※前回のヴェルディの記事はこちら(36節・秋田戦、0-2)
※前回の山形の記事はこちら(36節・横浜FC戦、2-0)
<前試合からの変更>
ヴェルディ=水曜に試合(31節・水戸戦、2-1)が挟まったのでそれを準拠。中2日と厳しい日程となったため大幅ターンオーバーを敢行し、その数9人。センターバックは山越・平の2人とも代え、ンドカ・ボニフェイスと谷口のコンビ。サイドバックも右が深澤→奈良輪・左が佐古→加藤蓮、ドイスボランチも西谷・稲見→加藤弘堅・森田、サイドハーフも右が宮本→バスケス・バイロン(30節以来の出場)、左が小池→梶川と双方変更が目立つ格好に。そしてFWの片割れが阪野→染野。変わらなかったのはGKマテウスとFW河村のみとなった。
山形=1人のみの変更で、アンダー代表参加の半田に代わり松本怜大、川井が左SB→右SBへと回って松本怜が左SBに入る。
残り5試合とラストスパートを掛けたいのはどのクラブも同じでしょうが、運営側もそれは同様であり。
ワールドカップが11月に控えているというイレギュラーな今季、台風が日本列島を襲う季節となり、例年以上に試合中止の恐怖に怯える状況。
そんな中でこの日の関東地方は豪雨の天候となりましたが、試合開催の手が緩む事は当然無く、最悪のピッチコンディションのなか試合が始められました。
水たまりでボールが止まるという事象が多発する中、ホームのヴェルディはアバウトにボールを前へ送る攻撃が中心。
そして相手のクリアもあり、多く得たスローインからクロスに持ち込んでいくというスタイルでペースを掴みにいきました。
一方の山形はピッチに苦戦を強いられながらも、ボールを繋ぐという姿勢を大きく崩す事は無く。
前半3分にはヴェルディのミスからチャンスを作りかけるも、ディサロ燦シルヴァーノのスルーパスが水で止まってしまい加藤大樹には繋がらず。
スタイルを変えない山形にとって難しい試合なのは明らかでしたが、5分に左からのスローイン、入れ替わって受けた加藤大が河合とのパス交換を経てエリア内左に切り込んでシュート。(ジャストミートせずGKマテウスキャッチ)
11分には左サイドからの攻めで、南の中央へのパスを藤田から國分→河合と連続してのヒールパスなど細かく繋ぎ、こぼれ球を拾った加藤大からスルーパス。
走り込んだディサロのグラウンダーでのクロスに國分が跳び込むも僅かに合わずと、普段のような崩しを見せる場面も散見されました。
しかし一向に止まない雨脚で、お互い攻撃機会も減っていき。
20分に山形・松本怜にアフターチャージしてしまったヴェルディ・バイロンが警告を貰った直後、雷鳴まで響く事態となったのを受けて試合中断が挟まれる事となりました。
そして再開の運びとなり、両チーム軽いウォームアップを経て21分から試合が動き始め。
一時間以上待った成果で雨は止んだものの、ピッチ上の水分は残った状態となりました。
24分山形のミスから敵陣での繋ぎ、加藤弘縦パス→河村ポストプレイ(2タッチ)→梶川ミドルシュートという流れるようなフィニッシュ。
GK後藤にセーブされ、こぼれ球を染野が詰めましたがこれも前に出た後藤にブロックで防がれ。
その後、ピッチを利用した止まるスルーパスを巧く繋げる場面があったヴェルディ(25分)に対し、山形はスローインをあろう事か松本怜が手が滑ってミスする一幕もあり。(26分・やり直し)
ピッチを味方につけたかのようにヴェルディが息を吹き返したブレイク明けとなりました。
しばしの休息が挟まれた事で、中2日のヴェルディにとっては却って良かったでしょうか。
中盤付近からのフリーキックでも放り込みを選択するなど、普段のサッカーからはかけ離れた振る舞いをするヴェルディですが、それが奏功したような試合展開に。
33分にはその中盤左からのFK、キッカー梶川は横パスして(加藤弘の)中央付近からの放り込みを選択、クリアされるも左サイドで尚も攻撃継続。
染野のスルーパスで左ポケットを突き、森田がシュート気味に中へ送るもGK後藤がキャッチ。
34分には奈良輪ロングパス→河村落としというロングボール攻勢から、右サイドでバイロンが仕掛けてエリア内右を突いてグラウンダーでクロス。
ニアサイドで河村が跳び込みましたが、ジャストミート出来ずGK後藤に抑えられ。
いつもとは違う攻撃でも、エリア内の脇を突く所まで進めていくヴェルディ。
山形が殆ど攻撃機会を得れなくなって迎えた終盤、エリア手前で浮き球を合わせにいった染野が山形・山﨑と競り合い、バランスを崩した所に山形・藤田に乗っかる形で倒れてしまい(山形の)反則の笛が鳴り。
後頭部を痛めたという事で治療の時間が長く取られ、そのままアディショナルタイムに入った所で直接FKの好機となったヴェルディ。
中央やや右という位置から、キッカー梶川は外から曲げてゴールを狙いましたが、惜しくもゴール上へと外れてしまい先制ならず。
結局前半はスコアレスで終える事となりました。
ブレイクがあった影響か、ハーフタイムでの交代は無く迎えた後半。
ピッチは整備も行われたのか、水たまりは殆ど無い状態で始まる事となりました。
しかし今度はそれにより、荒れ気味の芝が顔を出す事に。
山形は微調整を施したか、後半立ち上がりは浮き球のパスを使って何度か好機を作り。
後半3分には松本怜のミドルパスに走り込んだディサロ、トラップがエリア内にこぼれた所を拾い直し、シュートを放ちますがGKマテウスがキャッチ。
しかしコンディションが正常に近くなった事で、ヴェルディも最終ラインから繋いで前進するサッカーを見せ始め。
7分ゴールキック直後のパス回しから左サイドで前進していき、梶川のミドルパスで奥を取った染野からクロス、エリア外へ流れた所を拾ったバイロンがミドルシュート。
GK後藤にセーブされて左コーナーキックとなると、ショートコーナーを経て手前からのクロスを選択したヴェルディ。
森田のクロスをファーサイドでンドカが合わせ、ヘディングシュートがGK後藤のセーブを弾いてゴールラインを越えます。
副審の旗が上がった事でオフサイドかと疑ったものの、それはゴールラインのオーバーを告げるフラッグだったため安堵し、改めて喜びを露わにしたンドカ。
ペースを上げに掛かった山形でしたが、逆の結果を付けられてしまう事となり。
水が引いた事で冴え渡るかと思われたパスワークも、今度は荒れ気味の芝が襲い掛かる格好となったか乱れがちとなり、前線でパスが繋がらず好機も萎んでいきます。
11分にベンチが動き、河合と加藤大に代えてデラトーレとチアゴ・アウベスを投入してもその流れは変えられず。
17分に敵陣右サイドで川井がボール奪取し中央へ繋いだものの、ディサロのシュートはブロックに阻まれ。
好機となるのはタッチの少ない攻撃でしたが、その意識のズレが最後まで響いた格好だったでしょうか。
たまらず2度目の交代の準備をする山形ですが、同時にヴェルディも動き。
セットプレー(山形のFK)が挟まれた事でヴェルディが先に交代し、バイロン・加藤弘→佐藤凌我・稲見へと2枚替え。(21分・河村が右SHへ回る)
その後に山形が動き(22分)、ディサロ・國分→山田康太・樺山へと交代。
勝負手を早めに使った山形でしたが、守備意識を高めるヴェルディに対して普段の崩しは見られず。
26分に山田康のポストワークから右へ展開して前進、パスワークを経て中央へ流れたのちチアゴがエリア内左へラストパスを送るも、デラトーレには繋がらず。
執拗なポケットを突く姿勢もこの日は影を潜め、フィニッシュの機会は膨らまずに時間が過ぎていきます。(ヴェルディは27分に梶川・河村→深澤・小池に交代、加藤蓮が左SHに・奈良輪が左SBにそれぞれシフト)
それでも29分に決定機が訪れ、樺山の裏への浮き球パスでデラトーレが抜け出し、エリア内右を突いて中央へ横パス。
チアゴが中央で走り込むもヴェルディ・深澤のディフェンスに遭い、こぼれた所を後ろ向きのままヒールでシュートを狙ったチアゴでしたが、これも深澤がブロックして防がれ実りません。
最大のチャンスを逃してしまい、以降は殆どペースを握れずとなった山形。
35分にはヴェルディのCKからカウンターの好機を作るも、焦りからかチアゴが遠目からシュートを狙って(枠外)終わるなど、やりたい事が出来ずに苛立ちを隠せないというシーンも浮き彫りに。
前へのベクトルは強まるも、空回りといった状態の山形。
それを突くようにヴェルディは縦に速い攻めを中心に好機を作り、嫌なプレッシャーを与えていきます。
37分には中央で受けた佐藤凌がそのままドリブル、細かいタッチで山形ディフェンスをかわしていき、そのままエリア内左を突き。
放たれたシュートはブロックされるも、後方の薄い状況の相手を脅かすには十分すぎる個人技でした。
山形の最後の交代は38分で、松本怜→小西へと代え、川井が左SBに回って空いた右SBには藤田が回り。
前への意識が高い藤田を中心に右から圧力を掛けていく姿勢をとったものの、やはり流れは一向に良くならず。
逆にヴェルディは43分、エリア付近での細かい繋ぎを経て再び佐藤凌に好機が訪れ。
エリア内中央で受けた佐藤凌、ブロックをかわした末にシュートが放たれたものの、ふかしてしまい枠外に。
ゴール運無く終わってしまった佐藤凌と共に、ヴェルディの好機も打ち止めとなりました。
その後は最終ラインでヴェルディのプレッシングをかわして好機を作るなど、最終盤でようやくらしさを発揮し始める山形。
45分には押し込んだ状態で中央から野田が縦パス、受けた山田康がエリア内を浮き球パスで突き、戻しを経てシュートを放ちにいった山田康。
しかしジャストミート出来ずと、悪い流れは最後まで付き纏う、といったシーンとなりました。
そのまま迎えたATでは、フィニッシュを放てないまま次第に攻め手を失い。
最後はヴェルディの攻撃の時間となってタイムアップとなりました。
ようやく7連戦が過ぎ去り、連勝で終えた事で安堵となったヴェルディ。
流れの悪い連戦でしたが、この日は逆に幸運も絡んでの結果となり。
理不尽さに刹那的に抗う(秋田戦の杉本負傷のシーンなど)事はあれど、長期的に見れば「塞翁が馬」という格言の通りでしょうか。
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