矢野→川名・大島へと2枚替え。

栃木は大島の1トップ、しかもそこにロングボールを送るという機能しない立ち回りをしてしまったため勢いは失われ。
一方の徳島も5人交代により新たな構築をしなければならない状況で、中々波に乗れず。
その道中で、度々栃木の圧を受けていたカイケのダメージを考慮したでしょうか、石尾とカイケの位置を入れ替え。
それに伴い4バックへ切り替え(カイケが右サイドバック・青木が左SB)と布陣変更、杉本トップ下の4-2-3-1へとシフトし、アンバランスぶりの改善に努めます。

栃木も41分に最後の交代、福島・石田→高嶋・森俊へと2枚替え。
お互いベンチも手を尽くしたという終盤、全てさらけ出したかのように素手での殴り合いへと移行します。

栃木はここから、川名がドリブルで縦横無尽に切り裂いて好機を生み出す攻撃法が炸裂。
44分に山本が鹿沼に倒されるも拾ってアドバンテージになると、エリア内へ送ったスルーパスが遮断されるも、自ら拾い直しそのまま左奥へ切り込む川名。
そしてカットインで左ポケットを突くと、さらにマイナス方向へ切り込んだ末にシュート(GK田中キャッチ)と、勢いをチームに持ち込み。
対する徳島は、トップ下システムに相応しく中央をパスワークで突破を図り、栃木ディフェンスを中央に寄せた所にスルーパスでサイドを突くという攻撃法。

しかし疲労困憊という終盤戦で、脅威となりうる川名の突破力を得た栃木が勝る格好に。
アディショナルタイムにも、CKからの二次攻撃で今度は右から切り込む川名。
例によってカットインで取ったポケットから、ループ気味のシュートでゴールを狙いますがこれもGK田中にキャッチされ。
再三徳島ディフェンスを脅かすも、結局最後まで得点は得られず、ホーム最終戦を飾る事はなりませんでした。

0-0で引き分けとなった試合。
どちらもこれ以上の順位の浮上はあり得ない状況なため、徳島は8位・栃木は18位でフィニッシュとなりました。

当然これで終了となった今シーズン。
徳島は、既に柿谷が契約満了で退団となっているなど来季に向けた走り出しに努める最中であり。
一方の栃木は、終了後に小林伸二監督の来季続投が発表され。
個人的には責任を取って退任、という流れにこのままなってしまうのではないかと予想していたため、これは朗報という他無いでしょう。
やはり昇格請負人は昇格を目指す方がしっくりくる、と言える戦いに来季は持ち込む事ができるでしょうか。

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