この冬、強いエルニーニョが更に洪水をもたらす可能性
南北アメリカ大陸の西海岸沿いの道路や建物が浸水するような高潮の洪水が、2030年代までに変わる可能性がある。
NASAの海面水位変動科学チームの分析によれば、この冬強いエルニーニョ現象が発生すると、アメリカ大陸の西海岸沿いの都市では、道路を浸水させ低地の建物に浸水する、高潮による洪水の頻度が高まる可能性がある。
エルニーニョ現象は、太平洋の赤道域の海面が平年より高く、海水温が平年より高くなる周期的な気候現象である。これらの条件は、アメリカ大陸の西海岸に沿って極方向に広がる可能性がある。今年も発達中のエルニーニョ現象は、米国南西部に例年よりも多くの雨をもたらし、インドネシアなどの西太平洋の国々に干ばつをもたらす可能性がある。これらの影響は通常1月から3月にかけて発生する。
NASAの分析によると、強いエルニーニョ現象が発生すると、シアトルやサンディエゴなどの都市で、この冬に「10年に一度」と呼ばれる洪水が最大5回発生する可能性があることが分かった。エクアドルのラ・リベルタッドやバルトラのような所では、この冬、10年に一度の洪水が3回発生する可能性がある。この種の洪水は、通常、エルニーニョの年以外では、アメリカ大陸の西海岸では発生しない。研究者達は、これらの都市では、2030年代までに、エルニーニョに関わらず、海面上昇と気候変動によって、年間10年に一度の洪水が同程度になる可能性があると指摘している。
<イメージ>: SWOT 衛星からのデータは、2023年8月12日と10月3日の間の、エクアドルとペルーの沖で海面水位の偏差(平均高度と比較した海面の高低)を示している。このデータは、アメリカ大陸の西海岸に沿ってエルニーニョ現象が発達していることを示している。
<出典>: Jet Propulsion Laboratory
<ひとこと>: 大判は上のリンクから原典参照。10月26日の記事も・・・。
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