「ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)」
日本国内では年間5万人が死亡すると言われる胃がんの主原因といわれるピロリ菌。
公的医療保険を使ったピロリ菌の除菌治療は、胃潰瘍などに限られていたが、
2013年2月に慢性胃炎も適応になりましたね。
内視鏡検査で慢性胃炎と診断された患者も保険適用になったが、対象は2回目の除菌までだという。
―ピロリ菌とはー岡山大病院専門外来・岡田裕之教授(消化器内科)ー
5歳位までの子どもが感染しやすく、井戸水や感染者の母親からの食事の口移しなどにより感染するという。
―感染するとどうなるのかー
胃の粘膜表面で増殖し、数ヵ月以内に慢性胃炎となるという。現在、胃がんの発症者数は年間11万人とされるが、そのほとんどはピロリ菌が原因だと。
―除菌治療の方法はー
2種類の抗生剤と胃酸の分泌を抑制する薬の計3種類を1週間服用。
尿素を含んだ液体を飲んだ後に行う呼気試験で除菌できたかを判断し、患者の7、8割は成功するという。失敗した人の菌は抗生剤への耐性があるため、抗生剤1種類を変更して2回目を実施。
これで除菌できないのは3%ほどとのこと。
岡山大病院では11年から専門外来を設けているが、
慢性胃炎や3次除菌を希望する保険適用外の人に、費用を全額負担してもらう自由診療で行ってきたという。費用は、1万5千円ほどだという。ー3回以上は自由診療(自費)です。ー
―治療を受けた人が気を付けることはー
治療後に必ず判定検査を受けること。また除菌に成功しても、胃がんのもとが既にあれば、がんになることもあるので、毎年検診を受け続けてほしい、と。
ー岡山大病院専門外来・岡田裕之教授(消化器内科)ー
ピロリ菌専門外来