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DAZN観戦 2021年J1リーグ第17節 大分トリニータvsアビスパ福岡

2021-06-02 16:20:23 | サッカー視聴記(2021年J1)

<大分スタメン> 3-4-2-1
GK ポープ・ウィリアム
RCB 坂 CCB エンリケ・トレヴィザン LCB 三竿
RWB 小出 DH 羽田 DH 下田 LWB 香川
IH 町田 IH 小林成豪
FW 長沢
<福岡スタメン> 4-4-2
GK 村上
RSB エミル・サロモンソン CB 奈良 CB 宮 LSB 輪湖
RSH 金森 DH 前 DH 田邊 LSH 杉本
FW ブルーノ・メンデス FW 渡

福岡がJ1に戻って来た事で、「バトルオブ九州」も盛り上がりを見せている……かどうかは現地民では無いので不明ですが、このカード自体は2018年以来。
しかもJ1の舞台でとなると、2006年という遠い時代にまで遡らなければならず。
「5年に一度」の周期でしかJ1に居れなかった福岡と、財政破綻で2010年以降汚泥に塗れる破目になった大分という両クラブ。
そんな苦難の背景が伺い知れるものの、ようやくJ1での対戦が実現したという事で、暗い過去は置いておき健闘を誓いあう体制に。

現状降格圏に沈んでいる大分の方が悲壮感は大きく、そのためか試合開始から積極的な入りを見せます。
果敢にデュエル・空中戦を展開し、その土俵では得意分野なはずの福岡相手にも一歩も退かず。
そしてボールを確保し、攻撃権を得ていく大分。

そんな姿勢が結果に結び付いたのが前半7分。
最終ラインから右へと展開され、小出のスルーパスに走り込んだ長沢がポストプレイで繋ぎ、拾った町田が裏街道で福岡・宮を抜いて低いクロス。
福岡・奈良に当たりファーサイドに流れたボールを香川が折り返すと、スペースに転がった所を長沢が走り込んでシュートを放ち、ネットを揺らし。
大分の気迫に押されたか、福岡ディフェンスの初動の遅れが印象に残った得点でしたが、勝ち点3へ向けて上々の立ち上がりを見せた大分。

その後福岡も反撃体制に入り、15分には相手クリアを金森がヘッドで繋ぎ、メンデスがエリア手前からシュート。(ブロック)
直後にはサロモンソンが大分・小林成にアフターチャージを受け反則(小林成に警告)、そのフリーキックでキッカー・サロモンソンのクロスから、ニアサイドでメンデスがヘディングシュート。(GKポープキャッチ)
21分にも、宮の裏へのロングパスをエリア内で受けたメンデスがシュート(ディレイでオフサイド)と、メンデスを中心にフィニッシュシーンを作っていきます。

立ち上がりこそ激しさが目立った大分ですが、一旦ボールを持つといつものように最後尾でのパス回しからのビルドアップ。
序盤は前回観た時のように、3バックをずらしての2センターバック化。
しかしこの日は小出が右ウイングバックで出場していたため、逆の左へとずれて三竿がサイドバック化し、エンリケ・坂が中央という形。
試合時間が経過し、20分頃に羽田が最終ラインに降りて「ミハイロ・ペトロヴィッチ(現札幌監督)式」の形を取り始めたものの、長くは続かず。
そして飲水タイム(24分)明けには、逆の右へとずれて坂が右SB化する形が見られましたが、その頃は既に福岡がボールを支配する展開になっており。

その飲水タイムが明けた直後、福岡は心臓である前が大分・羽田との競り合いで頭部から出血、治療を受ける事に。
この日の大分の激しさを象徴するようなシーンとなりましたが、これで福岡サイドも闘志が甦ってきたか、前の復帰後は一方的にボールを握って攻撃を展開します。

それでもボールポゼッションを重視しないチームである福岡、「ボールを持たされている」感は拭えず。
オーソドックスなボックス型の形から、時折ボランチの片割れが左に降りるのを混ぜつつボールを繋ぎますが、ボランチが降りる左サイドでの攻撃が圧倒的に多く。
右サイドにサロモンソンが控えているのが今季の福岡ですが、既にそこがストロングポイントと知れ渡っており、避けに走っていたのでしょうか。
「対策に対する対策」のように振る舞ったものの、結局そこからシュートに結び付く事は無く。
45分に奈良のロングパスから金森がヘッドで繋ぎ、クリアされたボールを拾ったメンデスがフリーでシュートを放った(ゴール上へ外れる)シーンのみに終わり。

ペースは失ったものの依然としてデュエルの激しさは止まない大分。
福岡もそれに応戦していき、37分には渡が後ろからのディフェンスで下田を倒してしまい反則・警告。
40分には逆に、香川がサイドチェンジを受けるサロモンソンに対しチャージして反則・警告と、両サイドにカードが突き出され。
これらによりシュート数は少ない(前半で大分1本・福岡3本)ながらも、テンションは高めを維持しつつ前半が終了します。

リードを奪われている福岡、後半開始前に早くも動き、渡→フアンマ・デルガドへと交代。
2トップに助っ人を並べる布陣としましたが、どちらかといえば万能型のメンデスが、ターゲットを務めていた前半。
それをターゲット役に特化したフアンマの投入で、微調整を図りにかかったでしょうか。

後半が始まり、早速福岡はフアンマ目掛けたロングボールによる攻撃を展開。
彼の収めから、右サイドのサロモンソンがクロスを入れるというシーンが多発と、複数のストロングポイントを絡ませて攻勢を仕掛けます。
後半3分には左サイドで田邊のクロスが防がれたのち前から右へと展開しサロモンソンがクロス。
クリアされるも拾った田邊が繋ぎ、杉本がミドルシュート。(ゴール右へ外れる)
9分には奈良がロングパスを送ると、フアンマを越えてメンデスが頭で収め、エリア内へ進入してシュート(ゴール右へ外れる)と大分ゴールを襲うシーンを作っていきます。

一方の大分は押され気味の展開の中、14分に小林成が足を攣らせてしまい、交代の措置が採られる事に。
時間的に早すぎる気もしましたが、この日の球際で激しく勝負する大分のスタイルが、5試合ぶりのスタメンであった小林成にとってはキツかったという要素もあったでしょう。
その後一旦ピッチに復帰した小林成ですが、17分に渡邊と交代。
同時に福岡も交代し、杉本・輪湖・金森から山岸、湯澤にジョルディ・クルークスと一挙3枚替え。

双方交代策を経て、最初の攻撃は大分。
19分、右サイドで長沢がクロスを入れるもクリアされ、中央で下田が拾って二次攻撃。
そして渡邊とのワンツーで中央突破しエリア内に進入するも、福岡・奈良に倒されて撃てず、反則にもならず。
好機は逃したものの、以降下田の動きが活発となり、好循環を見せる大分。

21分に早めの飲水タイムが挟まれ、とうとう第4クォーターともいえる時間帯に。
リードされている福岡は当然攻撃に圧力を掛けるものの、逆に大分にとってカウンターのチャンス。
24分にはクリアボールを渡邊が繋ぎ、長沢ポストプレイ→下田裏へロビング→渡邊フリック→香川とダイレクトプレイの連続を経て、左サイド奥で香川が相手に当てて左コーナーキックをゲット。
ここまでCKが皆無という珍しい試合でしたが、キッカー下田のクロスをニアサイドで長沢が跳ぶも合わず、中央に流れてこぼれた所をエンリケがシュート。
一瞬の隙を逃さなかったエンリケ、J初ゴールで喜びを爆発させる追加点となりました。

2点差となり、とにかく攻めなければならなくなった福岡を余所に、尚もカウンターで脅かしにかかる大分。
1トップの長沢を橋頭堡に、ボールキープする事で時間も使いつつの攻撃。

しかし好事魔多しとなったのが30分。
メンデスが右サイドで下がってボールを受け、そのままクルークスとのワンツー突破で奥へ進入とやや強引な攻撃を見せる福岡。
そしてメンデスがクロスを入れると、ブロックに入った下田の腕に当たり、ハンドを取られてPKに。
このPKを蹴るのはクルークスで、落ち着いてゴール左へと蹴り込みGKポープの逆を突いてゲット。
過去2試合連続してPKを失敗している福岡、その際のキッカーがそれぞれメンデス・フアンマだったため、この場面ではクルークスに落ち着いたようでした。

ともかく1点を返し、望みを繋ぐ福岡。
スコアが入った事で勢い付き、前線でのボール奪取から好機に繋げ押し込んでいきます。

1点差となった事で、ベンチワークで逃げ切りを図る大分。
36分に町田→高澤へと交代、前線に運動量を担保したのちの42分、坂→刀根へと交代。
終盤の福岡のパワープレイに備え、最終ラインに高さを加える采配を見せます。

次第に福岡は好機を作れなくなり、40分に田邊→重廣へと交代したものの流れを変えられず。
逆に大分に決定機が到来したのが43分。
相手のクリアボールを、この日再三セカンドボールの奪取で目立っていた下田がここでも拾ったのち、渡邊のスルーパスで長沢が抜け出しGKと一対一に。
エリアライン際からシュートを放ったものの、コースが甘くGK村上にセーブされてしまいます。(こぼれ球を高澤がシュートするもGK村上キャッチ)
直後には右サイドでボールを持った長沢がカットイン、かわされた福岡・宮がバックチャージの格好となってしまい反則・警告。
追加点こそ奪えなかったものの、終盤に来て福岡を脅かすシーンを作り、心理的に優位に立ったであろう大分。

そして6分というアディショナルタイムを迎え、2トップを活かしての放り込みによる攻撃をするしかない福岡。
しかし大分のマークが厳しく中々上げられず、後ろでボールを回しつつ、奈良や湯澤をオーバーラップさせてターゲットとするなど苦し紛れの策が目立つ事に。
結局シュートに繋ぐ事が出来ず、長いはずの6分間はあっという間に過ぎ去り。
試合終了となり、貴重な勝ち点3を得て約3週間のブレイクに入る事が出来た大分。

ブレイクの間に天皇杯2回戦が挟まれる日程(6/9、6/16)となっており、恐らくベストメンバーを起用するであろう各クラブ。
Jクラブ優位な日程の中、ジャイアントキリングが起こるかどうかが見物ですが、各Jクラブはそんな下からの突き上げを一叩きしてリーグ戦に繋げたい所でしょう。


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