※前回の松本の記事はこちら(11節・北九州戦、2-1)
※前回の岡山の記事はこちら(13節・千葉戦、2-4)
公式サイトに尻を叩かれて(?)から3連勝と、泥沼を抜け出したかに見えた松本。
しかしその効果も薄れつつあり、2連続のスコアレスドローを経て迎えた前節・栃木戦。
激しい肉弾戦という一線を越えたかのような絵図となってしまい、結果的にも0-3の完敗。
クラブは再度公式サイトで声明を発表する事となり(栃木サイドも同様)、再び暗雲が立ち込めつつある状況。
そんなラフプレー渦に呑まれた影響か、この日はGKが村山から圍に変更。
その他ディフェンスリーダーの橋内・FWの阪野が欠場となり、安東が故障から復帰という要素も重なって、イレギュラーなメンバー選択を余儀無くされました。
また試合運営も、この日は正午キックオフという珍しい形となり。
試合が始まり、その入りでいきなり岡山は川本のミドルシュートが炸裂。(GK圍セーブ)
前半3分にも、左からの白井のクロスが跳ね返されたのち、中央から宮崎幾笑がシュート(枠外)と攻め立てます。
7試合ぶりのスタメンとなった宮崎幾、横断幕に「サイドアタッカー」と書かれていながら(この日はアウェイ観客無しのため掲げられておらず)、これまでは4-2-3-1のトップ下での出場が目立つというねじれぶり。
しかし本来のサイドハーフで出場したこの日、その後は持ち味の右サイドアタックで威力を発揮する事となります。
岡山ペースの入りとなるも、松本も反撃を見せ、4分には右CKからキッカー前のクロスをファーサイドで安東がトラップしてシュート。(枠外)
9分には岡山GK金山のキックを横山がブロックし、そのまま空のゴールへシュートした横山ですが、左へと外してしまい先制ならず。
14分に松本が、下川が左からカットインしてミドルシュート(ゴール右へ外れる)という好機を見せてからは、試合も落ち着きを見せ。
ここから岡山は裏狙いのロングパスを多用し、度々サイドハーフ(右=宮崎幾・左=木村)が走り込むも、フィニッシュには結び付かず。
一方の松本も、下川がロングパスを供給する攻撃が目立ち、試合は膠着状態に。
そんな中22分にアクシデントが起こり、松本・安東が岡山・白井にチャージして反則を取られると、あろう事か反則した安東の方が痛み続行不能となってしまいます。
故障明けという中で激しくデュエルした結果、高くついてしまった格好となった安東。(直後に飲水タイムが採られ、明ける際に米原と交代)
ブレイク明け、依然として裏狙いを続けるもチャンスを作れない岡山を尻目に、松本がペースを掴み始め。
左サイドに下川・外山と、サイドバックが2人揃う並びを活かして攻撃を組み立てます。
徐々に岡山も、パスワークで組み立てる攻撃へと傾倒していき。
ここから白熱していくかと思いきや、34分にCKから阿部がヘディングシュートを放ったぐらいで、流れを掴む事が出来ません。
結局前半の残りは終始松本ペースとなりましたが、その松本もフィニッシュという点では目立たず。
長短のパスを織り交ぜつつ好機を作ったものの、ゴールを脅かす事無く時間を浪費。
結局前半はスコアレスで終える事となります。
後半が始まり、小競り合いを経て最初に流れを得たのは前半同様に岡山。
右サイドで攻撃を展開して押し込んでいくと、後半5分に松本のスローインからのミス(投げられたボールを下川が蹴り出そうとするもミスキック→上門拾う)でCK攻勢に。
1本目の右CK、キッカー宮崎幾のクロスがクリアされるも喜山がヘッドで繋ぎ、エリア内左で木村のクロスがブロックされ今度は左CK。
そして2本目、キッカー白井のクロスがクリアされて再度白井の下へ、もう一度クロス。
これもクリアされますが再び喜山がセカンドボールを、今度はエリア内中央で収め、そして左足でシュート。
ゴール右へと突き刺さる、喜山のこぼれ球の処理が光ったセットプレーからの先制点となりました。
一方ミスが遠因でビハインドとなってしまった松本。
直後の7分に大野が岡山・川本との競り合いで倒れると、川本の足が頭部に入ってしまい立てなくなるという、前節の事が思い出されるようなシーンが。
幸い暫くして大野は立ち上がり復帰しましたが、その間にも野々村が岡山・阿部と頭部同士で接触。
一旦松本サイドの反則となるも、異議を受けて判定が変わり岡山の反則となるなど、ラフプレーに神経質になっていた節が窺えました。
これで左サイド・エリアからすぐ手前のFKとなりましたが、グラウンダーでクロスを入れるという変化を付けるも、奪われて逆に岡山のカウンターを誘発してしまうなど余裕も無くなってしまっていたのでしょうか。
そのカウンターからまたもCKを得た岡山、阿部のヘディングシュートが生まれるもゴール右へと外れ。
同点への流れを得たい松本、16分に動き横山→戸島に交代。
これで3-4-2-1→3-3-2-2へとフォーメーションをマイナーチェンジし、鈴木・戸島の2トップで、佐藤が一列上がってアンカーに米原とします。
直後の18分に敵陣で相手クリアを拾ってから攻撃、下川の縦パスが戸島に入り、ディフェンスに遭いこぼれた所を米原がミドルシュート。(枠外)
反撃の狼煙が上がるも、直後に岡山ベンチも動き。
宮崎幾・宮崎智彦→パウリーニョ・徳元へと2枚替えし、フォーメーションも変更。
4-4-1-1→3-4-2-1へと転換し、喜山が左CBへと落ちて井上が中央CB・阿部が右CBの3バック。
ウイングバックは右が河野・左が徳元で、パウリーニョと白井のドイスボランチ、シャドーに上門と木村で1トップが川本という布陣になりました。
今まで終盤の守備固めでこの布陣を採用する事が多かった岡山ですが、この日は早い段階でシフト。
ツインタワーともいうべき松本の2トップ(阪野は居ないけど)に対抗する手段なのは明らかで、その通りに松本は勢いを失い。
逆に22分には、右サイド遠目で上門が思い切り良くシュートを狙うと、GK圍が何とか弾いてゴールポストを直撃する一幕が見られました。
その余韻が残っていたでしょうか、24分に飲水タイムが挟まれたのちも、上門が積極的にゴールを狙う姿勢を見せる岡山。
そしてそれが結果にも結び付きます。
29分、川本を狙ったロングパスがこぼれた所を上門が拾ってシュートされるもブロックで防がれ。
続く30分、左サイドでのパスワークに川本が加わったのち、左ハーフレーンで上門が受けてエリア内へと前進。
そして左斜めから巻くシュートを放ち、綺麗にサイドネットに突き刺した上門。
1トップが開いた所を突くという岡山らしい形で、追加点を獲得します。
2点差となり、総攻撃を掛けるしかない松本。
しかし守備を固める相手に対し、何とかこじ開けようとするもそれは叶わないまま時間が進み。
36分に岡山は川本・木村→山本・松木へ交代と、着実に逃げ切り体制を作っていきます。
崩すには何かが欲しいという状況の松本、38分に下川・河合→村越・小手川へと2枚替え。
村越はこれが今季初出場と、空気を変える新星として期待されます。
この交代で前が右WB→ボランチ、米原がボランチ→左CBへとシフトし、村越は右WBへ。
すると40分、戸島の落としがクリアされたのち、ボールを持った村越がエリア内へロビング。
これもクリアされますが尚もエリア内左で外山が拾い継続させると、ここからシュート気味にクロスを入れた外山。
中央で戸島が跳んで触れずも、そのまま右サイドネットへと突き刺さり。
交代カードだけで無く、プレーの面でも意外性が相手守備を崩す事となりました。
これで1点差となり判らなくなった試合。
村越は続く41分にも、右サイドでボールを持つと前進からシュート(ブロック)と攻撃面で羽を伸ばします。
同点への機運が高まって来ましたが、時間も押し迫り。
2トップに当てるロングボールへと攻撃が傾倒しつつあり、対する岡山もロングボールで応戦と攻撃権が右往左往する展開に。
そんな流れの所為かやや反撃ムードが萎みがちになる中、それを完全にぶち壊したのがまたもスローインでのミスでした。
45分の自陣最後方での左サイドからスローイン、野々村から焦って投げ入れられたボールを岡山・上門に掻っ攫われてしまうと、エリア内の山本へラストパス。
そして山本は大野の股を通すシュートを放ち、ネットを揺らしてゴール。
山本にとっては古巣相手へのゴールとなりましたが、試合的には何ともあっけない幕切れと言うしかない追加点。
村越のシュート以降、攻撃が雑になってしまっていた松本、このミスはその報いのような印象を受けました。
結局2点差でアディショナルタイムを迎えてしまった松本、もはや反撃の機運は何処にも無く。
ひたすらロングボールを蹴り、運良くチャンスが生まれれば……というような流れで、4分間のATはあっという間に過ぎ去り。
そして試合終了の時を迎え、1-3で岡山が勝利となりました。
今節終了でボトムハーフの12位から降格圏手前の18位まで、勝ち点3差の中に7クラブがひしめく事となった順位。
松本・岡山はともにそのうちの一つで、勝った岡山は17→13位へと上がり、負けた松本は14→17位へとダウン。
降格圏が近い位置だけに、順位が下がった際のプレッシャーも凄まじい事が予想されますが、この集団から抜け出すクラブは現れるでしょうか。
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