<川崎スタメン> 4-1-2-3
GK チョンソンリョン
RSB 山根 CB ジェジエウ CB 谷口 LSB 旗手
DH ジョアン・シミッチ
IH 脇坂 IH 橘田
RWG 家長 CF レアンドロ・ダミアン LWG 三苫
<UCスタメン> 3-4-2-1
GK ピンサス
RCB バース CCB アミン・アダム・ナザリ LCB ダフォン
RWB ケイン DH ハートマン DH オミド・デイビット・ナザリ LWB 嶺岸
IH シュレック IH マイク・リゴベルト・オット
FW マラニョン
前回のACLの記事 - 北京vs川崎
フィリピン王者という触れ込みで、今年初のACL本選に出場したユナイテッド・シティ。(以下UC)
しかしその戦いは険しいもので、前節は大邱相手に0-7の大惨敗。
そして大邱相手に勝利した川崎が相手と、何処まで立ち向かえるかという立場。
小田原貴・嶺岸光が所属するクラブであり、この日出場の嶺岸はフィリピンとのハーフとして、大卒後フィリピンに渡ってプレー。(小田原は外国人扱い)
前節川崎は7-0と大勝した訳ですが、その相手の北京は、最後尾からパスを繋ぐスタイルを基本として立ち回り。
しかし川崎のプレッシャーの前にそれはままならず、という展開でしたが、この日のUCも同様のスタイルを前半から見せます。
前半4分GKピンサスの左へのフィードが嶺岸に渡ると、オミド・ナザリからサイドチェンジ、右サイドでケインに渡り。
ケインはマラニョンのポストプレイを挟んだのちエリア内へロングパスを送り、マイク・リゴベルト・オットが走り込むもオフサイドに。
パスを繋ぎつつ、大きな展開を混ぜていく攻撃を惜しい所まで結び付けました。
しかし相手はJリーグの王者・川崎、ボールを繋ぐ事はままならず。
それでも12分には再びGKピンサスの左へのフィードを嶺岸が受け、ハートマンにパスしてから攻撃。(裏へのロングパスをシュレックに通すもシュートは撃てず)
このピンサスのフィードを嶺岸に渡す・ハートマンの長いパスを手立てを基調とし、「困ったらここに帰る」としていたようですが、それ以外の攻め手は悉く封じられ。
川崎の多彩な攻撃を、リトリートで構えて凌ぐUC。
前節休ませていた選手を軒並み起用してきたこの日の川崎、この分で奇数節に主力を起用していけば、5節・大邱戦に全力で当たる事が出来るという打算でしょう。
それでもファーストシュートを13分に放って(橘田のミドルシュート・ブロック)以降、2本目は33分までお預けとなるなど、そんなUCの姿勢に手間取る川崎。
その間の26分、UC・ケインが川崎・大島に反則を受けると、ケインが報復の如く大島を倒してしまい。
そしてシミッチと言い合いになり、両者に警告が与えられるといった珍妙な絵図が生まれてしまいました。
前述の33分の川崎のシュートは、旗手の縦パスがカットされたボールを大島が繋ぎ、シミッチ→大島→三苫と渡りエリア内へ。
抜け出した三苫がシュートするもGKピンサスのセーブで何とか防ぎ。
しかし決壊はもうすぐという予感をさせる攻撃で、直後の右コーナーキック。
キッカー大島がニアサイドへクロス、谷口がフリックという流れで、中央で三苫がヘディングシュートを突き刺し。(三苫が触らなくても入っていたような軌道でしたが)
前節からは遅めとなったものの、先制点を奪った川崎。
12分以降はUCに攻撃をさせていませんでしたが、先制後は一層押し込み、敵陣での繋ぎによる攻撃を展開。
そして42分最終ラインから左サイドへ展開し三苫へ渡ると、中央への展開を選択。
大島はダミアンのヒールでのポストプレイを経て、そのボールをダイレクトでミドルシュートに持っていくと、ボールはゴール左隅へ鮮やかに突き刺さり。
この日初スタメンの大島、見事に結果も叩き出す運びとなりました。
その後は何とか川崎にシュートを撃たせなかったUC。
攻撃機会も1度ありましたが、裏狙いのロングパスが通らず終了。
2-0で前半を折り返す事となりました。
前述の通り、大邱戦を睨んでの立ち回りを行っている節がある川崎。
この試合もハーフタイムで2枚替えを敢行、シミッチ・大島→車屋・脇坂へと交代。
谷口がボランチにシフトという、前節のスタメンのような最終ラインとなります。
前半はエンジンの掛かりが遅かった感のあった川崎、立ち上がりの後半1分、サイドチェンジを受けた山根はアーリークロスを選択。
得点に繋げるというよりは、積極的にいくという意思表示のように見えた攻撃を最初に見せました。
その後はややもたつくも、迎えた5分。
脇坂の右へのミドルパスを山根が受けると、家長とのスイッチを挟みエリア内右を急襲し、マイナスのクロス。
これをニアサイドでダミアンが合わせると、絶妙なコントロールで左ゴールポストの内側を叩いてゴールイン。
ストライカーの得点で、ゴールラッシュの幕開けを予感させる事となります。
尚も8分に山根が右からクロス、クリアが不十分となった所を脇坂がエリア手前中央からシュート。
GKピンサスがセーブし、エリア内左へ転がる所をダミアンが詰めてシュート、しかしこれもGKピンサスが防ぎ。
ギリギリの状況での凌ぎを強いられるUC。
10分のUC、自陣でシュレックがパスカットすると、そのままロングシュートを狙ったものの威力が足りず。
攻撃では焦りも露わになります。
そして11分、川崎はジェジエウから中央で縦パス攻勢。
ダミアンのフリックを受けた脇坂からエリア内でスルーパス、トラップした橘田のシュートがネットを揺らし、4点目をゲット。
UCはシュレックが橋頭堡となり、彼にパスを繋いで反撃を試みますが、前線でのパスミスもありやはり実らず。
16分、そのシュレックが交代で退く(インガムと交代、同時にマイク・リゴベルト・オット→ディソンに交代)と、攻撃の形すらままならなくなります。
同時に山根→山村へと交代した川崎、当然容赦の無いその攻撃が降り注ぐ事となり。
尚も18分に谷口→塚川へ交代と、サブの選手が多数入る事となりましたが、攻撃のクオリティは衰えず。(旗手が右サイドバックに、車屋が左SBにシフト)
20分、ジェジエウのロングパスがエリア内に入り、走り込んだダミアンががポストプレイの体勢へ。
GKピンサスが飛び出して阻止せんとするも間に合わず、橘田がGK不在のゴールへシュート。
これで5-0となり、前節味わった大量失点を続けてしまう事となったUC。
尚も川崎の攻勢が続く展開に、UCは25分に2度目の交代。
アミン・アダム・ナザリに代えてアダム・タルと、中央CBを代える策を採りました。
しかしこれで最終ラインが混乱してしまったか、直後に橘田の深めでのパスカットから川崎の攻撃。
ダミアンのシュートがブロックされ跳ね返ると、不規則な回転でバウンドしたボールをハートマンが拾えずエリア内へこぼれ。
そこを橘田にシュートされ、ゴールを奪われてしまい6点目。
橘田はこれでハットトリック達成となります。
28分に最後の交代カードを使った川崎、旗手→小塚。(橘田が右SBへシフト)
小塚はこれが今大会初出場と、お試し起用も交える王者らしい振る舞いを見せます。
何とか一矢報いたいUC、33分にこちらも最後の交代。
マラニョン・ケイン→ブガス・マラシガンへと2枚替え。
その直後、中盤でディソンのボール奪取から、嶺岸の浮き球でのスルーパスがエリア内に通り、受けたインガムがシュート。
ブロックされてCKとなり、これがこの試合初のUCのCKとなりました。(シュートには繋がらず)
諦めない姿勢は見せたものの、以降も襲い掛かる川崎の攻撃。
35分、中央で塚川がボールを持つと、家長ポストプレイ→脇坂と挟めたのちエリア内を急襲してシュート。(ゴール右へ外れる)
サブの選手も果敢にゴールを狙う意思を見せると、迎えた37分。
中央~右サイドで数多パスを繋いだのち、中央で小塚がエリア内へミドルパスを送ると、裏に抜けた三苫が胸トラップからボレーシュート。
豪快にゴールに突き刺し7点目、他選手の活躍でやや埋もれていた三苫が前半以来の得点となりました。
その後は川崎もペースダウンしたのか、その分UCが押し込む機会も増え。
基調となっていた(であろう)ハートマンの長いパスで組み立て始め、主に右サイドで敵陣奥まで迫るも、得点に辿り着く事は出来ず。
この日の全体のUCを見ると、最終ラインから繋ごうとしても、川崎のプレスの前に押し込まれ。
そしてロングボールを蹴らされるという繰り返しで攻撃機会を失い続け。
長いパスを通さないと好機を作れず、しかもその頻度も少なく。
前節の北京は繋ぎのパスのミスが多かったという印象(それもサブメンバーオンリーなため仕方無い)でしたが、UCはボールを失いたくないという意識が強すぎての機能不全というべきだったでしょうか。
アディショナルタイムに突入し、川崎が押し込んで攻撃。
UCはそれを遮断しにかかるも、カットしたボールを即時奪回されて攻撃が切れません。
そして橘田のカットから家長がエリア内右でボールキープ、そして切り返しからシュート。
GKピンサスがセーブするも、中央で脇坂が詰めてネットを揺らし、これで8点目を挙げた川崎。
前節を上回る成果を挙げ、試合終了の時を迎えました。
これで全勝で折り返す事となった川崎。
得失点差は十分(+16)で、仮に2位に終わっても勝ち抜ける可能性は大きくなったものの、1位突破したいという思いは変わらないでしょう。
やはり大邱戦が関門となりそうですが、まずは3日後のこの日と同カードをどう使っていくか。
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