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DAZN観戦 2024年J3リーグ第10節 いわてグルージャ盛岡vsFC大阪

2024-04-20 16:09:36 | サッカー視聴記(2024年その他)

<両軍スタメン>

1年で終わったJ2生活を経て、岩手のJ3での歩みはどうなったか。
監督としてその場に持ち上げ、そして戦い抜いた秋田豊氏が社長へ転身したという人事政策からも、継続性を保つべくの思惑が感じ取れます。

その選手編成を見てみると、前年途中での西・深津の加入を皮切りに、有名選手の獲得に舵を振ってきたという印象。
今季も都倉・GK大久保・高橋とその路線そのままに、戦力に加える事で何とかチーム力に還元しようという立ち回り。
しかし未だその成果は表れず、成績面はおろか興行の面(集客)でも伸び悩み。
前節ようやく2勝目を挙げる(奈良戦、2-1)という具合に、昇格争いに加わる事は難しい滑り出しとなりましたが、巻き返す術はあるでしょうか。

この日は反面、出だし好調のFC大阪との一戦。
キックオフからラフなボールの応酬に突入すると、前半2分にオタボー狙いのロングパスのセカンドボールを拾って岩手の好機に。
右サイド奥を突いた加々美の横パスを受けたオタボー、ポケット奥からマイナスのクロスを送ったものの、中央に走り込んだ新里は合わせられず。

まず一つ形を作った岩手。
異様なまでの堅守が特徴のFC大阪相手だけに、こうして乱戦の様相を生み出す事により崩しを図りたい意図があったのでしょう。
しかしオタボー狙いのロングボールに傾倒する攻撃姿勢に、以降その反動を嫌という程浴びる事となります。

つまりはトランジションの連続により、相手のみならず自身も陣形が乱れがちとなり、その隙をFC大阪に突かれる事が多発。
FC大阪もロングボール中心の振る舞いは変わらずですが、それを送るのはGK永井からという局面が圧倒的に多く。
岩手がストーミング気味にプレスを掛けて来るので、戻しから素早く永井が裏を突く事で、簡単にひっくり返して好機に持ち込む事が出来。
憚らずも、「早く攻めようとすれば、それだけ早くボールが自陣に帰って来る」という事を証明するに至ってしまいました。

ロングボールで敵陣を急襲し、岩手のセーフティなクリアによりさらにロングスローに繋がるという具合に、短期間で数多攻撃機会を得るFC大阪。
地上での組み立ては10分に斉藤が縦パスを木匠に通し、左サイド奥を窺った末にポケットへスルーパスと、こちらもやはり縦に速い攻め。
走り込んだ舘野のマイナスのクロスをニアで合わせたのは、逆サイドから走り込んできた久保。
ここは左サイドネット外側に終わるものの、確固たる道筋があれば、ポジションチェンジでの攻撃もやり易いといった印象を残す久保のフィニッシュでした。

一方その間に、ロクに攻撃を組み立てられずにいた岩手。
ようやくやりたい事が見えて来たのが20分台で、それまでも何度か西が右ワイドに位置取りパスを引き出しに掛かるシーンがあり。
そして20分には左で前進する姿勢から佐古が中央へロングパス、裏に西が走り込むも跳ね返され、回収したのちは右サイドから攻め。
高橋のスルーパスにまたも西が走り込みポケットへ横パスと、2分の好機と似た局面を作りましたが、受けた高橋はディフェンスにあってクロスは上げられず。
薄いサイドを西に突かせるその姿に明確な狙いを感じながらも、同時に百戦錬磨の西のアイデアに頼る他無いという暗い影も見え隠れしているようであり。

結局岩手の流れは一過性で終わり、再び押し込むFC大阪。
主に得意手のスローインから好機を作り、26分にはロングスローフェイントから繋いだ末に、右ポケットを突いた下澤のクロス。
ファーでの落としを経て秋山がボレーシュート(枠外)と、センターバックがチーム得点王(2点、斉藤と同数)という状況を反映する攻撃。
28分にも今度は左から素直に(舘野が)ロングスローを投げ入れると、誰にも合わずバウンドした所を古川がシュートにいきましたが、その足が西に入ってしまった事で反則を取られ。

好調を維持するFC大阪でしたが、その後アクシデントに襲われてしまい。
30分にライン際にてスライディングで守備をした秋山が、そのまま筋肉系トラブルで起き上がれなくなってしまいます。
すかさず交代の措置が採られ、結局立ち上がれず担架で運ばれる事態となった秋山を尻目に、江川が投入されました。

そんな相手の乱れを突きたい岩手。
オタボーを中心にパワーを押し出す姿勢を高めましたが、FC大阪もそれに応戦した結果、激しいデュエルにより荒れ模様となる試合。
33分に木匠と高橋によりハイボールの競り合いで、木匠の腕が高橋の頭部付近に入ってしまった事により反則・警告となり。
その後も空中戦で反則を取られる場面が増幅したのは、よほどラフな姿勢が高まったか、ないしは審判が簡単に笛を吹く傾向に陥っていたかですが今回は前者のように見え。
その流れで岩手がフリーキックを得たのが37分で、右サイドからという位置でキッカー加々美がクロスを入れると、中央でこぼれ球となった所にオタボーが詰めにいくもクリアされて撃てず。
その後美馬が持ち上がりFC大阪のカウンターか、という局面で、戻ったオタボーがショルダーで美馬を倒しそれを止めて反則。
これにも警告が出るという具合に、やはり本来反則になり辛いショルダーチャージにもこうした判定が出る以上、前者の傾向が高まっていたのでしょう。

終盤に突入し、反則も増えて来た事で展開もラフなものとなり。
こうした展開ではやはりFC大阪の方に一日の長があり、その通りに再度押し込み。
アクシデントもあり長めのアディショナルタイム(目安4分)な中、守勢の岩手は集中を切らさない事が問われます。
そして浮き球が右往左往する空中戦となると、小暮の足でのクリアがあろう事か岩手ゴール方向に流れてしまう恐れていた事態が。
これに反応した武井がダイレクトでボレーシュートを放ちましたが、枠外に終わり決められずと、冷や汗を掻いた岩手。

結局スコアレスのまま前半が終了。
既に交代カードを使っていたFC大阪、ハーフタイムでも動き木匠→島田へと交代します。
やはりパワーサッカーのスタイルでは前線の消耗も早い、という事が伺え。

後半も大きくは変わらない立ち回りの下、優勢に立つFC大阪。
岩手は早々の後半1分に、久保のドリブルを反則で止めた小暮が警告を貰う等苦しみを変えられず。
何とかディフェンスリーダーの深津を中心に凌ぐなか、気を付けたいのはミスとともに相手の変化を付けた攻撃。
5分に左スローインからのFC大阪の攻撃、ロングスローは行わずに舘野は島田に返されたボールをさらに戻し、武井が遠目からエリア内へロビングを送り。
手前からのクロスに見えたそのボールは一気にゴールを襲い、僅かに上に外れてまたも冷や汗を掻く岩手。

岩手は攻撃も、西を右ワイドに張り出させて人数を掛ける姿勢に活路を見出すのは変わらず。
9分にそこからパスワークに持ち込み、奥を突いた西がポケットへ横パスと変わらない流れから、受けた加々美がマイナスのクロス。
オタボーがニアに走り込んだものの、ディフェンスに入った江川を倒してしまい反則で終わり撃てず。

折角狙いを持った攻めもフィニッシュに繋げられずとあっては、劣勢に陥るのもある意味当然であり。
しかし11分、FC大阪の地上からの攻撃で、江川の縦パスからダイレクトに繋いでいく縦に速い前進。
しかし久保へのパスを小暮がカットした事で逆にカウンターに持ち込む岩手、西のスルーパスを左サイドで受けたオタボー、そのままカットインして左ハーフレーンからミドルシュート。
ゴール左へ外れたものの、逆にFC大阪に「素早く前に運ばんとした反動」を植え付けるに至ります。
直後にFC大阪はまたもベンチが動き、田中→利根へと交代。

FC大阪は原点に立ち返るように、再度GK永井のフィードによる攻めで押し込み。
そこから繋がるロングスロー・コーナーキックからフィニッシュを浴びせ、有利な展開に戻さんとします。

対する岩手は18分、小暮のボール奪取からショートカウンターに持ち込み、小松→西と経由して新里がミドルシュート。
GK永井のセーブで、この日初のCKを得るという具合に、徐々にFC大阪の守備が薄い状況を突ける流れに持ち込み。
しかしこのCKからFC大阪がカウンター、美馬のラフなロングパスに久保が走り込むと、岩手のクリアミスもありこれが繋がり。
そして左奥を突いたのちの戻しから下澤がミドルシュート、ブロックされるもこぼれ球を確保し、舘野がさらにシュート体勢に入った所を西に倒されて反則。
シュートを妨害した形でしたがカードは出ずと、西のマリーシアぶりを改めて実感した場面でしたが、引き続き直接FKでFC大阪の好機は継続。
キッカーの位置で、下澤のスルーを経て蹴ると見せかけた舘野は中央への横パスを選択し、ダイレクトでの古川のミドルシュートがゴールを襲い。
これをGK大久保がセーブ、さらに齊藤が詰めにいきましたがオフサイドと、間一髪で凌いだ岩手。

優勢に立った中で、あの手この手でゴールを狙うFC大阪ですが、ここまでスコアレス。
鉄壁の守備力は健在なものの、4試合連続スコアレスドローも記録した今季のこれまでの戦績が、再度頭を過る展開ともなります。

一方岩手は巻き返しを図りベンチが動き、22分に高橋・小松→桐・松原へと2枚替え。(桐は左ウイングバックに入り、小暮が右WBに回る)
左サイドをテコ入れしたその采配どおりに、以降左からの前進を増やし変化を付ける岩手の攻撃。
26分には桐が松原とワンツーで左奥へ切り込んでカットインと、交代選手の力で好機を作り。
そのままポケットへ進入した桐でしたが、追走した美馬のディフェンスで倒れ、反則の笛も鳴らずに終えてしまいます。

何とか好循環をモノにせんと、直後に小松→都倉と再度交代カードを切る岩手。(オタボーがシャドーにシフト)
しかし勝負に出たのが裏目に出てしまったか。
あくまでペースを維持するFC大阪、29分にまたもGK永井のロングフィードからの攻めで、久保がこれをフリックで敵陣へ送り。
そして中央で持った利根が溜めたのち右スペースへ展開し、走り込んだ久保のマイナスのクロスで受け直す利根。
そこは既に右ポケットと絶好の位置でありながら、防ぎに来た岩手ディフェンス2人(新里と佐古)をフェイントで剥がすという具合に、焦りを全く見せずのプレーの末にシュート。
これがゴール左隅を突き、ポスト内側を叩いてネットに突き刺さった事で、とうとう先制点に辿り着きました。

失点場面でも必死に食い下がったものの、及ばずという流れに陥った岩手。
何とか、ターゲットをオタボーから都倉に代えてのロングボールを送って反撃体制を取るものの、依然としてペースを掴めず。

逆に、35分にFC大阪のセットプレー(FK)の好機から、クロスを収められなかった齊藤のこぼれ球を拾った松原のドリブルでカウンター。
スルーパスを受けたオタボーが右ポケットに切り込む(その後パスに切り替えもシュートには辿り着けず)好機となるも、やはりFC大阪の堅守の前に能動的な崩しは厳しく、こうしたトランジションを突くしかない事を示すかのようでもあり。
直後に深津がスタミナ切れか交代となり、深川を投入します。(同時に新里→安達へと交代)

前半にも訪れた、反則量産の流れは後半も健在で、38分には桐がパスを受けた所を久保が倒してしまい反則。
すると勢い余った久保がボールを蹴り出してしまい遅延行為で警告と、リードしている側のFC大阪もその精神状態は決して楽では無く。
直後にFC大阪が最後の交代を敢行、下澤・古川→禹相皓(ウサンホ)・武へと2枚替え。
その後ハイボールの競り合いでの都倉に対する江川の反則で岩手のFK(左サイドから)となるもモノに出来ず。
その流れで、禹が自陣で浮き球をクリアした際に深川に倒されて反則・警告と、エアバトルでの反則が異常に目立っていたこの日。

この反則の流れはまだ続き、今度は42分にチャンスエリアで久保が安達に倒された事で、直接FKの絶好機を得たFC大阪。
中央やや左寄りという位置から直接狙ったのは禹で、ゴール左下を襲ったこのシュートをGK大久保がセーブ。
その後のCK、時間稼ぎも含めたショートコーナーからのパスワークを敢行するも、遮断した岩手が矢印を反転させ。
そして左サイド奥まで運んだ末にCKまで持っていき、CK攻勢に突入してその3本目の右CK。
キッカー安達のクロスをニアで西がフリック、浮かせた所に中央で都倉が跳ぶという流れるような攻撃も、GK永井も跳んでキャッチした事で両者交錯し反則で終了となります。

既に時間はATで、FC大阪は前掛かりな岩手の裏を突くロングパスでこちらもCKに持ち込むと、今度はキープの体勢で完全に逃げ切り体制に。
それをスローインも絡めて何度も続け、時計の針を進めたものの、最後はまたも反則絡み。
何とか敵陣に運び返した岩手は、左スローインからオタボーがドリブルで切り込む体勢に入った所、後ろから禹が腕でチャージして反則。
これによりエリアからすぐ手前という位置(左ハーフレーン)での直接FKとなるも、時間も押し迫り事実上最後のチャンスに。
これを蹴ったのはセンターバックの深川でしたが、シュートはゴール左上へと外れて、同点にする事は出来ませんでした。

そのまま試合終了の時を迎え、0-1で逃げきったFC大阪。
10試合で失点4と、その堅守は伊達では無い事を証明する試合となりました。

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