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TV観戦 天皇杯 第104回全日本サッカー選手権大会決勝 ガンバ大阪vsヴィッセル神戸

2024-11-25 16:00:55 | サッカー視聴記(その他)

<両軍スタメン>

  • コイントスでコートチェンジ。

前回の天皇杯の記事 -準決勝・神戸vs京都(2-1)

リーグ戦では、ともに上位に位置するクラブ同士の対決となった決勝戦。
最大の下克上といわれた2年前(甲府vs広島)、低迷期に入ったクラブ同士の前年(川崎vs柏)とは、一味も二味も違った内容になる。
そんな、タイトル以外の期待感を持っての視聴となりました。

それでも、自分たちの形に持っていくための、根底の部分で球際の争いが求められるのが真剣勝負の場であり。
前半2分、中盤でのボール争いから倉田が抜け出しドリブルに入った所、井出に倒されて反則。
この遠目からのフリーキックではや放り込みを選択するガンバ、早期に相手にプレッシャーを与える事を選択。
キッカー鈴木がエリア内へ送ったボールを、日差しを気にして帽子を着用するGK前川がパンチングで掻き出すも、尚も確保して再度山下が放り込み。
これを左ポケットで合わせて収めた福岡がそのままラフに高いクロスと、徹底してエリア内で浮き球勝負を挑み。(結局シュートは打てず)
対する神戸も、6分に左スローインで初瀬がロングスローと、たとえ上位同士でも原始的なぶつかり合いが目立つ運びとなった立ち上がり。

しかしこうした立ち回りも、オープンな展開を避け、かつスムーズに本来のスタイルへ移行するための布石の感があり。
9分のガンバ、敵陣でポゼッションに入ると右→中央→左と半円状にサイドを振る定型のパスワークを経て前進して左奥を取り。
神戸サイドも守備を固める中ここからのクロスにしても、奥からか戻して手前からかの選択肢がある場面で、後者を選択して上げられた山田康のクロス。
充分な溜めを経たため、これに合わせたのは後方からボックス内に上がったダワンと、神戸の裏を掻くフィニッシュとなります。
GK前川がこれを何とかセーブ、右にこぼれたボールを山下が折り返し、再度シュートに持っていきましたが(山下が)オフサイドで途切れ。

まず有効打を放ったガンバが、主導権を握るかのようにその後ボール保持の色を強め。
敵陣への進入から、先程と同様に後方に戻して半円状でのパスワークという流れでのサイドアタックを繰り広げ。
16分にその攻めで得た右コーナーキックから、クリアが小さくなった所を山田康のボレーシュートが襲い掛かるも、ゴール左へ際どく外れ。

一方神戸は後れを取った事で、そんなガンバの好循環を折る作業が求められ。
19分にGK前川からのボール保持で、前川がガンバ2トップの間を通すパスでいなす事に成功。
左サイドで溜めを作った大迫から、こちらも最後方で半円状に繋いでサイドを変えた末に、武藤のアーリークロス気味のスルーパスに足から跳び込む宮代。
GKの手前で掠るように合わせるという、際どいフィニッシュになりましたが一森が何とかセーブしてCKと、劣勢ななかで放った一撃。
これで勢いに乗った神戸は本来のハイプレスが冴え始め、21分にはガンバの最後方でのボール保持に詰め、GK一森のフィードを大迫がブロック。
こぼれ球を確保し、左ポケットへ切り込んだ宮代がクロス(シュートには繋がらず)と、チームの長所による好機も齎されました。

今度はガンバが我慢を強いられる時となりますが、ポゼッションが乱れ始めた事で落ち着く時間は無くなり。
神戸はロングボール主体の攻撃ながら、そのクリアボールを悉く確保されるため相手の攻撃機会の減少もままならずと、本来の姿から徐々にかけ離れた状態に。

狙い通りにペースを確保した神戸は、逆に1点が欲しい時間帯に。
32分にガンバの左スローインを酒井が跳ね返してからの繋ぎで好機を迎え、短い縦パス→レイオフの繰り返しでフィニッシュの隙を探し。
そして右ポケットから大迫が低いクロスを選択すると、中央の宮代の前でクリアされたボールをファーで武藤が拾いシュート。
半田がブロックするも尚も確保、左からクロス→クリアののち右サイド奥へと切り込んで酒井が今度は高いクロスを入れ、ヘッドで合わせたのはまたも武藤。(枠外)
リーグ戦で連覇を狙うクラブに相応しい、前線のクオリティが徐々に発揮されていき。
43分、ロングボールを回収したガンバに対するゲーゲンプレスで奪取に成功、右サイドで確保した武藤からのサイドチェンジで、左で受けた初瀬が奥へ切り込んでクロス。
ファーサイドで宮代が合わせる(ジャストミートせず枠外)という具合に、3トップの誰が絡んでもゴールの匂いが漂う状況に。

対するガンバは耐える時間帯ながら、45分に持ち込んだ(初瀬のクロスをブロックしたのちの)カウンターでは、山下の単騎突撃に賭けるという手段しか無く。
山下はその期待に応え自陣から一気に右ポケットまで切り込むも、結局トゥーレルのディフェンスで撃てずに終わるなど、やはり苦しさを拭い去れない攻めを余儀なくされます。

結局スコアレスのまま前半終了。
内容的には、ベストメンバーに近い神戸と、宇佐美を欠くガンバという差異が表れた感のある展開に。
駒落ちを余儀なくされたガンバが何処で仕掛けるか。
ないしはこのまま我慢を続けて延長戦を視野に入れた、粘り強い戦いを繰り広げるのかという点が注目される、後半戦の開始を迎え。

再び遠目からのFKで放り込みを選択(後半3分)と、前半のリプレイのような入りをするガンバ。
セーフティに努めていたものの、4分にそのロングボールを初瀬が跳ね返すと、これが最終ラインの裏ならびにボックス内を突くボールに。
そこに走り込む大迫の前で何とか中谷がヘッドでバックパスと、神戸の圧力の前に一手の間違いも許されないプレッシャーに苛まれます。

それ故にダニエル・ポヤトス監督も、流れを変えて仕掛ける選択を採ったでしょうか。
9分という早い段階で、アタッカーの色が強いウェルトンの投入に踏み切り。(倉田と交代)
つまりは我慢を続けるのは分が悪く、試合を動かして先制点に辿り着かんという采配。(個人の推測です)

11分に神戸のCKからカウンターに持ち込んだガンバ、そのウェルトンが左サイドを独力で突破。
それは酒井を猛スピードで追い抜き、さらにスライディングを振りきるほどであり、奥を突いたのちの中央への戻しを経てダワンのミドルシュート(GK前川セーブ)とやりきったガンバ。
この強烈な矛を軸とし、ベンチの思惑を果たさんとするピッチ上のイレブン。

13分、今度はGK一森のロングフィードに入れ替わる形で突破に入ったウェルトン。
しかし付いていった酒井が今度は防ぎ(こぼれてCKに)、二度はやらせないという名選手の面目を果たし。
これにより、新たな敵兵の存在に脅かされた格好の神戸もすぐさまファイティングポーズを取り直します。
直後の14分に井出→佐々木へと交代した神戸ベンチ。
宮代が井出の居たインサイドハーフにシフトと、采配でも手を打ち。

再び、ガンバの好循環を挫いて徐々にこちらのペースに持ち込む展開へ突入した神戸。
16分には敵陣深め右サイドでのボール争いで、ガンバが追い込まれるという形でゴールラインを割りCKを獲得。
その絵図はそんな流れ、並びに試合全体での優劣を決定付けるものでありました。

そして19分、後半は帽子を脱いだGK前川の佐々木を目掛けたロングフィードから、セカンドボールを確保するという定番の流れから好機。
跳ね返しに入った中谷の裏を素早く突き、大迫のスルーパスで左ポケットを取った末に入れられた武藤のクロス。
これが(GK一森が前に出たのもあり)シュートともとれる低く鋭い弾道で入ると、クリアに入った福岡は体に当てるのが精一杯となり、目の前にこぼれたボールをすかさず宮代が詰めてシュート。
最後は前線3人(佐々木も加えて4人か?)の連係という、神戸の象徴のようなフィニッシュでついに先制点に辿り着きました。

反撃に掛かりたいガンバですが、ウェルトンの能力も突破口とならない以上、手詰まり感が強くなり。
下手にボール保持の能力が高い故に、ボールを持たされる展開に陥り同点への機運は高まらず。
それを変えるべく、27分に再度ベンチが動き。
山下と山田康に代え、ファン・アラーノとイッサム・ジェバリを投入。
同時に助っ人2枚を入れ、神戸同様前線のクオリティでどうにかしたいとい布陣に。(坂本がトップ下に降り、ウェルトンが右に回る)

29分、左奥からのスローインで直接ポケットを取りにいくガンバ、こぼれ球を拾った坂本の切り込みでCKへ辿り着き。
ここから二次攻撃を仕掛け続け、クロス攻勢の末に右サイドから仕掛け、アラーノが右ポケットへ切り込んでのクロス。
これをニアでフリーになっていたダワンがヘディングシュートと、何度も仕掛けて出来た隙を綺麗に突けたものの、フィニッシュはゴール右へ僅かに外れ。
悔やまれる決定機逸に、ダワンもすぐさま頭を抱えてしまう程であり。

この直後に神戸も2枚替え、初瀬と宮代に代えて本多とジェアン・パトリッキを投入。
冷や汗を掻いたものの、以降は自身の流れを取り戻して冷静に時間を進めていけば良いという流れに。
すぐさまゴールキックでの再開からロングフィード→大迫フリックという定番の流れで好機を迎え、佐々木がパトリッキとの1タッチでのパス交換を経てシュートに持ち込み(半田がブロックしてCKに)、それが果たされます。
その後もガンバの攻撃を断ち切ったのち、GK前川ロングフィード→ターゲットがフリックorクリアボールを拾うという、準決勝でも存分に見られたロングボールの確保する力を見せ付け。
これだけ真価を発揮できれば、ガンバが掲げる「ポゼッションを攻撃・守備双方で有効利用」という基本方針も、何とも空虚に感じさせられてしまうものであり。

既に相手の手段ならびに心を折る事に成功と、勝利への条件は十中八九手にした感のある神戸。
しかし最後の交代を敢行するという所で、武藤が足を攣らせる仕草を見せ。
これにより大迫を退かせる選択をしていたベンチは一瞬迷い、武藤の続行可能というサインを受けて思い直し。
38分に大迫→山口へ交代と、若干の混乱もそれを最小限にせんとする立ち回り。
それでも諦めないガンバは隙を突きに掛かり、直後またも遠目でのFKによる放り込みから、中央で空中戦に持ち込んだ末にファールトラブルが。
アラーノとパトリッキが空中戦で交錯して両者倒れ込むと、パトリッキが腕を入れたという判定で反則並びに警告を受ける事態、さらに絶好の直接FKを与えてしまう状況に。
この中央からのキック、直接シュートを放ったのはジェバリで、空いた壁の間を通さんとするも掠めた末にGK前川がキャッチ。

折角貰った好機もモノに出来ずの格好に、落胆する暇も無いガンバ、最後は中谷を前線に上げるパワープレイ。
その姿勢を見せた直後の44分に最後の交代を敢行(黒川・鈴木→岸本・美藤、半田が左に回る)と、準決勝(マリノス戦、延長3-2)の再現を狙いにいきます。

パワープレイと言っても、例によって神戸のゴールキックの際は、センターバックとして跳ね返しに入り。
そしてマイボールになるや最前線に上がる、今季の中心である中谷の存在感を象徴するような攻守双方で中心として働くという姿勢。
突入したアディショナルタイム、FKとCKに1度ずつ持ち込み、中谷に向けてボールを放り込むガンバ。
しかし得点どころかフィニッシュにも辿り着けずと、やはり付け焼刃の感は拭えません。

そして最終盤、GK前川ロングフィード→武藤収めで右サイド深めでボール確保に成功した神戸。
佐々木が反則を受けて途切れた所で、決着を告げる試合終了の笛が鳴り響きました。

5年ぶりの天皇杯制覇を果たした神戸。
前回は低迷期の中で、今回はリーグ優勝を狙う道中でのタイトル獲得と、その様相はまさに黄金期に突入したと言っても良い流れ。
今後は一昔前の川崎のような、秩序を発揮する事が出来るでしょうか。

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