今日の読売・医療ルネサンスは、ポリオワクチンについてでした。
―ポリオ(小児まひ・急性灰白髄炎⇒きゅうせいかいはくずいえん)―
ポリオの予防接種で左足がまひし、不活化ワクチンの導入を訴える東京都内のMさん。
ポリオに感染して手や足のまひが残ると、一生、その障害と向き合わなければならない。
それだけではなく、「ポスト・ポリオ症候群」を発症することもあるという。
東京都のMさん(44)は、生後8か月の時にポリオの予防接種を受けた後、左足がまひ。便からワクチンのウイルスが出て、予防接種の健康被害と認定された。
当時、足に障害があれば養護学校(現在の特別支援学校)に行くのが通例だったが、母親は市の教育委員会と交渉して普通小学校に入れた。車の免許を取って、毎朝、校舎に入る前に、泥のついた松葉づえの先をぞうきんで丁寧にふいて送り出してくれたという。
子どもたちの好奇の目にさらされるのはつらかったが、明るく振る舞って撃退した。中学生になると、つえなしで、足に装具をつけるだけで歩けるようになった。野球もした。打つと、友達が代走してくれた。
高校卒業後、歩き回る営業の仕事を自分で選んだ。24歳で結婚、3人の子どもにも恵まれた。「足のハンデがあっても十分人並みに生きていける」。
ところが、40歳を過ぎた頃から、股関節や腰が痛み出し、歩くと痛みはさらに強くなったという。
インターネットで見つけた患者団体「ポリオの会」の紹介で専門医を受診。痛みの原因は「ポスト・ポリオ症候群」だとわかった。
ポリオの発症後、15~50年してから、突然、あるいは徐々に、まひしていなかった部分の筋力の低下や痛み、急に力が抜けるなどの症状が表れる。長年、ほかの筋肉や神経に過剰な負担がかかり続けることが主な原因と考えられているという。
ポリオ患者の20~40%に起きるとされ、筋肉に負担をかけ過ぎないよう注意して生活を送るしかないのだという。悪いのは左足だけと思っていただけにショックを受けたという。
会に入って、自分と同じように予防接種でまひを起こした子どもたちが何人もいることを知った。そして、日本では、ごくまれとはいえ、まひを発症する危険がある生ワクチンが使われているが、海外の多くの国では、まひが出ない「不活化ワクチン」が使われていることも知った。
Mさんは先月、「ポリオの会」の仲間と共に、衆議院議員会館で国会議員たちに自分の体験を語り、日本でも早急に、不活化ワクチンを導入するよう訴えた。「自分と同じ思いをする人をこれ以上出したくない」と力を込める。
◆ポリオの会ホームページ
◇ポリオの会:ポリオ体験者や家族、医療関係者などで作る。ポリオやポスト・ポリオ症候群についての医療情報を求めるために結成、医療関係者にポリオやポスト・ポリオ症候群への理解を訴えている。ポリオ体験者が連携して個々の体験や症状をまとめて伝える活動もしている。日本の予防接種で使うポリオワクチンを現行の「生ワクチン」から、海外で広く使われる「不活化ワクチン」に早急に切り替えるよう、行政や政治家に訴えている。
◆ポリオはウイルスで感染する。口から入ったウイルスが腸で増え、脊髄に侵入して前角細胞に取り付きダメージを与える。
ウイルスに感染した人が全員病気になるのではない。ほとんどの人はなんともなく免疫を獲得するが、風邪のような症状を示す人も5%くらいる。風邪のような症状になったからといって、麻痺が出るわけではない。風邪を引いたらしい人はほとんどそれで治る。免疫もできる。
風邪のような症状がひどくて高熱を出して、体が痛み、・・・という人は、風邪症状の人のまた5%くらいだという。この人たちがポリオにかかったといわれる。
◇ポリオ(小児まひ・急性灰白髄炎)にかかった患者さんの一部の方が、数十年後に突然、疲労、痛み、筋力低下などに悩まされることがあり、 ポストポリオ症候群(PPS)と呼ばれる。
◆現在のポリオワクチンには、毒性を弱めたウイルスが入っている。ポリオの予防接種を受けた人の中には、ポリオにかかった時と同じような麻痺を生じることがある。
◆ 現在、ポリオ(急性灰白髄炎)の予防接種に使用している(飲んでいる)生ワクチンは、最も安全で確実な効果があるワクチンの一つと考えられている。
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◆のあ いちいHP)
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―ポリオ(小児まひ・急性灰白髄炎⇒きゅうせいかいはくずいえん)―
ポリオの予防接種で左足がまひし、不活化ワクチンの導入を訴える東京都内のMさん。
ポリオに感染して手や足のまひが残ると、一生、その障害と向き合わなければならない。
それだけではなく、「ポスト・ポリオ症候群」を発症することもあるという。
東京都のMさん(44)は、生後8か月の時にポリオの予防接種を受けた後、左足がまひ。便からワクチンのウイルスが出て、予防接種の健康被害と認定された。
当時、足に障害があれば養護学校(現在の特別支援学校)に行くのが通例だったが、母親は市の教育委員会と交渉して普通小学校に入れた。車の免許を取って、毎朝、校舎に入る前に、泥のついた松葉づえの先をぞうきんで丁寧にふいて送り出してくれたという。
子どもたちの好奇の目にさらされるのはつらかったが、明るく振る舞って撃退した。中学生になると、つえなしで、足に装具をつけるだけで歩けるようになった。野球もした。打つと、友達が代走してくれた。
高校卒業後、歩き回る営業の仕事を自分で選んだ。24歳で結婚、3人の子どもにも恵まれた。「足のハンデがあっても十分人並みに生きていける」。
ところが、40歳を過ぎた頃から、股関節や腰が痛み出し、歩くと痛みはさらに強くなったという。
インターネットで見つけた患者団体「ポリオの会」の紹介で専門医を受診。痛みの原因は「ポスト・ポリオ症候群」だとわかった。
ポリオの発症後、15~50年してから、突然、あるいは徐々に、まひしていなかった部分の筋力の低下や痛み、急に力が抜けるなどの症状が表れる。長年、ほかの筋肉や神経に過剰な負担がかかり続けることが主な原因と考えられているという。
ポリオ患者の20~40%に起きるとされ、筋肉に負担をかけ過ぎないよう注意して生活を送るしかないのだという。悪いのは左足だけと思っていただけにショックを受けたという。
会に入って、自分と同じように予防接種でまひを起こした子どもたちが何人もいることを知った。そして、日本では、ごくまれとはいえ、まひを発症する危険がある生ワクチンが使われているが、海外の多くの国では、まひが出ない「不活化ワクチン」が使われていることも知った。
Mさんは先月、「ポリオの会」の仲間と共に、衆議院議員会館で国会議員たちに自分の体験を語り、日本でも早急に、不活化ワクチンを導入するよう訴えた。「自分と同じ思いをする人をこれ以上出したくない」と力を込める。
◆ポリオの会ホームページ
◇ポリオの会:ポリオ体験者や家族、医療関係者などで作る。ポリオやポスト・ポリオ症候群についての医療情報を求めるために結成、医療関係者にポリオやポスト・ポリオ症候群への理解を訴えている。ポリオ体験者が連携して個々の体験や症状をまとめて伝える活動もしている。日本の予防接種で使うポリオワクチンを現行の「生ワクチン」から、海外で広く使われる「不活化ワクチン」に早急に切り替えるよう、行政や政治家に訴えている。
◆ポリオはウイルスで感染する。口から入ったウイルスが腸で増え、脊髄に侵入して前角細胞に取り付きダメージを与える。
ウイルスに感染した人が全員病気になるのではない。ほとんどの人はなんともなく免疫を獲得するが、風邪のような症状を示す人も5%くらいる。風邪のような症状になったからといって、麻痺が出るわけではない。風邪を引いたらしい人はほとんどそれで治る。免疫もできる。
風邪のような症状がひどくて高熱を出して、体が痛み、・・・という人は、風邪症状の人のまた5%くらいだという。この人たちがポリオにかかったといわれる。
◇ポリオ(小児まひ・急性灰白髄炎)にかかった患者さんの一部の方が、数十年後に突然、疲労、痛み、筋力低下などに悩まされることがあり、 ポストポリオ症候群(PPS)と呼ばれる。
◆現在のポリオワクチンには、毒性を弱めたウイルスが入っている。ポリオの予防接種を受けた人の中には、ポリオにかかった時と同じような麻痺を生じることがある。
◆ 現在、ポリオ(急性灰白髄炎)の予防接種に使用している(飲んでいる)生ワクチンは、最も安全で確実な効果があるワクチンの一つと考えられている。
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◆のあ いちいHP)
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