※前回の千葉の記事はこちら(19節・水戸戦、2-1)
※前回の大宮の記事はこちら(順延15節・岩手戦、0-1)
<前節からの変更>
千葉=4-4-2を継続し、2人を変更。右サイドバック=福満→西久保、FWの一角=チアゴ・デ・レオンソ→櫻川ソロモン。ベンチには4試合ぶりに高木が復帰したものの、2種登録の矢口が入るなど依然として離脱者の多さが浮き彫りとなる状態。
大宮=1人のみの変更だが、右サイドハーフが武田→矢島慎也で、矢島慎の左SHに泉澤とポジション変更も絡む。泉澤は故障から復帰後初のスタメンで、もちろん今季初。
故障離脱者が膨らみ、フォーメーション変更も余儀なくされる等厳しくなってきた千葉。
尹晶煥(ユンジョンファン)監督も気に病んでいるのか、試合前インタビューでレオンソのベンチ外を「トレーニング中の故障」とあっさり公言してしまう程であり。
ブワニカ啓太の飛躍など嬉しい誤算も絡み好調ですが、その流れが止まった時が怖いという状況でしょうか。
この日の相手は大宮で、同じ関東、それもクラブのポテンシャルの高さ(大宮の方は最近縮小傾向ですが)を生かせていない者同士の戦い。
ロングボール主体の攻撃へと傾倒し、それ故にフォーメーションも横方向に圧縮気味と、この日4戦目となる相馬直樹監督の色が表れつつある大宮。
それに対し千葉も付き合う構えで、相手の球際の激しさを逆手に取って反則・フリーキックを得ると、中盤辺りの位置でも放り込みを選択。
それによりお互いアバウトな立ち上がりという印象を植え付けるに至り。
それでもファーストシュートは流れの中から千葉が放ち、前半8分に右→左のサイドチェンジから秋山の低いクロスに櫻川が合わせたもの。(GK志村キャッチ)
続く9分にもチャンミンギュ縦パス→ブワニカポストプレイを経て、風間がドリブルに持ち込みペナルティアークからシュート。(GK志村キャッチ)
大宮も続く10分には右サイドのパスワークから、小島のエリア内右へのラストパスを菊地がシュート(ブロック)と、アバウトな展開といっても流れの中での攻撃がモノを言いそうな絵図を描きました。
残留争いの渦中にあるクラブらしく、ハードワークを前面に押し出す大宮。
その分展開力という面では後手に回っているようで、こうした流れになると千葉の方に軍配が上がり。
それでも16分に敵陣中央で菊地がボール奪取してから押し込む流れを作り、スローイン→左コーナーキックに持ち込み。
キッカー矢島慎はニアサイドにクロス、千葉のストーン(櫻川)に当たってファーに流れた所を茂木が折り返すと、新里がヘディングシュートをゴールに突き刺し。
自分の予想を見事に外す、セットプレーからの先制点を生み出した大宮。
ビハインドの千葉はボールポゼッションを高めての攻撃に傾倒しますが、こうなると大宮の激しい寄せに苦戦する……といった展開が予想され。
しかし大宮もそのサッカーを全面的に貫くには人材不足という状況で、以降は4-4-2のブロックでしっかり自陣に構えるスタイルへと移行。
悠々とボールを握れる千葉が、どう崩していくかが焦点となりました。
サイド奥へとボールを運んでも、キッチリ数的同数で突いてくる大宮ディフェンスに対して中々クロスを上げられず。
よってアーリークロスを多く見せつつ、サイドチェンジを絡めて隙を作るという流れとなり。
そこから田口がミドルシュートを放ったり(26分・ブロック)、見木が左からカットインを仕掛けてゴールを伺うものの、大宮を完全に崩すには至りません。
一方の大宮は前掛かりとなる千葉の隙を突くように、ロングボール一本でひっくり返すという攻撃。
そこからセットプレーを得て追加点を狙うスタイルで、少ない機会ながらも千葉にプレッシャーを与えていきます。
CKでは先制点のシーン同様にファーサイドの茂木の折り返し狙い、FKではキッカーのフェイクを交えるなど、狙いはハッキリしていたものの得点は奪えず。
中々フィニッシュまで辿り着けず終盤を迎え、手前からのクロスの割合が多くなる千葉。
それでも櫻川・ブワニカというターゲット2枚が揃っている状態では一定の脅威となり。
迎えた44分、左サイドを前進したのちパスを繋ぎ、戻しを受けた見木がエリア手前からクロス。
これをファーサイドで櫻川がヘディングシュートを放ち、ネットを揺らし。
いくら中央を固めても圧倒的な高さの前には関係無い(それでも櫻川の外に2人が走り込んでいましたが)、というようなゴールで同点に追い付いた千葉。
そのまま1-1で前半を終えました。
共に交代無く後半を迎え、終了間際に追い付くという好循環を得た千葉がファーストチャンス。
後半2分にブワニカの右サイドでのボール奪取から、風間→見木と繋ぎながら中央に向かい前進、エリア内左でラストパスを受けた秋山がシュート。
ブロックされて持ち込んだ左CKからも、キッカー田口のクロスをニアでチャンミンギュが合わせ、フリック気味のヘディングシュートが放たれるも惜しくも左サイドネット。
対抗したい大宮は4分、押し込んだ後の相手の縦パスを新里がカット、小島がフリックした浮き球を菊地が遠目からボレーシュートにいくもクリアされ撃てず。
千葉と同様に敵陣でのボール奪取で流れを掴まんとしますが、その後は前半同様に千葉が主導権を握る展開となります。
しかし千葉も守備型のチーム故、こうした状況では「ボールを持たされる」という状態になりがち。
攻撃の時間が長くなるもモノに出来ず、悪く言えばダレてきた所にカウンターを喰らう、という負けパターンに持ち込まれるのは避けたい所であり。
その兆候が過ったのが12分で、西久保のロングスローの跳ね返りを新井一耀がミドルシュート。
これがブロックされて大宮のカウンターに繋げられ、奥抜が右サイドをドリブルで持ち運んだものの、茂木の手前からのアバウトなクロスに終わり。
ホッとしたのも束の間、14分には大宮の攻撃を切ったすぐ後に大山に敵陣でボールカットされ、菊地のポストプレイを挟んで大山がシュート(枠外)とゴールを脅かされます。
中盤では優位に立てているだけに、櫻川・ブワニカの2トップの動きがカギといった感じの千葉。
15分には右に開いたブワニカがパスワークに絡み、風間が前進して奥に進入してのクロスに繋がり。
ファーサイドで収めた見木の戻しから田口がミドルシュートを放つも、枠を捉えられず。
その後再び停滞するも、24分にはGK新井章太から右サイドで組み立て、櫻川のポストプレイを絡めて前進。
ダイレクトパスの連続で抜け出した櫻川がシュートを放つも、これも枠外に。
彼らがサイドに開いてプレーに関与する事でスムーズに前進を果たすも、ゴールは奪えません。
防戦が続く大宮の方が先に動き、26分に泉澤・矢島慎→高田・武田へと2枚替え。
突破力を見せたい泉澤でしたが、こうした試合展開で色を出すのは苦しかったでしょうか。
代わった左サイドから、その後高田がドリブルで持ち込むシーンも見られましたが、全体としての流れは変わらず。
一方27分には西久保のロングスローを直接櫻川が合わせる(枠外)など、高さでプレッシャーを与え続ける千葉。
それでも29分にはその櫻川が右サイド奥からクロスを入れるなど、中央かサイドかという択一を強いられているようでもあり。
一種の停滞感も覚える中、30分に2枚替えをした千葉。(風間・秋山→高木・福満)
36分には再度2枚替え、西久保・櫻川→矢口・佐久間へと交代します。
ピッチ上に若手の割合が増してきた千葉。
その隙を突きたい大宮(38分に奥抜・小野→河田・吉永へと交代)は、40分に千葉・熊谷アンドリューの縦パスをカットしてカウンターに持ち込み。
大山→武田→高田と経由して左サイド奥を突き、高田が上げたクロスをファーサイドで武田が合わせるも枠を捉えられず。
大宮の狙い通りか、被カウンターとの戦いも強いられる状況となってきた千葉。
その後は大宮に好機を作らせず、一方的な展開に持ち込み。(大宮は42分に菊地→富山に交代)
41分にはFKからの流れで、右からの高木のクロスがファーに流れた所を見木がシュートするも、チャンミンギュに当たってしまい跳ね返り。
そのボールを矢口がシュートしますが枠を捉えられず。
アディショナルタイムに突入し、FKを熊谷が素早くリスタート、右サイドで受けた矢口がドリブルで運んでそのままシュート。
しかしこれもGK志村がキャッチと、若手らしく思い切り良いプレーを見せる2種登録の矢口ですが、ゴールを奪う事は出来ず終わります。
ボール支配するも、好機を生み出すのはセットプレーから、という絵図を描く千葉。
その通りに最後もCKに持ち込みますが、そこから生まれたのは大宮のカウンター。
河田が持ち運び好機を作りますが、遠目からシュートを狙うもブロックに阻まれ終わり。
右でフリーで走り込んでいた富山のジェスチャーが空しく映る中、試合終了の笛が鳴り響きました。
いくら好機が全然無くフラストレーションが溜まっていたとはいえ、自ら撃ったのは下策という印象を受けた最後の河田。
これで2試合連続で引き分けとなった千葉。
(鈴木大輔の故障で)緊急的に4バックへとシフトした20節・仙台戦こそ勝利したものの、以降は本来のフォーメーションでは無い感が漂う展開を強いられ。
転落への瀬戸際も予感させる成績の変遷ですが、果たして再ブーストは掛けられるでしょうか。
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