<両軍スタメン>
J3も日程が進むにつれて、顕著になって来たのが監督交代。
その全てを挙げると……
- 琉球=倉貫一毅氏→喜名哲裕氏(5/15に解任、暫定監督を経て6/14に就任)
- 鳥取=金鍾成氏→増本浩平氏(6/18に解任、未だ暫定監督)
- 福島=服部年宏氏→依田光正氏(7/12に退任、暫定監督を経て7/18に就任)
- 今治=高木理己氏→工藤直人氏(8/8に退任、暫定監督を経て8/16に就任)
- 鹿児島=大嶽直人氏→大島康明氏(8/22に退任、同日に就任)
- 長野=シュタルフ悠紀氏→高木理己氏(8/28に解任、8/29に就任)
- YS横浜=星川敬氏→倉貫一毅氏(8/28に解任、8/30に就任)
8月に入ってからが過半数と、その代わりぶりが凄まじく。
YS横浜を除いては、昇格を目指している・目指していたクラブ(恐らく)であり、それに黄信号・赤信号が灯ればすかさず交代を図るという手法でしょうか。
「監督交代ブースト」という俗称があるぐらい、交代後の即効性は定番のものとなっており。
なお今節終了後に北九州も田坂和昭氏→小林伸二氏へと交代
それ故に長期的視野に欠けるきらいはありますが、今季からついに導入された降格制度故に、低迷期が長く続けば最悪の事態にも繋がりかねない。
またオフには個人昇格をはじめ大量に選手が入れ替わるため、腰を据えてじっくりチーム作りを……という事もやり辛い。
そのため視野が狭くなるのは仕方の無い事である、と言えなくも無く。
さて、前半戦は首位を争っていた鹿児島もその波に呑まれ。
後半戦に入ってから僅か1勝(1分3敗)という体たらくで、23節終了をもって監督交代に踏みきりました。
前回との差異は、五領・米澤と2019年のJ2時代を知る選手がサイドハーフに起用されている事が目を惹くものの、監督交代により序列が変わった……という訳では無いようで。
出場記録を見るに、離脱者が膨らんで来て成績も落ち込む中での微調整の結果らしく、後任の大島監督も前監督の路線を継続。
偽SB戦術も引き続き採用と、既にシーズンも後半故に新たなサッカーの構築は行わず。
試合が始まると、キックオフから岐阜がハイテンションなサッカー。
サイドから攻め上がり、前半2分に再三エリア内を突くパスワークを繰り返し押し込みに掛かります。
一方の鹿児島も、それを耐えたのちパスカットした木村のロングパスでカウンター、藤本を裏に走らせて応戦。(GK茂木が前に出てヘッドでクリア)
守備でも果敢に前から襲い掛かる岐阜ですが、宇賀神が反則を量産するなどやや空回り。
5分には柏木がエリアからすぐ外という位置で藤本に反則を犯してしまい、直接フリーキックを得た鹿児島。
左ハーフレーンという横軸の位置から、キッカー木村が直接狙うも、GK茂木が正面でキャッチ。
鹿児島は序盤、村田への対応に難儀している感があり、彼が左ワイドで溜めを作ってからのパスワークに散らされて好機を作られ。
村田自ら仕掛けるカットインは11分で、ポケット奥からのマイナスのクロスを山口がカット。
これを境に村田自身の突破は良く防ぎ、それによりペースを剥ぎ取る事に成功します。
以降の岐阜は柏木の縦パスを軸としてボックス内を脅かさんとしますが、逆にカットされてカウンターを誘発するなど効果的とはならず。
そこから反転攻勢に入る鹿児島ですが、以前よりも縦に速く攻める意識が強まり。
偽SBをはじめとするポジショナルプレーでじっくりと……という事はせず、この押し迫った状況での監督交代の影響が色濃く表れているようでした。
それでも22分、右サイドに人数を集めて縦パス→ポストプレイを繰り返したのち、端戸の裏へのミドルパスでエリア内を突き。
そして走り込んだ米澤がヘディングシュートを放つもGK茂木がセーブ、ここからコーナーキックを3本続けて押し込むも実らず。
スコアを動かせず、飲水タイムが挟まれます。
一方押し込む時間を作ったものの決定機は得れなかった岐阜。
ブレイク明けは、ドイスボランチのうち柏木がアンカーの位置に残り北が上がるという、前回観た際のスタイルを前面に押し出し。
その北は主に左へと張り出し、有効だった左サイドアタックを盤石にせんとします。
それでも主体的な攻撃では中々シュートに辿り着けない岐阜。
31分に鹿児島のパスミスを拾った柏木、スルーパスで右へと展開し、受けた窪田がカットインでポケットを突いてグラウンダーのクロス。
中央で藤岡が足で合わせましたが、ゴール上へと外れてしまい先制ならず。
相手のミスが絡めば……という所でしたが、この日の鹿児島は堅守速攻の意識が強く、そういった場面は少なかったのが勝負を分けたでしょうか。
38分には逆に岐阜サイドが縦パスをミスし、そのボールを星がダイレクトの縦パスで返してカウンターに持ち込む鹿児島。
藤本のポストプレイを経て、運んだ端戸がエリア手前からシュート。(ブロック)
終盤に入ると、再び岐阜が攻撃権を支配するも有効打を打てない時間が続き。
そして45分に得た岐阜のCKですが、クロスを直接GK松山がキャッチすると、その松山のスローからまたも鹿児島のカウンターに。
米澤が持ち運んで左へと展開し、野嶽が手前から低いクロスを入れ、跳び込むも合わなかった藤本の奥で山口が合わせ。
綺麗なシュートとはいかなかったものの、ボールはゴールに吸い込まれて欲しかった先制点がついに生まれます。
最初は藤本のゴールとアナウンスされたものの、山口のゴールへと訂正されたこの得点。
個人的にぬか喜びの格好となった藤本ですが、その直後でした。
自陣で木村がボールを確保すると、一気に裏へ送ったロングパスが右ポケットを突き、そこに猛然と走り込んでシュートする藤本。
コースは甘かったもののGK茂木が止められずにゴールに突き刺さり、今度は正真正銘の得点であっという間にリードを広げました。
終了間際に一気にスコアが動き、2-0で終えられた前半。
共にハーフタイムでの交代は無く。
そして始められた後半ですが、焦る岐阜を尻目に鹿児島が敵陣でボール奪取するシーンを頻発させ、文字通り流れを自分のものとします。
後半5分、左サイドで野嶽がドリブルで切り込んだのちカットイン、藤本のポストプレイを挟んでシュートを放つもGK茂木がセーブ。
8分には米澤のボール奪取から素早く運び、五領が右ポケットへ切り込んでシュートするもこれもGK茂木の足でのセーブに阻まれ。
何とか3点目は防いだ岐阜。
前半と同様に左サイドを軸にするも、既に鹿児島も慣れを示した後だけに有効打を放てず。
そうなると左に人数を集めたのち、逆サイドへ展開という攻めで何とか崩すしかないですが、その揺さぶりのスピードも容易に対応されて中々フィニッシュに辿り着けません。
リードしている鹿児島のベンチが先に動き、16分に五領→武へと交代。
19分にその武を走らせるロングパスから右奥で溜めを作り、星のクロスの跳ね返りを拾った木村がミドルシュート。(枠外)
しっかり守りつつ、相手の裏を突いて時間と労力を奪う立ち回りを見せ。
そして23分に飲水タイムが挟まれ、明ける際にようやく動く岐阜ベンチ。
村田・藤岡→松本歩夢・田口へと2枚替えし、窪田が左SHへとシフトします。
しかし一向にエンジンを挙げられず、25分に中盤でパスミスを犯し、拾った藤本をたまらず柏木が倒してしまい反則。
ここからのFK、キッカー木村エリア内左へロビング→戸根折り返し→中央で端戸落としでゴールを脅かし。(こぼれた所を米澤が詰めにいくもクリア)
速攻を軸としながらも、リードした後半は時間を掛けて相手の焦りを呼ぶ事もこなしていた鹿児島。
しかしその主たる要素は前述の通り相手の反則によるもので、その後も30分に端戸のボールキープを倒してしまった柏木が反則・警告。
34分には裏に抜け出そうとした武が宇賀神に倒されてこれも反則・警告と、この日は一心同体と言わんばかりに、元浦和勢の反則が目立つ試合となりました。
36分に木村→千布へと交代した鹿児島、それに併せて岐阜も柏木・ンドカ→久保田・山内へと2枚替え。
その代えた部分で試合が動き、38分で田口のドリブルが千布に倒されて反則となり、右ハーフレーンからのFKを得た岐阜。
そしてキッカー久保田のクロスを遠藤が合わせてヘディングシュート、混戦の中ながらも巧く合わせてゴールネットを揺らします。
ようやく1点を返し、鹿児島サイドにも緊迫が走る終盤戦に。
41分に最後の交代を敢行する鹿児島。
有田とロメロ・フランクを投入と、温存されていたベテランを一気に起用し逃げ切りを図ります。(藤本・端戸と交代)
同時に米澤→圓道と、一気に3枚替え。
同点を狙い攻め上がる岐阜ですが、既に崩し云々よりもクロスをどう合わせるかにウェイトが置かれ。
44分に左から窪田のクロスが上がり、田口が合わせヘディングシュートを放ちましたがゴール上へと外れ。
そして突入したアディショナルタイム、CKを得た岐阜は当然ながらGK茂木が前線に加わる総動員体制に。
そこからキッカー久保田のクロスを山内が合わせるも、ゴール左下を襲ったヘディングシュートはGK山内にセーブされて同点ならず。
尚も続くCK攻勢、GK茂木がクロスに跳び込むシーンも見られましたが、鹿児島サイドも良く守り。
結局スコアは動かせず、試合終了の時を迎えました。
これで監督交代後初勝利を挙げた鹿児島。
前半戦首位に立った事は忘れなければいけないような状況ですが、新たな意識の下逆転を果たせるでしょうか。
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