カッシーニ軌道船からのこのレーダーイメージは、土星の月タイタンの地表の薄い片を示している。黄色の地域に青い湖と海を振り撒いたように見えるが、これらは水ではなく液体のメタンで満たされている。カッシーニは2004年以来土星を周っており、タイタンを詳細に調査してきた。カッシーニと並んで、ホイヘンス探査機は、2004年12月25日に軌道船から切り離され、11年前の今週2005年1月14日にタイタンに着陸した。これは外部太陽系天体への初めての着陸であった。意図されたように、ホイヘンスは、着陸の後約72分の短い時間データを送り返してそのミッションを終えた。探査機は、降下の間に、月の密度の高い窒素の豊富な大気のユニークな洞察を提供し地表の現場測定を集めた。その発見の一つは着陸地点が乾燥した湖床に似ており、チャンネルと谷が近くにあり、表面の液体の散在を示唆した。このイメージは、軌道船が月の表面から約950キロメートルにあったタイタンのフライバイの間の2006年7月2日の観測からつくられた。
<出典>: 「Space in image ESA」
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<ひとこと>: 土星の月(衛星)タイタン(Titan)は惑星水星よりも大きく、濃い大気と雲があり、表面の気圧は地球の 1.5 倍、大気の主成分は窒素と少量のメタンである。太陽系内の衛星で大気を持つものには木星の衛星イオや海王星の衛星トリトンなどが存在するが、タイタンほどに厚い大気を持つものはない。また、タイタンには地球によく似た地形(例:川や海)や気象現象(例:雨)がある。但しそこに存在するのは水ではなくメタンである。タイタンは当初から土星探査衛星カッシーニによる詳細調査の目的とされた衛星であった。現在もほぼ月一回程度の頻度で接近調査が繰り返されている。