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DAZN観戦 2021年J2リーグ第18節 水戸ホーリーホックvsSC相模原

2021-06-16 16:03:12 | サッカー視聴記(2021年J2)

※前回の水戸の記事はこちら(13節・栃木戦、1-1)
※前回の相模原の記事はこちら(14節・山口戦、0-1)

10連覇を目指している北関東ダービーでは、前節・群馬戦で痛恨の敗戦を喫し(1-2)、優勝に黄信号が灯ってしまった水戸。
7勝9敗1分と、敗戦が上回る成績でありながら、得失点差は+5というアンバランスぶりは健在。
得点力の高さは前年同様で、最近5試合は1勝3敗1分という成績ながら、唯一の勝利である16節・愛媛戦での5-0の大勝で得点を上積み。
ストライカーでありキャプテンの中山仁斗が離脱中でも、チームカラーは相変わらずといった感じで、この日もセンターフォワードの安藤瑞季がキャプテンマークを巻くという体制は変わらず挑みました。

対するは、そうした得点力が望めない相模原。
敗戦も込んで来た成績を受け、16節(山形戦・0-2)終了後に三浦文丈監督の解任という決断に踏み切り。
新たに就任したのが経験豊富な高木琢也氏という事で、残留を目指す方に針が振れたようであり、J2の最下位からの巻き返しを目指さんという現状。

それにしても相模原は今年が初のJ2という事もあり、2019年の鹿児島のように、例え降格しても経験を積むつもりで1年間を過ごすものだと勝手に思い込んでいました。(降格枠も倍の4つなので尚更)
その予想に反してフロントは断を下した訳ですが、現在の世界情勢故、例えカテゴリが上がった今季も経営的に収益を伸ばす事は困難と思われる状況。
そんな中で違約金が生じる解任を行ったうえ、それなりに費用が掛かるであろう実績ある監督の招聘という手段を取って、果たして財政面は大丈夫なのか。
などと不安点を挙げ連ねましたが、とりあえず望月重良氏の「清商人脈」に歯止めがかかったのは歓待すべき事象でしょうか。もう少し待てば清商繋がりでガンバとの交渉が決裂した大岩剛氏の就任があったかもね

3日前の天皇杯2回戦で、公式戦初勝利(相模原での)を挙げた高木氏率いるチーム。(北九州戦・1-0)
その上昇機運を活かすべく、得点を挙げた中山雄希をスタメンに組み込んできました。
堅守が第一である高木氏ですが、三浦文氏のサッカーとの違いは、前線からのプレスも取り入れる事でしょうか。
リトリート・ロングカウンターに偏重していた今までの手法を改め、果敢に相手のビルドアップを遮断しようと試み、ショートカウンター狙いも手段の一つに加えにいった新生・相模原。

しかしそれが実らないまま、早くも水戸の攻撃力に晒される事となり。
前半7分、ドイスボランチ(平野と木村)から左サイドでパスを繋ぐ姿勢を見せたのち、平野が一気に右サイド奥へとロングパスを送り。
走り込んで受けた村田からクロスが入ると、中央で森が合わせてボレーシュート、しかしゴールバーを直撃してしまいます。
その後もボランチを中心に形を作りつつ、長いパスを絡めてサイドを振る水戸の攻撃に苦難する相模原。
プレッシングに意識を振った影響が露わになった感じでしたが、フィニッシュは抑制して何とか無失点で凌ぎます。

そのプレッシングは、18分に敵陣深め左サイドでユーリがボール奪取するも、エリア内に進入した所で奪われ。
21分には最大のチャンス、同じく敵陣深め左サイドで石田が奪い、奥に切り込んだユーリからマイナスのクロス。
そして中山雄が合わせてシュート、枠を襲いますが水戸・住吉ジェラニレショーンに頭でブロックされてモノに出来ず。
機能はさせましたが、得点には結び付けられませんでした。

飲水タイム(26分)の後は、お互い好機を作れずに時間を消化していったのち、31分に相模原のフリーキック・32分に水戸のFK。(どちらもシュートには結び付かず)
セットプレーの交錯が起こったのち、主導権を握ったのは水戸。
サイドチェンジやスルーパスを絡めてのサイドを抉る攻撃で、相模原守備陣は何とかスローイン・コーナーキックに逃れるという場面が目立っていきます。

相模原が一向に攻撃機会を得れないという展開ながら、スコアレスで推移する試合。
この時間帯を結果に結び付けたい水戸、40分にその思いが実を結びます。
ここもボランチから左へ展開、鈴木の縦パスから組み立て、一旦遮断されるも奪い返して右へとサイドを移しての好機。
そして右サイド奥から松崎がクロスを入れ、ブロックされるも拾った村田からさらにクロス。
ファーサイドへと上がったボールを、後方から大崎が走り込んで合わせると、シュートは右サイドネットに強烈に突き刺さり。
右→左→右という対角線のようなボールの動きで、先制点を得た水戸。

ビハインドとなってしまった相模原、こうなると守備に奔走されるだけでは勝ち点を得る事は出来ません。
終盤には川上が最終ラインに降りたうえで、左右センターバックが開くという「ミハイロ・ペトロヴィッチ(現札幌監督)式」のようなビルドアップの形が見られましたが、その割には開いたCBの位置は低いまま。
リスクある形故、思い切って行えないといった感じでしょうか。
それでもアディショナルタイムには、川上の右→左へのサイドチェンジから、石田のクロスを中央で平松がヘディングシュート(GK牡川キャッチ)とフィニッシュに繋げ。

前半が1-0で折り返され、巻き返したい相模原は2枚替えを敢行。
石田・中山雄→夛田・安藤翼へと交代、星が右ウイングバック→左WBへとシフト。
ちなみに安藤翼は、水戸の安藤瑞の兄との事で、兄弟対決の様相となり後半を迎えました。

しかし後半が始まり、暫く好機が生まれない時間が続いたのち、水戸の攻勢となり。
前半の後半・第2クォーターと変わり映えしない展開となり、水戸の攻撃の内容もそれほど変わらず。
それでも相模原サイドはその攻撃を容易に許してしまうシーンが目立ち。

要因はプレッシングが巧くいかないので、構えて守る体勢を強いられ、簡単にビルドアップから前進されてしまうという点でしょうか。
CB・ボランチのボックス型で作る水戸の基本形に、1トップ+シャドー2人では数的不利で苦戦を余儀なくされ。
かといってシャドーが前に行けば、木村が最終ラインに降りるという変形も見せる等、奥深さを発揮する水戸の前にプレスに踏み切れず躊躇。

かといってリトリートに徹するというスタイルでは無く、退くかどうか選択を迫られている状況な中で迷っている風にも見受けられ。
そうこうしている内に、水戸はロングボールでひっくり返すという攻撃を見せ始めます。
後半15分の鈴木の左サイド裏へのロングパスは、繋がらなかったばかりか、鈴木自身が足を攣らせてしまうという事態に発展。
これで水戸は流れが止まるかと思いきや、直後の16分。
大崎のボール奪取から、拾った平野がすかさず裏へとロングパスを送ると、安藤瑞が抜け出してエリア内でフリーで受けるという絶好機に。
そして必死に戻って来た相模原・川崎とクンデのブロックを切り返しでかわし、中央からシュートを放つと、ボールは左ゴールポストの内側を掠めてゴールへ。
兄の目の前でゴールを決めた安藤瑞、これで2点差とした水戸。
直後に先程足を攣らせた鈴木と森に代え、三國スティビアエブスと山根を投入します。

尚も21分、松崎が山根を狙ったスルーパス(カットされる)と、裏狙いの意識を見せる水戸。
一発で失点危機を招く恐怖に晒されつつも、反撃体制を取らなければならない状況の相模原。
23分にはユーリがロングスロー。
その助走を取らず、股を大きく開いて投げ入れるフォームを見て、どんなに格好悪くても点を取らなければ始まらない事を再認識させます。(相模原は目下リーグ戦4試合無得点)

飲水タイムを挟んだ(24分)のち、平松・梅鉢→和田・稲本へと2枚替えを敢行した相模原。
以降ようやく全体のベクトルが前向きになったか、攻撃権を支配して得点を狙いにいきます。

28分右サイドのスローインから、ユーリが巧みなコントロールからマイナスのクロスを入れると、中央で安藤翼が合わせシュート。
兄の面目を見せるゴールか、と思われましたがGK牡川の右足のセーブに阻まれてしまい。
尚も稲本がミドルシュートを狙うも、これも牡川が横っ飛びでセーブ。
続く左からのスローインでも、投げ入れた星が戻しを受けると、カットインでエリア内へと切り込んでシュート。
しかしゴールバーを直撃と、思い切りの良い攻撃を見せながらも得点に繋がらず、現実の非情さを思い知らされる相模原。

その後もCK攻勢など、相模原の攻撃ターンが続く中、劣勢の水戸は32分に選手交代。
木村・松崎→平塚・後藤田へと2枚替えを敢行すると共に、3バック(3-4-2-1)へと変更を見せます。
3バックが右から村田・住吉・三國となり、右WBに後藤田・左WBに大崎で、ドイスボランチは平野と平塚という布陣。
守りを引き締める体制なのは明らかですが、直後の33分にエリア内で切り込むユーリを後藤田が倒してしまうという、冷や汗もののシーンが。(反則は無し)

尚も相模原の攻勢は続き、35分には水戸・安藤瑞が足を攣らせるなど、守勢が原因であろう被害も目立ち。
相模原は36分に最後の交代カードを使い、鎌田→藤本。
こちらもフォーメーション変更を伴い、3-4-2-1から4-4-2へとシフトしました。
その効果か直後の37分、ユーリのポストプレイを右サイドで受けた藤本(右サイドハーフに入る)がスルーパス、走り込んだユーリから低いクロス。
これを収めた安藤翼がシュートを放つも、ブロックに阻まれ。
フィニッシュに絡み続けた安藤翼でしたが、弟を見返す(?)ゴールは最後まで奪えませんでした。

以降も攻め上がる相模原ですが、ユーリへのロングボールが、悉く水戸のラインコントロールに嵌りオフサイドを取られ。
片翼を失ったような状況ながらも好機を作っていきましたが、今一歩及ばず。
結局2-0のまま水戸が逃げ切り、得失点差を2つ上積みする結果となりました。

以前のような引き籠り・カウンターに特化したサッカーとは違い、やりたい事は判り、伸びしろもままあると思われるこの日の相模原。
それでも時間は許してくれず、依然として勝ち点を積み上げられない現実。
フロントの手段としては夏の補強期間に賭ける、というような状況ですが、高木氏のチーム作りは実を結ぶでしょうか。
(尚、鳥栖から兒玉が育成型レンタルで加入したとの事)


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