多岐川優が過疎高齢化に悩む故郷を、村ごと株式会社化することで救ってから四年の歳月が経った。止村は、麓にある幕悦町の国道沿いに完成したショッピングモールとも業務提携するほど安定的に発展していっている。
そんな中、かつて栄えていた駅前商店街は、シャッター通りになって久しかったが、コミュニティ・カフェの開店や、東京からやってきた若者たちで、にわかに活況を呈していた。しかし、モールの成功に気をよくした優のかつての盟友・佐藤の主導で、幕悦町の駅前商店街の開発計画が持ち上がる。コミュニティ・カフェを運営する又従兄弟を手伝っている優の妻・美穂は、商店街の保存に奮闘するが、再開発派の切り崩しにあい、孤立していく。
開発か、現状維持か? 日本のそこかしこで起こっている問題に切り込む、地域活性エンタテインメント! 信州、東北で大ヒット、17万部突破シリーズ待望の続編です。(小学館公式ホームページより)
以前このブログで紹介した星野新一著 「限界集落株式会社」の続編です。
地方山間部の地域再生を物語の軸にした前作に対して、今作は地方再開発や古くからある地域商店街の再生、といったものが題材になっています。
巨大資本による地方の再開発に対抗する、古き良き地域商店街有志たち、といった感じでしょうか。
今作もテンポの良い文章でサクサク読めます(^^)
恋愛をからめたエンターテイメント作品を楽しみながら読み進めると、いつのまにやら難しい、経済や地域コミュニティの知識が付いていた、なんてことも。
この「脱 限界集落株式会社」も面白くてちょっとためになる、そんな良作だと思います(^-^)