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DAZN観戦 2022年J2リーグ第42節 モンテディオ山形vs徳島ヴォルティス

2022-10-25 16:00:56 | サッカー視聴記(2022年J2)

※前回の山形の記事はこちら(41節・大分戦、3-0)
※前回の徳島の記事はこちら(39節・町田戦、3-2)

<前節からの変更>

山形=11人とも変更無し。過去4試合で全部スタメンの選手が5人・全部出場が4人(+ベンチのデラトーレとチアゴ・アウベス)と、レギュラー陣を全面的に信頼して世紀の一戦に臨む。

徳島=入れ替えはセンターバックの石尾→カカの1人だけ。前節負傷交代の内田も問題無くスタメンを続け、また出場停止明けの杉森はベンチに留めてジョーカーに。

スタメン

ついに迎えた最終節。
既に降格クラブも自動昇格クラブも決定済みで、後はプレーオフ圏の争いというだけですが、それも既に残り一枠を決めるのみとなり。
そしてその候補となっている山形のホーム・NDソフトスタジアムでは、同じく候補の一つである徳島を迎えての試合、つまり直接対決というカードとなりました。
とにかく勝利が最低条件である山形は、ホームの後押しを力に変えられる事が何よりも必要となった一日。

ボール保持・主体的な攻撃・ゲーゲンプレスという、どちらも似たり寄ったりなチーム特性。
その中でどう変化を付けていくか、言わば立ち上がり(もちろん前段階で頭に入れられていればそれに越した事はない)で相手の弱点を見切れるかどうか大一番の勝負の分かれ目でしょうか。

その立ち上がりは徳島が攻撃権を握り。
普段通りのスタイルで、両ウイングを中心にサイドでボールキープしつつ、サイドバックが上がって前線に絡む攻撃でエリア内へチャンスボールを供給していきます。
受ける立場となった山形ですが、マイボールとなったのちは、早めにサイドに移したのち裏狙いのパスを見せていく姿勢が中心となり。
そんな両チームの思惑は、若干山形が相手を意識した風な立ち回りで、徳島の出足の速いプレスを逆手にとらんという思惑が傍らからでも感じ取れました。

そしてサイドバックが高めで絡む徳島の攻撃を見て、スイッチを入れ始めたでしょうか。
前半8分に最終ラインから左サイドへ展開したのち、川井が素早く徳島・エウシーニョの裏へスルーパスを送ると、抜け出した加藤が倒されて反則。
完全に後追いとなって倒してしまったため、警告を受ける事となったエウシーニョ。
これで心理的にかなりのアドバンテージを得た(と思われる)山形。
11分には右サイドを2タッチでのパスワークで前進していき、徳島ディフェンスの寄せを物ともしない攻めを見せ。(シュートには繋がらず)

ディフェンスで後手に回るシーンが増えていく徳島、14分には山田康太に対してアフターチャージした杉本も警告を受けるなど目に見えて押し込まれ。
頭の中を掻き回された影響か、15分にとうとうビルドアップをミスしてしまい、GKホセ・アウレリオ・スアレスの白井への縦パスがズレてしまい山形がショートカウンター。
藤田のダイレクトパスを受けたディサロ燦シルヴァーノ、数的同数を確保したうえで放たれた強烈なシュートがゴール右へと突き刺さり。
絶好機を確実に決めきり、先手を取った山形。

その後も執拗に裏を狙う山形に対し、反撃したい徳島はそのベクトルの向け方に難儀する事となり。
リードされた分守勢に回る事を良しと出来ないのは当然で、ここ最近攻撃で活躍していた超攻撃的SBのエウシーニョは特に悩まされていたようでした。

そして最悪の形となったのが20分。
右サイドからダイレクトでの繋ぎで前進していく山形、藤田のラフなミドルパスが完全に裏を取る事となった結果、抜け出した加藤を再び後追いで倒してしまったエウシーニョ。
当然カードの対象となり2度目の警告を受けた結果、赤いカードを突き出されて退場となってしまいます。(正直一発レッドでも可笑しくないシーンではあった)
この一大決戦で、早々に数的不利を強いられる事となった徳島。

この反則で得た、エリアからすぐ手前という位置での山形の直接フリーキック。
ディサロのフェイクを交えたのち國分が直接狙い、ゴールポスト左を叩く際どいシュートとなりましたが、何とか2点差にはならずに済んだ徳島。
すかさず杉本→安部へと交代して4バックを保ちます。(新井が右SBにシフト、4-4-1の布陣に)

それでも一人減った事により、元からスペースを作ってしまいピンチを招いていた流れを変えるのはほぼ不可能に。
25分の山形の攻撃のように、サイドハーフ(加藤)が下がる事によって簡単にスペースが生まれてそこを突かれる(川井のミドルパスに山田康が走り込む)など、失点のリスクは増大する事となりました。

何とか山形の猛攻を凌ぎ、プレッシングの姿勢を控えめにして裏狙いをケア。
そして最終ラインから繋いで反撃に掛かりますが、そうなるとフィニッシャーが減るという具合に、いたちごっこのような戦いを余儀なくされるのは変わらず。
1トップの藤尾にラストパスを集めるも、カットされたり惜しい所で繋がらなかったりで、エリア内を突く事すらままならなくなります。

結局山形の攻撃機会が多い流れは不変であり、その山形も完全な崩しを狙うためシュート数は膨らまず、クロスが惜しくも合わなかったりというシーンも目立ち。
少ない徳島の攻撃でもシュートは生まれず、といった流れで推移していった前半。
1-0のまま折り返す事となりました。

巻き返すべく微調整を図りたい徳島。
ハーフタイムの段階で浜下→石尾へと交代し、これで3バックへとシフトする事となり。(右から内田・石尾・カカ)

そして迎えた後半。
前線の選手を削った事で気になる徳島の布陣はというと、3バック故にウイングバックを置くのは当然で、右が新井・左が安部というのも変わらず。
藤尾が最前線というのも変わらずで、シャドー的な立ち位置に西谷・児玉の2人が居り、そしてアンカーとして白井が立ち。
フォーメーションで表せば3-3-2-1(3-1-4-1)というのが正しいでしょうか。(放送席では児玉・白井がボランチの3-4-2といった認識)

その入りの後半1分に安部が(山形・國分に)反則を受けた事で、左サイドからのFKに。
キッカー児玉のクロスをファーサイドで藤尾がヘディングシュートを放ちましたが、擦らし気味に合わせた結果ゴール右へと外れてしまい。

これでいける流れを作ったかに見えましたが、そうなると前へと人数を掛ける事となり、その結果山形の縦に速い攻めが再び牙を剥き。
4分には藤田の縦パスを受けた山田康がドリブルで中央を運び、徳島・新井に後ろから倒されて反則。
危険なポイントで山田康が受け、それを反則で止めるという前半の流れが呼び起こされる事となりました。
この直接FKも國分が直接シュートを放ちましたが、これは壁を直撃して実らず。

当初は両WBが下がり、5バック気味に守っていた徳島でしたが、時間が進むにつれて守備時でも新井の位置が前のめりになっていき。
そのスペースを右CBが埋める訳でも無く、意識のズレが形に表れてしまっていたのが残念でした。

そして山形がそこを執拗に狙っていく流れとなり、迎えた13分。
弱点とは逆の右サイドから前進していき、それは容易に事が運ぶ(安部が前に出て、カカが開いて埋めようとするもあっさり裏を取られる)という具合に、守備のグラつきは隠せなかった徳島サイド。
半田のスルーパスを受けた藤田がエリア内右からグラウンダーでクロスを入れると、中央で合わせたのはディサロ。
オフサイドラインを絶妙に掻い潜ってのシュートが突き刺さり、6位へ大きく前進する2点目を挙げました。

ほぼ絶望的という状況に追い込まれた徳島。
18分には自陣からのFKでもGKスアレスが放り込みを選択する(カカが折り返すもフィニッシュは撃てず)等、半ば強引にという姿勢が顔を出していき。
その後も山形にサイド奥まで運ばれてのクロス攻勢を受け続けます。
流れを変えるべく、21分に再度交代。
児玉・内田→一美・杉森へと2枚替えを敢行し、システムも4-3-2へ。
一美・藤尾の2トップに、SHをハッキリと置く(右=杉森・左=西谷)形を採りました。
バランスの悪さが多少解消された事で、展開は何とか五分に持ち込まれ。
ターゲットを増やし、サイド攻撃を形にせんとクロスを入れていく徳島でしたが、正直遅かった感もあり。

一方の山形も相変わらず隙あらばゴールを狙いにいき。
25分にはクロスの跳ね返りを中央で拾い、加藤が再度エリア内を突いてシュートしましたが枠外に。
燃料切れの合図を告げたかのように、直後にチアゴへ交代となった加藤。(同時にディサロ→デラトーレに交代)

シンプルなクロス攻勢に舵を切った事で攻撃機会も増えていった徳島ですが、依然としてフィニッシュには辿り着かず。
逆にシュートを撃てなかった時には危ういカウンターが待っているという、ビハインドかつ数的不利のリスクを存分に味わう事となります。
31分にはコーナーキックから、クロスをキャッチしたGK後藤のスローによる直接カウンター、チアゴのスルーパスを受けた國分がエリア内右を突き。
そして放たれたシュートはGKスアレスが足でセーブと、紙一重での凌ぎを余儀なくされます。

32分に最後のカードを切る徳島、白井→長谷川雄志へと交代。
それでも容易に流れを変えられる訳では無く、地道に攻撃を続けながら、山形のカウンターをケアするという展開が続き。
最終ラインに降りて攻撃を作りたがる長谷川雄を受け、サイドに一美が開く事によって前進をカバーする、といった立ち回りにシフトしたのが大きな変化でしょうか。

山形は勝利に向け、38分に國分→河合へ、41分に山田康→小西へ交代と着実にカードを切っていき。
そして43分にCKを得ると、クリアされたのちの二次攻撃でエリア内への放り込みを収めたチアゴが反転しながらシュート(GKスアレスセーブ)と、ノーリスクでの追加点も狙いにいきます。

徳島は44分に右へと開いた一美が新井とのコンビで前進、スルーパスを受けてエリア内右からシュートを放ちましたがゴール左へと外れ。
結果的にこれが最後のフィニッシュとなりました。
いよいよ後が無くなり、迎えたアディショナルタイム。
再び徳島のCKから、GK後藤のスローでカウンター気味に攻める山形、クロスの跳ね返りを半田がヘッドで繋ぎ。
これをデラトーレがダイレクトでエリア内へ送り、そこにチアゴが走り込んだ結果、長谷川雄に倒されて反則。
エリアライン際という際どい位置ながら、主審(高山啓義氏)によってPKの判定が下される事となりました。(この際の異議?でGKスアレスに警告)

既に2点差を追いつかれる可能性は無に等しい時間帯でしたが、これをチアゴがキッチリGKの逆を突いて右へと決め、3点目。
そしてキックオフ→山形のスローインをこなした所で、試合終了を告げる笛が鳴り響き。
既に他会場で仙台が引き分けに終わっていたため、山形が逆転で6位に滑り込む事となりました。

結果的には退場が大きく響く事となりましたが、それを誘発したのは山形の執拗な縦に速い攻撃+裏狙い。
徳島にとっては19戦無敗という成績面もあり、「自分達のサッカー」に縋り過ぎた感がありました。
しかし最後に敗戦で終わった事で、下手に引き分けで逃すよりはある意味スッキリした散り際だったでしょうか。

そんな徳島をかわし、土壇場でプレーオフ出場を決めた山形。
6位でありホームの雰囲気には頼れない状況ですが、この日のような猛烈な崩しで一波乱起せるかどうか。

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DAZN観戦 2022年J1リーグ第31節(順延) 清水エスパルスvsジュビロ磐田

2022-10-24 20:31:32 | サッカー視聴記(2022年J1)

<清水スタメン> 4-4-2(4-4-1-1)
GK 権田
RSB 片山 CB 立田 CB 鈴木義宜 LSB 山原
RSH 中山 DH 白崎 DH 松岡 LSH カルリーニョス・ジュニオ
FW チアゴ・サンタナ ST 北川
<磐田スタメン> 3-4-2-1
GK 三浦
RCB 森岡 CCB 伊藤 LCB 山本義道
RWB 鈴木雄斗 DH 山本康裕 DH 上原 LWB 松本
IH 山田大記 IH 金子
FW 杉本

歴史の長いダービーマッチは得てして「血で血を洗う」という表現が相応しくなりがち。
しかし今年はこの押し迫る状況で、17位と18位の戦いという要素も加わり、デスマッチと呼ぶ事すら生温く感じる一戦となりました。

前試合は首位・マリノス相手に勝利した(1-0)事で、首の皮一枚望みを繋いだという状況である最下位の磐田。
しかしそんな流れに水を差すように、ファビアン・ゴンザレスの契約問題におけるニュースが浮上してしまい、このままでは来季の選手獲得が全面的に不可能となってしまう事態に。
つまりは移籍する選手の穴埋めが出来なくなるという事であり、ここに来て何としても残留しなければならない理由を一つ増やすに至ってしまいました。
一つ上の17位つまり清水との勝ち点差は4で残り3試合、絶対に落とす事は許されない一戦となった静岡ダービー。

いきなりの前半1分に中山のボールカットから攻める清水、白崎が持ち上がってのミドルシュート(GK三浦セーブ)で幕を開け。
磐田にとって見れば、どうして降格圏に居るのか不思議に思う程の名選手を揃えている清水。
そんなメンバーに、この日はロングスローが出来る片山がスタメンに加わった事で、細かな繋ぎとアバウトな前進を織り交ぜた攻撃を繰り出していきました。

それに立ち向かう磐田は傍らから見ていても苦しさが伝わって来ますが、必勝が求められる状況で泣き言を言える訳も無く。
清水の左サイドからの前進を未然に防ぎ、何度か敵陣でボール奪取するシーンを目立たせ、対抗姿勢を取ります。
それでもカルリーニョスの推進力はじめ、止められない時は止められず。
20分に北川が左で受けたのを切欠として奥を突くカルリーニョスから、一旦戻されたのち右へとサイドチェンジ、受けた片山から低いクロス。
中央でサンタナが収めるとそのまま反転シュートに持っていき、ブロックに遭いこぼれたボールに白崎が反応してシュート、GK三浦が足で何とかセーブ。
しかしさらに攻撃継続、エリア内右で拾った中山からのクロスにサンタナが合わせヘディングシュート(ゴール左へ外れる)と、立て続けにゴールを脅かされる危機を招きました。

飲水タイム(23分)ののちも、清水の強力助っ人のゴールへの圧力に再三悩まされ。
この日はボランチにホナウドが不在も、白崎がそれにとって代わるように最終ラインに降りてのビルドアップ・前線に跳び出す役割をこなしてカバー。
28分はスローインから繋いでサンタナがエリア内へラストパスを送ると、北川がスルーした所にカルリーニョスが走り込んでシュート。(GK三浦セーブ)
29分には磐田のクリアミスを左サイドで拾ったカルリーニョス、カットインでハーフレーンに移ったのちシュート。(ブロック)

厳しい凌ぎを強いられる磐田、そして34分についに決壊します。
右サイドからのCK、キッカーの位置に2人が立つ変則形を取った清水は中山のフェイクから山原がクロスを入れると、ニアサイドで白崎が走り込んでのフリック。
そして中央で鈴木義が足で折り返したボールを収めたサンタナ、すかさずシュートを放ちゴールネットを揺らし。
磐田の守備をぶち破ったのはやはり助っ人のサンタナで、先制に成功した清水。

追い掛ける立場となり、マリノス戦のような専守の姿勢では勝てなくなった磐田。
最終ラインから主体的に組み立てる姿勢へと傾倒していくも、攻撃同様に守備でもパワーを見せる清水の前線。
その猛烈に走り回るプレッシングに対し悪戦苦闘は避けられず。
それを何とか掻い潜って前進を果たした41分、右サイドから上原がクロスを入れ、ニアサイドで金子が収めたのち山田大へと渡り。
しかし中山の反則気味のチャージを受けて奪われると一転して清水がカウンターに持ち込む(シュートには繋がらず)という具合に、守備が薄くなっての追加点のリスクも高まる事となりました。

ダービーマッチ故という観点では、前半から何度かヒートアップし危うい場面が見られ。
36分に磐田・伊藤にボールを奪われたカルリーニョスが反則を犯すと、激しく異議を唱えるシーンとなり。
45分には磐田のCKで、クロスをダイレクトで抑えたGK権田でしたが、その後磐田・森岡の妨害を受けた事で逆に森岡に対しチャージしてしまい。
それは思わずユニフォームの胸倉を掴む程であり、二重の意味で負けられないという試合にある意味相応しくもあり。

結局前半は1-0のまま終え、迎えた後半。
早めに同点に追い付きたい磐田ですが、清水のような助っ人に頼れない状況では出来る事は少なく。
その中で、何度か攻撃に絡んでいた鈴木雄を中心とした右サイドアタックに活路を見出します。
3バックを全体右へとスライドさせ、伊藤・山本義の2CBという形を中心としたビルドアップを根底として前進。

しかし右サイドで奥へと辿り着いても、清水ディフェンスの戻りもあって中々クロスを入れられず、ないしは入れてもブロックに遭うシーンが目立ち。
そして人数を掛けた故のカウンターの恐怖も襲い掛かり、後半11分には金子の戻しのパスをカットされて清水の逆襲に。
カルリーニョスのドリブルからのスルーパスを、走り込む中山に対し何とか山本義が蓋をして防ぎます。(その後中山が山本義を倒してしまい反則)
19分には再びカルリーニョスのドリブルでカウンターになりかける所を、上原がスライディングで倒してしまい反則・警告。
攻撃よりも、守備で圧力を受けるシーンが圧倒的に目立ち、中々反撃機運を高められません。

何とか流れを変えようと、14分に山田大・金子→ジャーメイン良・大津に2枚替え。
続く22分には松本・上原→松原・遠藤に2枚替えと、ベンチも積極的に動きましたが、大勢は変わらず後半の飲水タイムが挟まれます。(23分)

元清水の松原がピッチに立った事で、彼が最初にボールを持つだけでブーイングが起こるという具合に、ダービーマッチの色は一層強まるスタジアム。
25分にようやく磐田の右サイドアタックが結実し、鈴木雄の縦パスを受けた大津がエリア内右奥へと切り込んでグラウンダーでクロス。
後半初めてクロスが中央に入る絵図が作られるも、走り込む杉本の手前でGK権田にキャッチされ実らず。

一方の清水、27分に中山が足を痛めるアクシデントに見舞われ、すかさずベンチが動いてヤゴ・ピカチュウを同ポジションで投入します。
それでも依然として優勢なのは変わらず、30分には右サイドでのスローイン(終始片山の長い距離のスローが脅威となっていた)から奥を取り、エリア内へのパスは跳ね返されるも中央で拾ったカルリーニョスがミドルシュート。
ドライブ回転でゴール上部を襲い、GK三浦が何とかセーブしてCKとなると、そこからも松岡がミドルシュートを放ち(GK三浦キャッチ)遠目からも磐田ゴールを脅かしに掛かります。

一向に挽回出来ない磐田、34分に最後のカードを切り山本義→古川に交代、そして4バックへと布陣をシフトします。
<後半34分以降の磐田> 4-4-2
GK 三浦
RSB 鈴木雄 CB 森岡 CB 伊藤 LSB 松原
RSH ジャーメイン DH 山本康 DH 遠藤 LSH 古川
FW 杉本 FW 大津
マリノス戦の殊勲となった高卒新人・古川の投入に、憚らずも賭ける形となります。
その古川は37分、左サイドからの前進を奥への切り込みで締めてクロスを上げると、ファーサイドゴール付近でGK権田が辛うじて弾き。
これにジャーメインが追撃にいくもディフェンスに阻まれて撃てずと、可能性を感じさせるシーンを創出します。

一方の清水はその直前の36分、浮き球をエリア内左で受けた北川がディフェンスに遭いながらも中央へ運び、サンタナのシュート(ブロック→GK三浦キャッチ)に繋げ。
助っ人が躍動する中でセカンドトップとして攻撃を支えてきたこの日の北川でしたが、38分に退く事となり。
代わってベンジャミン・コロリが投入され、先程のピカチュウと併せて「ここに来てまた助っ人が増えるのか……」という気分を齎したものの、これは不発となり以降失速します。

とはいってもその主要因の一つが、40分に杉本が生み出した珍妙なシーンであり、何とも言い難いのですが。
ボールと無関係な所で清水・白崎のチャージを受けると、味方がパスを繋いでいるのを尻目に一方的に白崎に詰め寄り、反撃の手を突き出しにかかる杉本。
ダービーマッチの熱さ云々というよりは、そこから何か歯車が違っていたとしか思えない杉本の蛮行に、異様な空気を生み出されたのがホームの清水にとっては災難だったでしょうか。
これが磐田ベンチにも伝染したか、暴言を吐いたとして西野泰正コーチに警告が出されるという事態も招き。

思わぬ水入りが入り、さらに45分に片山が足を攣らせてしまい、交代準備の間に数的不利を強いられるなどリズムが乱れてきた清水。
そのままアディショナルタイムに突入し、何度もクロスを入れるなどゴールに迫る磐田。
何とか片山→原への交代を果たし11人に戻った清水でしたが、直後の磐田の左スローインからの攻撃。
松原がエリア左脇でキープするも囲まれ、清水・ピカチュウに倒されてボールがこぼれ。
しかし古川が拾って攻撃を継続させると、入れられたマイナスのクロスをニアで受けたジャーメイン、ワントラップからのボレーシュート。
狙いすましたシュートがゴール左へと突き刺さり、土壇場でついに同点に追い付きます。

ATで追い付かれてしまった清水ですが、これが今季7度目の(勝ち点を失う)後半ATの失点という事で悔やんでももう遅く。
直後のキックオフでの攻撃、立田のロングパスから巧く繋がった末にサンタナがエリア内中央からシュートしましたがゴール上へと外れ。

危ういシーンを作ってしまった磐田ですが、直後に自らも決定機を作り。
GK三浦のロングフィードから、収めた杉本のシュートはブロックされましたが尚も繋ぎ、ジャーメインのスルーパスでエリア内右を突いて鈴木雄からマイナスのクロス。
合わせにいったのは古川、シュートは清水・原にブロックされるも横にこぼれたボールを再びシュート。
しかし決まったと思われたそのシュートは、ふかして大きく外してしまいました。
そして決まるのとそうで無いのとでは天と地程の差、というのを実感する事となった磐田サイド。

その後杉本に反則を犯した立田が異議を唱えて警告を受ける等、杉本ワールドに引き込まれた影響が未だ健在のようであった清水。
しかし最後にカウンターに持ち込み、ピカチュウのドリブルからのスルーパスを受けたのはサンタナ、そのままエリア内左に持ち込み。
後は撃つだけ、といった所で必死に戻ってきたのは先程決定機を外した磐田・古川で、そのディフェンスを受けて撃てずに終わります。

そして試合終了を告げる笛が鳴り、1-1で引き分けに終わった静岡ダービー。
磐田にとってはとうとう、残り試合全勝しか残された道は無くなる崖っぷちへ。
一方の清水も、今季も残留決定する時は最終節(ないしは入れ替え戦)というのが確定し、呪縛から抜け出せず。
「サッカー王国・静岡」というのは遠い昔になりつつある事を痛感させる試合だったでしょうか。

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TV観戦 2022YBCルヴァンカップ ノックアウトステージ決勝 セレッソ大阪vsサンフレッチェ広島

2022-10-24 16:00:46 | サッカー視聴記(2022年その他)

<C大阪スタメン> 4-4-2
GK キムジンヒョン
RSB 松田 CB マテイ・ヨニッチ CB 鳥海 LSB 山中
RSH 毎熊 DH 奥埜 DH 鈴木 LSH 為田
FW 加藤 FW 上門
<広島スタメン> 3-4-2-1
GK 大迫
RCB 塩谷 CCB 荒木 LCB 佐々木
RWB 野上 DH 野津田 DH 松本 LWB 川村
IH 満田 IH 森島
FW ナッシム・ベン・カリファ

天皇杯決勝の衝撃の結末から間もないうちに、もう一つのカップ戦も決勝を迎え。

その両方を戦う事となった広島は、激戦空しく敗者となってしまった立場。
これで天皇杯は6度目の準優勝と、目前まで迫りながらもどうしても届かない大会と化しつつあり。
果たしてこのルヴァンカップでもそれは継続されるのか、あるいは呪いを置き去りにする事が出来るのか。

世紀のキックオフから、前半1分にその広島が先制攻撃。
セレッソの浮き球パスをダイレクトで塩谷が縦パスで繋ぎ攻守交替、カリファのラストパスをエリア内で受けた満田がシュート。(GKキムジンヒョンキャッチ)
そんな意気込みを肌で感じるファーストシュートとなりました。

しかし相手のセレッソも、前年にルヴァンカップ決勝で涙を呑むという雪辱を果たしたい立場。
広島の思い溢れる攻勢を跳ね返しつつ、4分にこちらも好機を迎え。
右サイドで毎熊が持つと、上門に託したのちスルーパスに走り込んでクロス。
このグラウンダーのボールに走り込んだのは上門で、ニアサイドで合わせてのシュートはゴール右へ外れと、毎熊・上門の2人で攻撃を完結する早い攻め。
セレッソは続く5分にも、裏へのロングパスを受けた加藤がエリア内右からクロス、中央で受けた奥埜がシュートと広島ゴールを脅かすもこれはオフサイドディレイで無効となり。
かくして、ともに悪い思い出を払拭すべくの戦いが幕を切られました。

立ち上がりにハイテンションな攻撃を見せたのち、ここからは様子見に入る両チーム。
相手が2トップのため、広島の3バックでのビルドアップは殆ど可変せず。
セレッソサイドもサイドハーフを加えてのプレスにいくかどうか、試合全体を考慮しての判断を常時行っているような立ち回り。
22分に左サイドからの広島の攻撃を受けるセレッソ、佐々木→森島への縦パスに対し、奥埜が森島に付くか前に出るのか迷いを見せてしまった事でそれを通してそのまま奥まで運ばれ。
そして川村のグラウンダーでのクロスが入る(シュートには繋がらず)というシーンのような、いわば中途半端な姿勢が危ぶまれる流れだったでしょうか。
そんな相手の姿勢からある程度余裕を持ってボールを回す事は出来た広島ですが、全体的な印象は天皇杯決勝の時と同様、ボールを失わない事を重視するような攻撃。

一方一般層(この日はフジテレビの放送)にもご存じとなった風である、今季の強みである広島のプレッシング。
主に最前線のカリファがセレッソのCBヨニッチに相対し、右SBの松田に対し左シャドーが付くという姿勢。
そのためセレッソは立ち上がりに見られた右サイドからの前進はある程度諦めざるを得ないといった攻撃の流れとなりました。
言い換えれば、どれだけ逆の左サイドから良い攻めが出来るかが試される事であり。
16分自陣で山中がパスカットに成功すると、こぼれ球を拾った鈴木がスルーパス、受けた加藤がカットインでエリア内左を突き。
前述の4分のシーン同様、早い攻めで好機を作りましたが、放たれたシュートはGK大迫にセーブされて先制ならず。
この他にも長短織り交ぜながら繋ぎ、山中がクロスを上げるシーンを量産させたセレッソの左サイドアタックでしたが、得点には至りません。

先制点を奪うよりも、奪わせないといった思惑が目立つ事となり、次第に膠着状態に。
そんな展開ではセットプレーの比重が大きくなるもので、28分の広島はカリファがポストプレイをする所にセレッソ・鳥海のチャージを受け倒れて反則。
これで右ハーフレーン・エリアからやや手前という位置での直接フリーキックを得て、野津田がこれを直接狙ったものの壁を直撃、こぼれ球がその前に構えていた川村に収まるもディフェンスに阻まれ追撃できず終わり。
一方のセレッソも、36分に奥埜が広島・佐々木に倒されて反則・FKを得ましたが、こちらは右サイド深めという位置。
キッカー鈴木は当然ながらクロスを選択、中央に上がったボールを奥埜が合わせヘディングシュートを放ちましたが、枠を捉えられず。

ともにFKから矢を放ち、セットプレーから一発で仕留める事が期待されたもののその機会自体が少ない展開で、CKも28分以降は得られず。
終盤に広島が押し込みを見せ、45分には左サイドで人数を掛け、一旦途切れるも松本のパスカットで継続。
そして川村の低いクロスが入り、中央で満田が合わせにいくもセレッソ・鳥海のチャージを受けて合わせられず(反則無し)、結局フィニッシュを放てず終わり。
良く言えばお互い隙を見せない、悪く言えばリスクを回避したというような全体の印象を残す、スコアレスのままで前半を終える事となりました。

セレッソサイドで思い出されるのが前年の戦い
名古屋との一戦で、前半は優勢に試合を進めながらも、後半に2点を奪われるなど流れを一変させられての敗戦。
その時は後半頭から、ベンチに控えさせていた中心的存在の清武を投入し勝負を賭けに入ったものの、皮肉にもそこからややバランスを崩す事となり敗着といった格好となりました。
この日もその清武がベンチに控えるという同じシチュエーションでしたが、ハーフタイムでは動きを見せず。
そんな不動の姿勢を取った事が奏功したでしょうか。

後半の入りも広島が攻勢に掛かり、再びカリファが広島・鈴木に反則を受けた事で右サイド奥からのFKを得たのが後半3分。
しかしここから、クリアボールを為田が拾ってセレッソのカウンターが齎された(シュートには繋がらず)事で、展開はにわかにセレッソペースとなります。
5分には敵陣右サイドで松田がボール奪取して好機に繋げるなど、勢い付いたか前掛かりな姿勢も見せていき。

そしてそれが得点に繋がる事となりました。
7分(記録上は8分)、セレッソの攻撃を切り最終ラインでボールを持つ広島、前述の奪われたシーンも過ったか佐々木はGKへのバックパスを選択。
しかしこれが短くなり、反応良く前に出たセレッソ・加藤がエリア内でカットに成功、GKと一対一という願っても無い好機を迎えます。
そして大迫を右にかわし、やや体勢を崩しながらも放ったシュートがゴールに突き刺さり。
値千金の先制弾を奪い、興奮のままゴール裏のサポーターに向かって吠える加藤。

その流れのまま押し切りたいセレッソは13分にもチャンス。
しかもGKキムジンヒョンのロングフィード一本という作り方で、抜け出してヘッドで受けた毎熊がそのままエリア内へ進入しシュート。
GK大迫のビッグセーブに阻まれるも、引き続きの右CKからもヨニッチがヘディングシュートを放ち、ゴール左へ際どく外れと脅かし続けます。

何とか試合を決められずに済んだ広島、15分にカリファが右サイドで突破を図り、囲まれて奪われるも野津田のパスカットで即時奪回。
そして満田が右ハーフレーン・エリア手前からシュートを放ち(ゴール右へ外れる)、反撃体制を整え。
18分には右サイドで人数掛けてのパスワークから、野上の低いクロスがニアサイドを突き、跳び込んだカリファのヘディングシュートが放たれましたがGKキムジンヒョンのセーブに阻まれます。
段々とパワーを持っての攻撃が出来るようになった広島、それを保つべく直後には松本→ピエロス・ソティリウへと交代。
最前線に入るソティリウを受け、カリファがシャドーへ・満田がボランチへと一列ずつ降り。

その後セットプレーから、19分に佐々木がヘディングシュート(枠外)・23分にカリファがヘディングシュート(ゴール右へ外れる)と同点を狙う広島。
それを受けたセレッソは、20分に鈴木が顔面にボールを受けて倒れ込んだり、23分に加藤が反則を受けると同時に足を攣らせてしまうなど(仕方無いにせよ)劣勢の様相を見せるに至ってしまい。
担架で運ばれた立役者の加藤の姿を受け、このタイミングで清武を投入するセレッソベンチ。(同時に上門→北野へと交代)

押され気味となるのは仕方無いですが、それでも落ち着かせる時間は確保したいというセレッソ。
27分にCKを獲得するもそこから広島のカウンターを招いてしまい、森島の右からのクロスにソティリウが合わせるも枠外に。
冷静さを保ちたいセレッソ、直後にはヨニッチがクリアにいった所に広島・カリファが足裏でチャージしてしまい反則・警告。
広島サイドの蛮行といえるシーンでしたがこれが伏線となり、結果的にその後の物議を醸すシーンを招いてしまいます。

31分、ハイボールの競り合いで再びヨニッチとカリファのやり合いとなり、今度はヨニッチの反則に。
すると次の瞬間、起き上がったカリファに対しヨニッチが激高して小突いてしまい、追加で警告を受ける事態となります。
しかしこれだけでは終わらないのが、VARというシステムが導入された現代のサッカー。
退場か否かで審判団はVARチェックに突入、OFRにまで発展するというヨニッチならびにセレッソサイドにとって緊張の瞬間となり。
そしてヨニッチがカリファに手を出した際に拳を握っていた、言わばパンチのような形になっていた映像が公に晒される事に。
言い訳の利かない形が出来上がってしまった末に、フィールドに戻ってきた主審(山本雄大氏)はヨニッチに対して赤いカードを突き出します。
退場処分となり、以降10人での凌ぎを余儀なくされたセレッソ。
すかさず(といっても長らく試合が止まっていたため35分)為田→西尾へ交代してCBを補充します。
<後半35分以降のC大阪> 4-4-1
GK キムジンヒョン

RSB 松田 CB 西尾 CB 鳥海 LSB 山中
RSH 毎熊 DH 奥埜 DH 鈴木 LSH 森島
FW 北野
一方の広島も同時に野津田→柏に交代、左ウイングバックに入った事により川村が本職のボランチに回ります。

といっても、セレッソがその形をハッキリ姿にし始めたのは39分の事。
それは、36分に山中が広島・野上のチャージを受けて激しく痛んでいた(反則・野上に警告)のが主要因であり、中々起き上がれずにベンチも一度は交代要員(舩木)を準備した程で。
しかし2分程経過して起き上がった山中、男気を見せてその後もプレーを継続するに至ります。
その後空中戦で北野を倒した荒木も警告を受ける(40分)など、退場者を出した事で荒さが浮き彫りになってきた試合絵図。

数的優位となった広島、当然ビハインドを跳ね返すべく攻撃権を支配。
セレッソの4-4-1ブロックの外側でひたすらパスを繋ぎチャンスを伺うその姿は、獲物を狙う虎、いや熊そのものといった所でしょうか。
しかし攻撃を切ったのちは、広島の最終ライン裏へアバウトに蹴り出すだけという、後は守り切るのみというセレッソの姿勢が強い状況。
それを前に中々フィニッシュを見出せず、45分に川村がミドルシュートを狙うも枠を捉えられません。
そしてアディショナルに入る直前に最後のカードを切る広島、塩谷・野上→柴﨑・茶島へと2枚替えするとともに、川村が最終ラインに降り佐々木が右に回るという変則的3バックに。
満田の1アンカー+2トップの3-3-2-2(3-1-4-2)に近いフォーメーションで、もはやDFを多くする意味は無い、と言わんとばかりの布陣に勝負を賭けます。

そして再び川村が放ったシュートがブロックされた事で右CKを得る広島。
VARチェックもあった事で9分という長丁場のATですが、得た好機はとにかく掴まなければ後が無い。
そんな思いも乗せながらの、キッカー満田のクロスから放たれたカリファのヘディングシュート、セレッソもこれを鳥海が眼前でのブロックで防ぎ。
しかし戴冠への思いが交錯したこのシーンは、それがあまりにも強かったのか鳥海が腕でブロックする形となってしまっており、プレーが途切れた(といってもこぼれ球をさらに荒木・カリファが立て続けにシュートしていたが)のちVARチェックに入る審判団。
そしてOFRとなり、先程のヨニッチの蛮行同様に鳥海の上げた腕にボールが当たるシーンが晒された結果、判定が覆り鳥海のハンド・広島のPKに。

先日の天皇杯と同じく試合終盤に得たPKですが、同点だったその時とは一転して決めなければ地獄、という場面。
託されたのはソティリウで、多大なプレッシャーのなかキッチリとGKキムジンヒョンの逆を突いてゴール右へシュート。
ついに同点に追い付き、文字通りに息を吹き返した広島。

こうなると数的不利の相手に対し俄然勢い付くものであり。
右サイドを押し込んで得た右CK、既に時間は10分経過と再度のVARチェックで長引いたATでしたが、最後といってもいいチャンス。
キッカー満田から上がったクロスにニアサイドで佐々木が跳び、流れるもその奥で合わせたのはソティリウ。
頭から跳び込んだかに見えての足で合わせるという高等技術で放たれたシュートがゴールに突き刺さり、劇的な逆転ゴールが生まれます。
得点を挙げたソティリウがユニフォームを脱ぐほどに、大興奮の渦に包まれる広島サイド。(当然ソティリウに警告)

耐えきれなかったセレッソ、最後の望みを託しキックオフ→鳥海のロングパスから攻め上がり。
パワープレイの如く前線に上がった西尾からシュートが放たれるも、GK大迫に抑えられて万事休す。
1-2で試合終了を告げる笛が吹かれ、広島がルヴァンカップならびに初のカップ戦制覇という栄光に辿り着きました。

その偉業に対し外野から言葉は要らないでしょうが、折りしも試合前日に、闘病中だった元日本代表FW・工藤の逝去が伝えられるという悲しみに包まれたサッカー界。
試合前の黙とうを始め、元同僚であり馴染み深い広島サイドは、工藤のユニフォームをベンチ掲げて試合に臨む事となり。
そんな不幸も乗り越えながら、また一歩強くなったという評価が相応しいでしょうか。

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DAZN観戦 2022年J3リーグ第29節 鹿児島ユナイテッドFCvsテゲバジャーロ宮崎

2022-10-21 19:50:42 | サッカー視聴記(2022年その他)

<鹿児島スタメン> 4-2-3-1
GK 白坂
RSB 木出 CB 小野寺 CB 岡本 LSB 薩川
DH 木村 DH 中原
RSH 牛之濱 CH ロメロ・フランク LSH 米澤
FW 有田
<宮崎スタメン> 4-4-2
GK 石井
RSB 奥田裕貴 CB 奥田雄大 CB 代 LSB 新保
RSH 徳永 DH 千布 DH 下澤 LSH 岡田
FW 北村 FW 橋本

一時期の大不振から復調し、成績を戻しつつある宮崎。
その要因は岡田の長期離脱からの復帰で、22節(YS横浜戦・1-0)でスタメン復帰後4ゴールを稼いで2ケタに乗せるなど量産体制に入り、欠けていた得点力を見事に埋める活躍。
上位陣とも渡り合える力を取り戻したかどうか、この日の鹿児島戦で真価が問われる事となりました。

一方上位の鹿児島にとって、昇格圏を確保しなければならない状況でのこうした昇り調子のチーム相手の試合は難儀するものであり。
立ち上がり、そんな硬さ故か宮崎に攻め込まれる事となります。
前半4分に橋本のシュートがブロックに当たり外れた事でコーナーキック攻勢に入った宮崎。
その1本目(左)で変化を付けてショートコーナー、クロスは跳ね返されるも下澤がダイレクトでミドルシュート、ブロックされるも徳永が拾って尚も繋ぎ。
新保がエリア内左奥からクロスを上げ、ファーサイドで千布がヘディングシュートを放つもGK白坂がセーブ。
続く2本目もショートコーナーから、クロス→奥田雄フリックと変化を付ける等、鹿児島の動きが戻る前に揺さぶって点を奪わんとします。

その後も宮崎が前線からプレスを嵌めパスカットを目立たせる一方、逆に鹿児島のプレスは宮崎のビルドアップにかわされるという対照的な展開。
そんな流れの悪さ故か、8分には米澤が千布のスライディングでボールを奪われると、かわそうとしての着地に失敗して足を痛めてしまう事態が発生します。
一旦ピッチ外に出る→復帰を経てプレーを継続した米澤ですが、14分に再度倒れ込んでしまい交代の憂き目に。(五領と交代、牛之濱が右サイドハーフ→左SHに回る)

その間にも宮崎の猛攻を受け、11分には橋本がドリブルでエリア内を突いてシュート(GK白坂セーブ)、直後のCKでも跳ね返りを北村がミドルシュート。(枠外)
12分にも徳永と下澤に連続してミドルシュートを浴びる(前者はブロック・後者はゴール右へ外れ)など、雰囲気はお通夜になっても可笑しくないホーム・白波スタジアム。
それでも何とかゴールを許さず、飲水タイム(22分・後半は無し)の直前に有田が左サイドをドリブルしてから中央へパス。
ロメロのポストプレイを経て木出がミドルシュート(ゴール右へ外れる)と、フィニッシュで終えた事が良かったでしょうか。

ブレイク明けの最初の好機は宮崎で25分、ショートパスでのビルドアップで、最終ラインから左サイドで前進していき岡田・新保・下澤の3人でパス交換。
しかし北村へ出した所をカットされると、木出のボールキープからカウンターに向かう鹿児島、ロメロが中央へ向かうドリブルを経て左へ展開して好機に持ち込み。
そして牛之濱からエリア内左へスルーパスが送られ、走り込んだ薩川からのグラウンダーのクロスに、同じく走り込んだ中原がニアで合わせて完遂。
相手の攻めっ気を逆手に取った上位らしい攻撃で、先制点に辿り着きました。

優勢に持ち込みながらもリードを奪われてしまった宮崎。
当然早めに追い付かんと攻め上がり、その圧力が鹿児島の反則シーンを呼び込み、30分には北村のドリブルを反則で止めてしまった薩川に警告。

しかし35分に徳永の右からのクロスが跳ね返され、有田が拾った事で再び鹿児島のカウンターが発動します。
牛之濱が左ハーフレーンをドリブルで一気に持ち上がり、カットインを経てペナルティアークからシュート。
ブロックされるも五領がこぼれ球を拾い尚もエリア手前からシュート(GK石井セーブ)と攻め立て。
カウンターでビハインドの相手を脅かすという理想的な展開に持ち込むと、38分にも同様の流れに。
といってもここの宮崎の攻撃は際どく、左サイド奥でロングパスを受けた岡田からの戻しを中央へ展開、エリア内で細かい繋ぎに持ち込んだ末の下澤のシュートが左ゴールポストを直撃。
クリアボールを拾ってさらに仕掛けようとした所を奪った鹿児島がカウンター、ロメロの裏へのミドルパスを受けた有田が宮崎・奥田雄に倒され反則。(奥田雄に警告)
これで左サイドからのフリーキックを得ると、キッカー木村のニアサイドへの低いクロスに、有田がダイビングヘッドで合わせましたがオフサイドを取られ無効に。

カウンターの恐怖に晒された宮崎ですが、43分に千布のミドルシュートがブロックされ、こぼれ球を拾った橋本が鹿児島・ロメロに倒されて反則。
これで左ハーフレーン・エリアからやや手前での直接FKを得ると、キッカー下澤が直接狙いゴール左を襲ったものの、惜しくも枠を捉えられず。

ポイントゲッター岡田と、偽サイドバック的に攻撃に絡む新保の居る左サイドアタックが厄介といった宮崎の攻撃で、そこに下澤も加わって数的優位を確保しようという前半の宮崎。
しかし45分に岡田が鹿児島・木出のチャージを受けて痛み、プレー続行するも復帰故障明けのその身体が心配される事態となります。
アディショナルタイムにはその影響か鹿児島にペースを握られた末、前半を終えました。

そしてハーフタイム、その岡田が退く事となった宮崎。(大熊と交代)
鹿児島サイドもロメロ→端戸へと交代と、ともにカードを使い後半に臨み。

全体的に押され気味の前半を受け、鹿児島は積極的な入りを見せ。
早速の後半1分にプレスを嵌め、端戸の宮崎・代へのプレッシャーから(新保に)縦パスを出させ五領がカットして好機を作るも、シュートまではいけず。
しかし続く2分に宮崎が決定機、千布の斜めの縦パスを中央で受けた北村がスルーパス、受けた徳永がエリア内からシュート。
これを鹿児島・木村がスライディングでブロックして防ぎましたが、際どいピンチを招いた事であっさり積極性は失われてしまいます。

以降は前半同様、宮崎がボールを握って攻勢を仕掛け、同点の機会を伺う展開に。
岡田が退いた事もあり、主戦場とは逆の右サイドアタックが目立った立ち上がりとなりましたが、9分には左サイドで前進。
代わって入った大熊が下澤とのワンツーからクロスを入れ、逆サイドへ流れた所に徳永が走り込んで折り返し。
中央で橋本が合わせましたが、シュートはゴール右へと外れてモノに出来ず。

パートナーが大熊に代わった影響か、前半とは一変して左SBの新保の上がりは自重気味となり。
最終ラインに残るシーンが目立っていましたが、それが鹿児島サイドにとってノイズとなっていたでしょうか。
迎えた15分、中央寄りでボールを持つ新保が右サイドへ展開すると、そのまま上がらず絞った位置で残り。
右サイドでのパスワークののちいきなり徳永が左サイド裏へロングパスを送ると、エリア内左に大熊が走り込む絶好機となります。
そしてトラップで中央へと流れて放ったシュートがゴールネットを揺らし、同点に追い付いた宮崎。
新保が後方に残っていたのを見て、鹿児島ディフェンスは右サイド(宮崎から見て左サイド)はノーマークで良いという意識を作ってしまっていたでしょうか。

この心理的ミスらしき失点が影響したか、直後の16分にはキックオフからの攻撃をトラップミスでボールロストし、すかさず宮崎のカウンター。
下澤のスルーパスを中央で受けた橋本がエリア内を突いてシュート(ゴール右へ外れる)と、ゴールを脅かされた事で一気に窮地に立たされます。

その後勝ち越しを狙いにプレスにいく姿勢は見せた鹿児島でしたが、宮崎のCBにSHが詰めにいくも、遅れてフリーになった隙を突かれて運ばれる等チグハグなシーンが目立ち。
20分にはその流れでフリーになった新保から運ぶ宮崎、逆の右サイド展開したのち千布裏へミドルパス→北村落とし→徳永ミドルシュートという流れるようなフィニッシュ。(GK白坂キャッチ)

25分には同じように宮崎が右サイドでフリーを作って運ばんとするも、牛之濱がプレスバックして奪い逆に鹿児島の攻撃。
薩川が左サイド奥からマイナスのクロスを入れるもクリアされて実らず。
弱点を逆手に取っての攻撃で勢い付けたい所でしたが、直後の26分に鹿児島は最終ラインから組み立てを図るも、左サイドで詰まり奪われて宮崎の攻撃。
縦パス攻勢で前進する宮崎に対し鹿児島は奪回を狙い、ディフェンスに遭うもこぼれ球を拾って攻撃を繋ぐ宮崎。
そして北村からスルーパスが供給されると、受けたのは新保でそのままエリア内を突いてシュート。
ゴールネットを揺らし、この重要な局面でオーバーラップを見事に決めた新保が今季初ゴールとなり、逆転に成功した宮崎。

一気にビハインドとなってしまった鹿児島、激しい昇格争いの渦中故に敗戦は許されません。
28分に五領の右サイドからのクロスに、端戸が合わせヘディングシュートを放つもゴール上へ僅かに外れ。
直後の29分に交代カードを切り牛之濱→星、これにより木出が一列上がって右SHに入り、五領が押し出されるようにスタートの位置の左SHに。
30分その逆サイドに回った五領に決定機が訪れ、宮崎の繋ぎのミスからショートカウンター、有田のスルーパスに走り込んでのシュート。
しかしGK石井に足でセーブされ(跳ね返りを木出が詰めるも枠外)同点ならず。
右サイドでクロス・左サイドでシュートと、左利き故に本来のSHとは逆の仕事を短い時間で慌ただしくこなした五領でしたが、実る事はありませんでした。

その後圧力を増した事で、セットプレーの好機(CK・サイドからのFK)も多く得た鹿児島。
その殆どがファーサイドの小野寺を使っての折り返しで、合わせる所まではいきますがフィニッシュには中々結び付かず。
一転して守勢となった宮崎は、34分に橋本→高橋へと交代。
そして38分に敵陣左ハーフレーンでのFKを得たタイミングで、下澤・北村→内薗・藤武へと2枚替え。
このFKは鹿児島のお株を奪うように、ファーにクロス→奥田雄折り返しでゴールを狙いましたが、楽にする追加点は奪えません。
するとDFの藤武が入った事で3バックへと変更を見せます。
<後半39分以降の宮崎> 3-4-2-1
GK 石井
RCB 藤武 CCB 奥田雄 LCB 代
RWB 奥田裕 DH 千布 DH 内薗 LWB 新保
IH 徳永 IH 大熊
FW 高橋
5バックシステムで何としても逃げ切り、この上位との対決をモノに出来ればチーム力も高まる……という(と思われる)高崎康嗣監督の意図が伺えました。

それを許したくない鹿児島は、40分に中原・有田→野嶽・山本へと2枚替え。
これでチーム最年長である木村のフル出場が決定と、メンバー全体がベテラン揃いという欠点が浮き彫りとなる苦しい立ち回りを強いられました。
42分に右CKの好機、ショートコーナーからのパス交換を経て五領からクロス。
中央で山本がフリックで流し、これをファーサイドでのターゲットを貫いていた小野寺がヘディングシュート。
ゴールネットを揺らし鹿児島の狙いは結実したかに見えたものの、オフサイドを取られてしまい残念ながらノーゴール。

いよいよ焦りが見えてきた鹿児島。
その後43分に宮崎・奥田裕がライン際で鹿児島・薩川のチャージを受けて、ピッチ外で倒れ込んでしまう事態となり。
暫くして起き上がり復帰した奥田裕でしたが、ここで相手ベンチサイドからの暴言?に対していきり立つシーンが生まれてしまい。(恐らくは「ピッチ外に出たのだから治療中に再開してほしい」という思惑で放たれたと思われる)
奥田裕云々というよりは、鹿児島サイドの「どうしても勝たなければならない」という思惑が滲み出たような一幕に写りました。

そのままATに突入し、小野寺を前線に上げてパワープレイに入る鹿児島。
最後の最後に野嶽のロビングを小野寺が落とし、エリア内中央で山本が受けるという好機になりましたが、ディフェンスに囲まれシュートは撃てず終わり。
そして試合終了の笛が鳴り、鹿児島にとっては3位転落となる手痛い敗戦となりました。

勝利した宮崎、復帰した岡田が活躍する(といってもこの日再び離脱が危ぶまれる途中交代となりましたが)一方で、試合から数日後に危機的な事態が生まれ。
離脱中のFW工藤が生命の危機にまで苛まれるという事態になり、各方面から回復を祈るニュースが量産される事となりました。
病気というまさかの事態ですが、決して命の無事が保証されないのがスポーツというのも確かであり。
ともかく自分としても、何とか回復を果たしてほしいと切実に思います。

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DAZN観戦 2022年J2リーグ第41節 大分トリニータvsモンテディオ山形

2022-10-20 16:31:45 | サッカー視聴記(2022年J2)

※前回の大分の記事はこちら(38節・甲府戦、2-1)
※前回の山形の記事はこちら(38節・ヴェルディ戦、0-1)

<前節からの変更>

大分=1人のみの変更で、1トップを長沢→金崎へと代える。長沢はベンチ外となり、新たにベンチに入ったのは中川の他に屋敷が7試合ぶりと、シーズンオフを見据えた起用か。

山形=こちらも1人のみの変更で、左サイドバックが松本怜大→川井。川井は前節ベンチ外で、代わりに松本怜がベンチ外となったので、ベンチメンバーにサプライズは無し。

スタメン

終盤に来てプレーオフ圏争いに加わった山形でしたが、順延試合で思うように勝ち点を稼げなかったのが響いて現在は8位。
残り2試合は大分・徳島と自分より上位が相手であり、確実性に欠ける状況のなか勝利をもぎ取る事が出来るかどうか。

一方の大分は、その苦しい上位対決は前節経験済みであり、こちらは横浜FC相手に撃ち合いを制し(3-2)先んじてプレーオフ圏が確定。
ホーム最終戦を温かい雰囲気で迎える事に成功しましたが、それがこの試合の勝負の分かれ目となってしまったでしょうか。

試合が始まり、どうしても勝ち点3が欲しい山形が仕掛けるも、大分もそこからカウンターを仕掛けたのが前半3分。(シュートには繋がらず)
7分の山形の攻撃、右サイドから仕掛けて山田康太がスルーパス、走り込んだ半田からグラウンダーでクロスが入るとファーサイドで加藤が合わせシュート。
これがゴール左へ僅かに外れるという決定機が生まれると、大分も直後の8分にやり返し、金崎に縦パスを入れてこぼされるも弓場が拾ってチャンスエリアに運び。
そして中央ペナルティアークで町田がシュートを放ち、惜しくもゴール右へ外れと決定機の応酬、実力者同士の好試合といった立ち上がりの絵図となりました。

しかし勝利へのプレッシャーからか、若干山形のボール運びに堅さが見られ、それを改善しようと1トップのディサロ燦シルヴァーノが下がってのポストワークで円滑にしようという立ち回りが目立ち。
一方の大分は最終ラインからの繋ぎの姿勢を維持しつつ、GK吉田舜のロングフィードを1トップの金崎に当て、そこからセカンドボールを拾い組み立てる手法でもリズムを作っていた風でありました。
14分にはその流れから跳ね返りを梅崎が拾い、増山がさらにエリア内の金崎へ浮き球を送り、クリアされるも尚も繋ぎ弓場のミドルシュートが炸裂。(山形・野田がブロック)

そんな差異を感じながら試合は進んでいき、23分には山形がビルドアップの最中にパスミスしてしまい金崎に拾われ、エリア内でシュートを受ける(ブロック)などやはり堅さが危機に直結する流れ。
その直後に中盤で山田康が持ちスルーパスを送らんとした所で、ディサロが抜け出す前に大分・梅崎に倒されるという事案が発生。(梅崎に警告)
ビッグチャンスが生まれそうなシーンも、不運に見舞われ実りません。

ホームでかつ上位の大分に針が振れているといった展開でしたが、それに暗雲が差したのが32分。
町田が筋肉系トラブルに見舞われ倒れ込み、続行不能となり早くも交代カードを切る事となりました。
代わって前節のヒーローである野村が投入されましたが、出来れば後半にジョーカーとしたかった所。

大分のリズムがやや悪くなった影響か、以降山形もビルドアップがスムーズになっていき。
サイドで人数を掛けての細かい繋ぎが冴え渡り、前線へボールを運ぶ回数も増えていきます。
しかしその一方で、大分が37分に金崎のヘディングシュート(枠外)・40分にはエリア内を突いた野村のヒールパスを経て井上がシュート(枠外)と、フィニッシュの面では大分に分があり。

そうした流れで迎えた終盤に更なるアクシデントが。
40分、中盤でパスを受けた山田康が大分・弓場のアタックを受け体勢を崩した所に、後ろから全速力で戻って来た大分・ペレイラのチャージを頭部に受けてしまいます。
激しく痛み倒れ込むその姿に、先日の横浜FCのスベンド・ブローダーセンが救急車で運ばれてしまったシーンがプレイバックされる程で、その通りに2分程立ち上がれず。
頭部固定用の担架も持ち出されましたが、幸い山田康は何とか起き上がりプレーを続けるに至り一安心。

そして突入したアディショナルタイム、今度は大分・井上が頭部を痛める(チャージを受けたのち頭部から倒れてしまう)アクシデントも生まれるなど、中々攻撃のリズムを生み出せない流れに。
ペースを失った大分を尻目に攻撃を仕掛ける山形、藤田のスルーパスに半田が右サイド奥へ走り込んだ事で、ディフェンスに遭いコーナーキックを獲得。
そのCKから、クロスの跳ね返りを拾った川井からさらにロビングが送られると、やや右で野田が跳んだその奥で直立のまま合わせたのはディサロ。
これが綺麗なループヘッドとなってゴールに吸い込まれ、終了間際の先制点となりました。

山形がリードを奪って迎えた後半。
反撃に掛かりたい大分でしたが、優勢の流れから一転ビハインドとなった影響か、攻撃に勢いは無く。
それでも攻撃が途切れてもすかさずゲーゲンプレスにいく姿勢を貫きましたが、それが仇となってしまったのが後半4分でした。
そのプレスを受けてラフな繋ぎを強いられた山形、國分が前へ蹴り出した所にディサロが走り込み。
これを先んじてペレイラが戻りながらのヘッドでGKへのバックパスにしようとした所、GK吉田舜もクリアするため前に出て来てしまったがために、ボールは無人のゴールへ向かってしまう事に。
詰めにいったディサロが触れるまでも無く、無情にもゴールへと転がるオウンゴールとなってしまいました。
労せずしてリードを広げた山形。

これでようやく目が覚めた感があった大分、攻勢に入り。
やはり精神的余裕が、ホームの雰囲気もあり緩みに繋がっていたでしょうか。

その後もボールを握らんとする山形に対し果敢なプレッシングで対抗。
8分には井上が川井に詰めにいき、戻させたのち野田から野村がボール奪取、拾った金崎がシュートを放ちましたが惜しくもゴール右へと外れ。
これを境に、ボール支配はすっかり大分のものとなります。

後半は下田が最終ラインに降りる、ミシャ式の4-1-5という布陣でのビルドアップを貫く大分。
前半のスタートは弓場が一列上がっての3-1-5-1を採っていたのは相変わらずでしたが、試合が進むにつれてこの形へシフトするというのは前回観た際と同じ流れであり。
この日はビハインドで山形サイドが守勢となった事もあり、安定性は後者の方が上かと思ったものですが、プレーオフの場ではどうなるでしょうか。

金崎や野村がシュートを狙っていくも、ジャストミートせず防がれるという今一つなフィニッシュを描いたのちの16分。
クリアボールを拾った三竿からの二次攻撃、エリア内中央でパスを受けた弓場がシュートを放ったものの、左ゴールポストを直撃と惜しい逃し方となり。
前半にも惜しいシュートを見せていた弓場、どちらのビルドアップの形でも攻撃に絡むというキーマンなのは不変だったでしょうか。
そんな中、金崎・梅崎のベテラン2人が燃料切れとなったか17分に揃って退き、伊佐・中川が投入され。

山形はひたすら攻勢を受ける展開でも、大分の最終ラインにプレスを掛けるなど、基本である攻撃サッカーの姿勢は不変であり。
しかしGK吉田舜を交えながらのビルドアップに、嵌る事は無く次々と好機を作られる流れを変えられず。
20分に3枚替えを敢行、ディサロ・國分・加藤に代えてデラトーレと樺山そしてチアゴ・アウベスを投入。
前線の顔ぶれを代えて圧力を出さんとしましたが、これも不発となり。
結局シュートを放つ事は最終盤まで皆無であった後半戦、それだけに大分のオウンゴールが高くついた格好でした。

その流れのままに、まず1点返したい大分。
21分には伊佐の反則気味のボール奪取から左サイドで運び、三竿がスルーパスに走り込んで最奥からクロス、合わせたのはここも弓場。
今度はヘディングシュートが放たれるもこれもゴール右へ外れと、訪れた決定機をモノに出来ません。

一方的な展開が続くもゴールを奪えないといった流れ。
大分の次に打った手は29分、両ウイングバックの位置を入れ替えるというものであり、井上が左に回り増山が右へ。
最初はCK(28分)からの流れかと思われましたが、以降井上の交代まで継続する事となりました。
そして迎えた30分、山形GK後藤の縦パスを伊佐がカットと再びプレスを嵌めて得たショートカウンターのチャンス。
下田のシュートは山形・山﨑にブロックされるも尚も繋いで左サイドを踏襲し、井上がカットインからシュート。(ブロック)
右利き故の期待されるプレーを早速見せた井上。

32分に山形がカードを切り、山田康がお役御免となり小西へ交代。
本来ボランチの小西がトップ下と、守勢が続く展開もあり守備的な布陣にも映り。
尚も攻め立てる大分、36分には今度は右から増山がカットインシュートを放つ(ゴール左上へと外れ)など、ベンチの狙いは形になりつつありました。
しかしその直後に井上が交代となり(屋敷と交代、同時に弓場→エドゥアルド・ネットへと交代)、増山は元の左WBへシフト。

代わって右WBに入った屋敷、39分に右ワイドでのボールキープからカットインしハーフレーンへ移ると、前進に変えてエリア内右を突き。
そしてさらに奥へ切り込んでマイナスのクロスを入れる(カットされる)という具合に、井上・増山とは変化を付けるプレーを見せます。

一向に攻撃シーンを作れない山形。
たまらず40分に藤田→喜岡へと交代すると、喜岡はセンターバックの山﨑・野田の間、つまりリベロの位置に入り3バックへとシフト。
当然意味する事は5バックのシステムでの守りきりであり、プレーオフ進出が掛かった終盤でとうとう守備的な布陣を使う事となったピーター・クラモフスキー監督。

大分がゴールを奪えぬまま、とうとうATへと突入。
山形は左サイドでのスローインから、受けたデラトーレが奥へ切り込んでコーナーでキープする姿勢を作るも、直ぐに奪われ途切れ。

それでも焦りが色濃くなってきた大分、ビルドアップの体勢がとうとう破綻します。
GK吉田舜がパスを出せずに切り返した所を、デラトーレがプレスにいって見事に奪いきり、一転して山形の絶好機に。
そして南→チアゴと経由したのちシュートがGK不在のゴールに放たれ、ペレイラのブロックも空しくゴールに突き刺さるボール。
山形はこれが後半の初シュートでしたが、それをしっかり得点に繋げる形となりました。

その後もめげずに攻める大分ですが、シュートはサイドからのフリーキックで、クロスから伊佐がヘディングシュートを放ったのみ(オフサイドで無効)に終わり。
結局猛攻は実る事無く、0-3のまま試合の幕は閉じられました

山形は勝利した事で、プレーオフの望みは最終戦に託され。
相手はライバルの徳島という直接対決で、勝利が絶対条件(それに加えて仙台の引き分け以下)と苦しい立場ですが、ホーム故に最高の舞台ともいえるでしょう。
果たしてその結末は如何に。

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